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イーサリアム担保の米ドルローンを提供へ 米仮想通貨信託銀行Anchorage

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

法人向けのイーサリアム担保ローン

米国の大手暗号資産(仮想通貨)カストディ企業兼信託銀行のAnchorage Digital(以下、Anchorage)は、イーサリアム(ETH)を担保とした、法人向けの米ドル建てローンを提供することを発表した。ナスダック上場の商業銀行BankProvとの提携で実現する。

BankProv(旧称The Provident Bank)はアメリカで10番目に古く200年以上にわたって営業している伝統的な老舗銀行である。

イーサリアムを保有しており、資本を必要とする仮想通貨ファンドなどの企業は、Anchorageのサービスを利用すれば、イーサリアムを売却せずに融資を受けられる仕組みとなる。

BankProvのCEO、Dave Mansfield氏は次のように説明した。

私たちは仮想通貨市場が、伝統的な資金調達ツールへのアクセスや権利を、法的準拠しており十分な資本を備えた他のビジネスと同じように提供されるべきだと考えている。

イーサリアムを売却することなく資金にアクセス

このサービスで、Anchorageはユーザーにローンを提供し、BankProvは保険付き預金を提供する予定。ユーザーにとっては、仮想通貨の売却などによる課税を発生させることなく、米ドルの流動性にアクセスできるようになることもメリットとなるという。

Anchorageの共同創設者・社長であるDiogo Monica氏は次のように話す。

イーサリアムを大量に保有している機関や、さまざまな理由で運転資金を必要とする機関からの需要がみられる。事業の運営資金として米ドルが必要な企業、米ドルで取引を促進したい企業、イーサリアムを長期的に保有することを好み、売却して課税を発生させたくない企業など、様々なケースがある。

イーサリアムに高需要

またMonica氏は、現在、仮想通貨時価総額におけるビットコイン(BTC)ドミナンス(占有割合)が約42%に低下していることを指摘し、「イーサリアムの需要は増加している」と語る。

「イーサリアムを担保とするローン」という点、「仮想通貨に裏付けられた米ドル建てローン」という両方の面から、機関投資家がこのローンに関心を高めており、それに対する需要は、ビットコイン担保ローンの需要よりも速く伸びているという。

Monica氏は、将来的にはNFT(非代替性トークン)さえ融資の担保となってもおかしくないと意見した。

関連:大企業の関心集める「NFT」の魅力とは|主な特徴と将来性を解説

また特に機関投資家にとっては仮想通貨のボラティリティ(高い価格変動)が問題となるが、Anchorageのイーサリアム担保ローンには、それに対応する機能が備わっている。

Monica氏によると、Anchorageにはその担保の価値を追跡する価格監視システムがあり、価格が一定のしきい値まで低下した場合は追加の担保が必要であることを借り手に知らせ、元本を保護するために自動的に清算する仕組みとなっているという。

米フィデリティによる事例も

仮想通貨を担保にしたローンを提供する金融機関は他にもある。

20年8月、ロシアの商業銀行Expobankが、仮想通貨を担保にした個人向けローンの提供を行ったことが分かった。

担保に利用された仮想通貨銘柄はWaves(WAVES)で、ローンの提供を受けたのは実業家。具体的な融資額は明らかにされていないが、仮想通貨を担保にしたローンの発行はロシア初と報じられた。

また、21年3月には米Silvergate銀行が、ビットコイン(BTC)担保ローンのサービス提供で、大手金融フィデリティの仮想通貨子会社FDA(Fidelity Digital Assets)と連携する方針を発表した。

Silvergate銀は仮想通貨セクターに銀行サービスを提供する米有数の「クリプトフレンドリー」な金融機関として知られる。

提携により、すでにFDAを利用しビットコインを預けている機関投資家はビットコインを移動させずにSilvergate銀のSEN Leverageを通してローンを組むことができるようになる。「ロングポジションを維持したい顧客はカストディプロバイダーを変更することなく、よりシームレスにローンを利用することができるようになった」と、同銀行は発表で説明した。

Silvergate銀が提携したカストディアンはコインベースカストディに続く2例目。異なるカストディアンと手を組むことによって、自社のビットコイン担保ローンサービスの事業拡大を図る。

関連:ビットコイン売却せずに資金調達可能に フィデリティの仮想通貨保管事業で新サービス

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