イラン政府、輸入目的の仮想通貨支払い認可
イラン中央銀行(CBI)が認定された銀行や両替業者などを対象に、輸入資金として暗号資産(仮想通貨)の利用を認めたことがわかった。イランの地元メディアFinancial Tribuneが報じた。
報道によれば、昨年10月に改正されたデジタル資産関連の法律が施行されたことが今月通達され、物資の輸入において、両替商や一部の銀行による仮想通貨支払いが可能となった。
イラン政府が公認したマイニング事業者が採掘した仮想通貨のみが利用できる仕組みとなっており、これまでは中央銀行が仮想通貨を一時的に買い上げ、仮想通貨を貿易資金に充てていた。
改正案の施行を経て、両替商や銀行などが海外から物資やサービスを輸入する際の資金として活用が新たに認められる。イランは米政府から厳しい経済措置を受けており、対抗手段としてこれまでも仮想通貨が着目されてきた。
中東イランは1979年以来、米国から厳重な経済制裁を科されてきた他、法定通貨のインフレも目立っており、ベネズエラなどとハイパーインフレに苦しむ各国と共に仮想通貨の実需が高いことで知られている。
また、安価な電力コストも重なり、近年では仮想通貨マイニングが活発化してきたが、政府が状況を把握する目的で取り締まりが強化。採掘事業者はイラン政府からライセンス取得が義務付けされていた。