はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

ポリゴン開発チーム、イーサリアム改善案「EIP-1559」の手数料モデル修正を提案

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ポリゴン上ではベース手数料を焼却しない

イーサリアム(ETH)のレイヤー2ソリューションであるポリゴン(Polygon)の開発チームが、次期大型アップグレード「ロンドン」で実装されるイーサリアム改善案「EIP-1559」について、ポリゴン・ネットワークにおける修正提案を発表した。

EIP-1559は、イーサリアムの取引手数料の仕組みを改善する提案で、現行のオークション方式から、ネットワーク全体で標準化された手数料が、アルゴリズムで設定される方式に変更される。手数料はプロトコルが提示するベース手数料と市場原理で設定される優先手数料の二つに分割され、ベース手数料は焼却(バーン)される。

●バーン(焼却)

●バーンとは、仮想通貨の発行枚数を減らす行為。仮想通貨のバーンは、株式の「自社株買い」に近い供給量を減らす仕組み。自社株買いをする企業は、発行している株式を自分たちのお金で買い戻す。買い戻されると市場に流通する株数が減少することで一株あたりの価値が向上し、株主に対してプラスの影響を与える。バーンをすることで、流通する通貨の一枚あたりの価値が高まることになる。

▶️仮想通貨用語集

優先手数料はマイナーに対するインセンティブの役割を果たすが、ポリゴン開発チームが議論しているのは、ベース手数料の扱い方についてだ。開発チームは、ベース手数料をバーンするのではなく、ポリゴンのDAO(自律分散型組織)が管理する新しいコントラクトに移管し、コミュニティが資金の用途を決定することを提案している。

発行上限のあるトークン

現在、発行上限が設定されていないイーサリアムに対し、ポリゴンネットワークのネイティブトークンMATICには発行上限(100億MATIC)が設定されている。開発チームは、供給量が固定されているMATICを、取引ごとにバーンすると理論上「最終的にゼロ」となるため、報酬の支払い方法の再構築が必要になると指摘した。

ポリゴンチームが提案する新コントラクトへの資金の預け入れは、将来のバリデータへの支払い戦略と似ているという。DAOがネットワークの改善と維持に資金を費やすことが可能になるため、すべてのバリデータにとって長期的な利益をもたらすことになると説明している。さらに、バーンしてトークンの希少性を高めることで価値を上げるのではなく、ネットワークの機能が向上することにより、全てのトークン保持者が恩恵を受けることになると、チームは主張している。

開発チームは、手数料報酬をコントラクトで管理することはあくまでも一つの提案であり、コミュニティからのフィードバックを求めるという姿勢をとっている。

様々な議論

開発チームの提案に対し、コミュニティからは様々な意見が述べられている。

手数料をバーンするかについては、「価値を高めるために賛成」「イーサリアムネットワークと歩調を合わせるべき」という意見も多く散見される。また、50%をバーンし、50%をDAOが管理するという「ソフトバーン」の提案もあった。

問題となっている報酬は、MATICの取引手数料から発生した報酬であるため、バリデータやトークン保有者へ還元すべきだとの意見もある。また複数の鍵でロックされた流動性プールに、ベース手数料を預け入れることで利子が発生する仕組みの提案もなされた。

DAOが新しいコントラクトを管理するという点については、いかに合意形成を行うか、また運営の透明性など、いくつかの課題が指摘されている。

注目を集めるポリゴンネットワーク

イーサリアムのスケーリング問題の解決策の一つとして注目を集めるポリゴンは、今年、過去最高価格を更新した5月時点で、年初から実に140倍を超える急騰を見せた。ポリゴンは、取引所最大手のバイナンスIEOで2019年4月に上場。今年3月には米大手取引所コインベースに上場を果たしている。

今月初めには、ブロックチェーンに特化したベンチャーキャピタル、AU21が、ポリゴン関連プロジェクト支援に、総額2,100万ドル(2.3億円)のファンドを立ち上げた。時期を同じくして、米仮想通貨投資企業Bitwiseも、ポリゴンを主要銘柄指数(Bitwise 10 Large Cap Crypto Index)に新たに組み入れている。

関連:Polygon(MATIC)のエコシステムが拡大へ、ブロックチェーンVCがファンドで支援へ

直近では、Kyber Networkが、流動性提供者に報酬を分配するプログラム「Rainmaker」の対象の一つにポリゴン・ネットワークを選定。6月30日から2ヶ月間、Kyber NetworkのトークンKNCとMATICの合計6億円相当が、6つのプール(USDT-USDC、USDC-ETH、USDC-DAI、MATIC-DAI、KNC-ETH、KNC-MATIC)の流動性提供者に分配される。

関連:イーサリアムとPolygonの流動性向上へ Kyber Network、最大30億円超の報酬プログラムを発表

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/17 土曜日
11:00
ビットコイン長期保有数1437万BTCに到達も、利確売り強まる=アナリスト分析
ビットコインの長期保有者が3月から5月にかけて利益確定を加速。支出利益率は71%増加し227%の平均リターンを記録。長期保有量は1437万BTCに達するも、市場サイクルの分配フェーズへの移行を示唆。
10:10
トランプ家のWLFI、民主党議員による調査要請を正式拒否
トランプ一族の金融企業WLFIが上院による調査を拒否した。政治的動機と批判し、同社は説明責任や米ドル優位性を指針としていると主張。倫理規定違反の疑惑なども否定している。
09:02
ETH・BTC比率が5年ぶり急騰、アルトシーズンの到来示唆か
イーサリアム/ビットコイン(ETH・BTC)価格比率が過去5年最低水準から38%急反発。ETFによる買い増し、取引所流入減少などの指標から需要増加・売却圧力低下が鮮明に。「極端な過小評価ゾーン」からの回復が示すアルトコインシーズン到来の可能性を分析。
07:50
ビットコインで利回り獲得、Solvがアバランチ基盤の新トークン発表
仮想通貨ビットコインの保有者にRWAの利回り獲得手段を提供するため、Solv Protocolはアバランチ上にSolvBTC.AVAXをローンチ。ローンチの目的や仕組みを説明した。
07:30
10億ドルのビットコイン投資を検討、米上場のシンガポール医療企業
シンガポールの医療企業バーゼル・メディカル・グループが10億ドル規模のビットコイン投資に関する交渉を開始。ストラテジー社に続く大規模企業BTC投資の新事例として注目される中、「革新的な株式交換契約」を通じてアジア医療企業最強の財務体質構築を目指す。
06:45
米裁判所、SECとリップルの和解案を「手続き上不適切」として却下 再申請へ
米連邦地裁がSECとリップルの和解申請を「手続き上不適切」として却下。民事訴訟規則違反が原因で、両者は適切な手続きでの再申請を迫られる状況に。
06:25
イーロン・マスクの『Kekius Maximus』切り替えでミームコインが2倍以上急騰
イーロン・マスク氏がツイッターのプロフィール画像とユーザー名をミームトークン「Kekius Maximus」に変更し、関連トークンが2倍以上急騰。昨年の900%上昇・急落事例に続くマスク氏のSNS活動による仮想通貨市場への影響力を示す展開に。
06:05
サウジ中央銀行、15億円相当のストラテジー株保有でビットコインに間接投資
サウジ中央銀行がセイラーのストラテジー社の株を25656株取得し仮想通貨ビットコインへの間接投資を開始したことが確認された。
05/16 金曜日
17:00
マスクネットワークとは?仮想通貨MASKの買い方・取引所まで徹底解説
Mask NetworkはSNS×Web3をシームレスに接続するSocial-Fiプラットフォーム。本記事では特徴とMASKトークンの買い方を初心者向けに解説します。
13:50
米ステーブルコイン法案、来週末までの成立視野に 次の「起爆剤」との見解も
米上院のステーブルコイン法案「GENIUS法案」で新たな超党派修正案が決定された。消費者保護や倫理規定が強化され、5月19日に討論終結投票が予定されている。
11:58
ビットコイン高値圏推移もアルトコインは上昇一服
仮想通貨ビットコインは104,100ドルと高値圏で推移、アルト市場ではメイプルストーリー(NXPC)はバイナンス対応で一時高騰したほか、XRPは7,300万ドル相当の大口売りとリップル和解手続き却下で下落した。コインベースはサイバー攻撃で最大4億ドルの損失も被害者への返金を約束した。
11:30
ブラックロックの「BUIDL」、初めてDeFiと接続へ アバランチ利用で
ブラックロックの米国債ファンド「BUIDL」がアバランチ上のプロトコル「Euler」に導入された。セキュリタイズは、機関投資家のDeFi参入を促進する一歩になったとしている。
10:55
加速する企業のビットコイン争奪戦、米上場のDDC社が5000BTC取得計画
香港発DDCエンタープライズが5000ビットコイン取得計画を発表。テザーの4812BTC購入、アデンタックスの8000BTC購入のための交渉、ウクライナの国家準備金構想など、企業・国家レベルでビットコイン争奪戦が激化。
10:15
FTX、債権者に7300億円規模の二回目返済開始へ
破綻した仮想通貨取引所FTXが5月30日から二回目の返済を開始する。米ドルで総額50億ドル規模が分配される予定だ。一部の債権者がこの資金で仮想通貨を買い戻す可能性も指摘される。
10:00
CoinMarketCap、独自ローンチパッド「CMC Launch」をリリース
仮想通貨取引所バイナンス傘下のCoinMarketCapが、ローンチパッドCMC Launchをリリースした。最初のプロジェクトに採用された永久先物のDEXのAsterがエアドロップを行う予定。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧