はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

インドで燻る仮想通貨規制問題、公営小売決済団体は利用停止を見送り 可否判断は銀行に委ねる

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨を容認か

インドの小売決済システムを運営する包括的な組織、インド決済公社(NPCI=National Payments Corporation of India)が、暗号資産(仮想通貨)取引のための決済システム利用の阻止を事実上、見送ったことがわかった。

NPCIは、インドの中央銀行にあたるインド準備銀行(RBI)とインド銀行協会(IBA)が主導する非営利団体で、テクノロジーを活用した決済システムの普及を通して、強固な決済インフラの構築を支援している。

現地メディアEconomic Timesの報道によると、NPCIは、仮想通貨投資の決済手段として、インドで普及している独自の決済システム「RuPay」とデジタル決済基盤UPI(Unified Payment Interface)の使用停止は行なっていないという。NPCIは、全ての銀行に対し統一措置を適用するのではなく、それぞれの銀行に仮想通貨取引を禁止するかどうかの可否判断を委ねる選択をしたようだ。

なお、日本のJCBとも提携しているRupayは、インド国内銀行が発行するデビットカード、クレジットカード、およびプリペイドカードをサポートしており、インドにおける小売電子決済システムの要となっている。

決済システム利用を阻止しないNPCIの姿勢は、仮想通貨ユーザーにとって朗報だと言えるだろう。ただし、インドの仮想通貨規制は混沌とした状況が続いており、仮想通貨取引の決済システム利用がいつまで許可されるかは明らかではないと、ある業界関係者は語っている。

銀行がNPCIに打診

Economic Timesは業界関係者の話として、一部の銀行がNPCIに、UPI経由のトランザクションを制限するように申し入れていたと伝えている。これに対し、NPCIは銀行の自社システムにおける取引停止が妥当かどうかを、行内の法務・コンプライアンス部門に相談するよう回答したという。

国内銀行に対するインド準備銀行の仮想通貨取引禁止令は違法であるとの最高裁判断が示されているにもかかわらず、規制の不確実性から、NPCIの促進パートナー銀行であるICICI銀行をはじめ、RBL銀行やHDFC銀行などが、仮想通貨関連企業に対する銀行サービスの提供を停止している状況だ。

ICICI銀行は、一部の決済業者に仮想通貨取引事業者のインターネットバンキング機能を停止するよう指示しており、仮想通貨コミュニティに混乱をもたらす結果となった。

スタートアップ企業団体が仮想通貨規制について提言

インド政府の仮想通貨規制に対する方向性については情報が錯綜している状況だ。厳格な仮想通貨法案が審議される可能性に対する報道があった直後、財務大臣が仮想通貨の全面禁止方針を否定するなど、状況は混沌としている。

関連:インド財務大臣、仮想通貨の全面禁止方針を否定 禁止法案の報道から一夜明け

一方、仮想通貨の法的地位が定まらず、規制の枠組みも整備されていない状況でも、インドにおける仮想通貨トレーダーは一千万人に上ると推定されており、一日3,500万ドル(約38億円)の取引が行われているという。

インドの著名投資家Balaji Srinivasan氏は、仮想通貨は1兆ドル(約109兆円)規模のビジネスチャンスをもたらすもので、これを禁止すれば、インドが失うところは大きいと主張している。

関連:「仮想通貨の禁止は、国家を遅らせる」インド大物IT企業家

そんな中、インターネット・スタートアップやユニコーン企業、投資家によるインドの業界団体「IndiaTech.Org」は、仮想通貨を取り巻く状況を改善するための提言を、インド準備銀行やインド企業省などの12の政府機関に提出した。

提言は仮想通貨の定義や所有の要件、コンプライアンス、税金、決済とトークンの発行、自主規制ガイドラインなど、五つの項目で構成されている。中でも仮想通貨を、通貨ではなくデジタル資産として定義することを基盤に、仮想通貨取引所の登録システムの確立を通した法の準拠を推奨している。

インド政府が、急成長を遂げる仮想通貨業界の声にどれだけ真摯に耳を傾けるのか、注目される。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/28 金曜日
15:38
Soneium基盤のファンダムアプリ「IRC APP」公開 SNS応援をオンチェーン管理
IRC 2026公式アプリ「IRC APP」がSoneium基盤で公開。SNS応援活動をAIがスコア化し、チケット先行購入や優先入場などイベント当日の特典に変換。6万人が参加したベータ版実績を持つファン参加型プラットフォーム。
14:30
ブータン政府が320ETHをステーキング、BTC保有と併せ仮想通貨準備金戦略を拡大
ブータン政府はFigmentを通じて320ETH(約1.5億円)をステーキングした。世界初となる国民デジタルIDのイーサリアム統合、6,154BTC(876億円相当)の保有、観光業へのバイナンスペイ導入など、小国ながら先進的なブロックチェーン戦略を展開している。
13:30
トム・リー率いるビットマイン、押し目買いで70億円相当のイーサリアムを追加購入
ビットマイン・イマージョンが27日、70億円相当のイーサリアムを追加購入した。これは同社の毎週の購入パターンと一致。先週まで保有するETHは363万枚を超え供給量の3%に到達。
13:10
途上国インフレが仮想通貨の促進要因に 今年のチェイナリシス「グローバル仮想通貨採用指標」
チェイナリシスの2025年仮想通貨採用指標でインドが首位に。各国でインフレがステーブルコインなど仮想通貨の需要を喚起している。日本はAPAC地域で最高成長率を記録した。
12:46
トム・リー氏、ビットコイン年末25万ドル予想を軟化 史上最高値更新は「可能性ある」
ビットマインのトム·リー会長が年末25万ドルという強気予想を初めて軟化。10月に200万口座が消滅した史上最大の清算イベント後、年末10万ドル突破は「非常に可能性が高い」と予想を下方修正したが、楽観的な見方は維持している。
11:35
欧州最大級の資産運用会社アムンディ、イーサリアム上で初のトークン化ファンドを運用開始
欧州最大級の資産運用会社アムンディが、マネーマーケットファンドの初のトークン化シェアをイーサリアムブロックチェーン上で開始した。24時間365日の運用が可能になり、投資家は従来型とトークン化の両方でファンドにアクセスできる。
11:26
Visa、中東欧・中東・アフリカでステーブルコイン決済を拡大 Aquanowと提携
決済大手Visaが27日、Aquanowと提携し中東欧・中東・アフリカ地域でステーブルコイン決済を拡大すると発表。USDCを活用し、コスト削減と決済時間短縮を実現。世界のステーブルコイン市場は5年で10倍に成長。
10:25
USDT発行のテザー、ウルグアイのBTCマイニング施設を閉鎖 高コストで採算合わず
ステーブルコインUSDT発行のテザー社がウルグアイでのBTCマイニング事業を停止した。電力コストが折り合わなかったことを理由としている。7月にはブラジルでの計画を発表していた。
09:45
ヴィタリック、計1億円超相当のETHをプライバシー領域のプロジェクトに寄付
仮想通貨イーサリアムのヴィタリック・ブテリン氏は、プライバシー機能を持つメッセージアプリSessionとSimpleXにそれぞれ6000万円相当のETHを寄付した。期待する点を説明している。
08:55
トランプ関連プロジェクトと提携のALT5シグマ、CEO解任 内部混乱が明らかに
ナスダック上場のALT5シグマが、トランプ前大統領の家族が支援するワールドリバティファイナンシャル(WLFI)との提携後、株価が80%下落し内部混乱に陥っている。CEOや複数の幹部が解任され、規制当局の調査やルワンダでのマネーロンダリング有罪判決も明らかになった。
07:40
ネイバーとアップビット親会社ドゥナム、AIとブロックチェーン融合で1兆円投資へ
ネイバーとアップビット運営のドゥナムが、AIとブロックチェーンを組み合わせた次世代金融インフラ構築に向け、今後5年間で1兆円超を投資する計画を発表した。韓国ウォン連動型ステーブルコイン発行も視野に入れている。
07:10
イーサリアム、ブロックのガスリミットを6000万ユニットに引き上げ
仮想通貨イーサリアムは、ブロックのガスリミットが6000万ユニットに引き上げられた。これにより、フサカアップグレードの前にトランザクション処理能力が向上した。
06:35
アップビットのハッキング後に一部のソラナ系銘柄で大幅なキムチプレミアム発生、Orcaは50%超の価格乖離
韓国のアップビットで27日にハッキングが発生し入出金が停止された後、ソラナ系トークンで大幅な価格乖離が発生した。オルカは国際価格と比較して51%のプレミアムを記録し、Meteoraも40%のプラス乖離を示している。
05:56
ビットワイズがアバランチETF申請を更新、最大70%のステーキング機能導入へ
ビットワイズが米証券取引委員会に提出したアバランチ現物ETFの申請書類を更新した。ティッカーはBAVAに変更され、保有AVAXの最大70%をステーキングできる仕組みを導入する。
05:40
ソラナミームコインBONKの現物ETP、スイス証券取引所に上場
ソラナミームコインBONKがスイスのSIX証券取引所で取引を開始した。ビットコイン・キャピタルが発行するETPにより、投資家は従来の証券口座を通じてBONKへのエクスポージャーを得られるようになった。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧