韓国の取引所でマルチ商法の詐欺か
韓国の仮想通貨取引所V Globalは、マルチ商法(MLM:連鎖販売取引)による詐欺の疑いなどで捜査を受け、会社の資産も凍結されたことが韓国メディアなどで報じられた。
韓国メディアのhankyung.com(韓経ドットコム)によると、韓国ソウルの論硯洞(ノンヒョンドン)にあるV Globalの本社のほか22か所が警察による捜査を受けた。
韓国では4日に、「有名な仮想通貨取引所」への捜査があったことが大手メディアの聯合ニュースなどにより報じられていたが、取引所の具体名が改めて判明した形となる。
V Globalは通常の取引所かのように運営していたが、実際にはいわゆるマルチ商法を行っていたとのことだ。
具体的には、一定期間後に投資金額の3倍を配当として支払うことや新しいメンバーを勧誘して入会すると各種手当が支給されるといったことを謳っていたが、一部の投資家に配当が支払われず、また、口座の返金も受け付けられない状況が続いているという。
その被害としては報道によると、会員4万人から計1兆7,000億ウォン(約1,650億円)を入金させていたとされる。
また、取引所は事業者としての登録も行っていなかったとされ、海外へ逃亡されるといったケースを防ぐため、会社の資産に対して没収(凍結)が許可された。その資産は2400億ウォンで約233億円に相当。しかし、顧客資産に関する措置は現時点では明確ではない。
一方、こういった状況にもかかわらず、V Globalのサイトは通常通り稼働しており、5月1日には新たな新規通貨の上場を発表していた。また、最後の防止策を理由として、出金を入金から72時間後に可能とするなどのポリシー変更を通知した経緯がある。
5月5日にはシステムエラーが発見され対処中としていたものの、こちらは現在、対処が完了したと表示されている。