はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

スイス中銀エコノミスト「現在デジタルフランは必要ない」=報道

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

現時点で「CBDC導入計画はない」

スイス国立銀行(SNB=スイス中銀)のチーフエコノミスト、Carlos Lenz氏はスイス独自の中央銀行デジタル通貨(CBDC)「デジタルフラン」を発行する必要はないと発言していた。またブロックチェーン技術をCBDCに使うことは非効率的だとしている。地元メディアThe Handelszeitungが報じた。

ブロックチェーン

ブロックチェーンとは、ネットワーク上にある複数の端末同士を直接接続して、分散的に情報を記録・管理するデータベース(台帳)またはその技術を指す。

▶️仮想通貨用語集

「現在の決済システムはうまく機能している」ために、デジタルフランを発行する必要はないとLenz氏は語る。

スイス中銀はすでに、国際決済銀行(BIS)やフランス中央銀行と共同で、CBDCの試験運用プロジェクトを行ってきた。しかしLenz氏によると、こうした動きは、「実用レベルで導入することとは関係がない」もので、「現在、ホールセール型も含めて、中央銀行デジタル通貨を導入する計画はない」という。

「ホールセール型」とは、個人や企業などが利用するリテール型のCBDCとは区別され、銀行など金融機関の間での決済に用いることを想定し、大口顧客だけに向けられたものだ。

スイス中銀がBISと共同で昨年実施した「プロジェクトHelvetia」では、CBDCの機能や法的側面を評価するための実証実験が行われた。この際には、ホールセール型CBDCのみが検討されている。また当時も、この実験が行われたことは将来の「CBDC発行」を意味するものではないと強調されていた。

関連大口決済用デジタル通貨の概念実証に成功──国際決済銀行の共同プロジェクト

Lenz氏は、もしスイスがデジタル通貨を開発しない場合でも、法定通貨フランが他の通貨に置き換えられてしまうリスクはないと主張。欧州の統一通貨であるユーロが誕生したときも、同様の議論があったが、現実にユーロがフランを駆逐してしまうようなことは起こっていないと説明した。

「ブロックチェーン技術は非効率」

またLenz氏は、CBDCに用いる技術については様々な選択肢があるとして次のように話している。

中央集権型ではない、完全に分散化されたブロックチェーン技術を活用することもできる。ただし、ブロックチェーンは非常に非効率的だ。分散型ソリューションが理想的だとは思わない。

CBDCを実現する上で一番簡単な方法は、中央銀行へ口座を設けることだという。この方法もあくまで一例だが、ブロックチェーン技術に優位性があるわけではないとする格好だ。Lenz氏がブロックチェーンは「非効率的」であると考える理由については、今回特に報じられていない。

実証実験は着実に進捗

現在「導入予定はない」とLenz氏は語ったが、一方でスイス中銀は着実に調査や実験を進めている。6月10日、スイス中銀とフランス中銀は、国際決済銀行(BIS)とも共同でCBDCの決済実験を行うことを発表した。

これもホールセール型CBDCを実験するもので、デジタルユーロとデジタルフランの交換も含まれる計画だ。民間セクターからは、スイスのUBS銀行やクレディ・スイス、フランスのナティクシス、スイスの証券取引所「SIX Digital Exchange」、フィンテック企業R3も参加する。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/03 水曜日
17:03
XRP ETF、13取引日で8億ドル(約1240億円)到達 仮想通貨史上2番目の速さ
XRP現物ETFが上場13日で8億ドル超の流入を達成し、ビットコインETFに次ぐ史上2番目の速さを記録。ソラナETFを大きく上回るペースで、アナリストは最大1兆円超の市場規模を予測。
16:25
バイナンス(海外)、15種類の現物取引ペアを停止へ 12月5日実施
バイナンス(海外)は流動性レビューに基づき、12月5日に現物取引ペア15種を停止すると発表。停止は特定ペアのみで、対象トークンの上場廃止を意味しない。取引ボットも同時に終了予定。
15:14
ゲンスラー前SEC委員長「仮想通貨は投機的」 ビットコイン除く全トークンに警告
ゲンスラー前SEC委員長がブルームバーグのインタビューで、ビットコインを除くすべての仮想通貨を「極めて投機的」と評価。退任後も投資家保護の重要性を強調し、規制の観点からビットコインのみをコモディティとして区別する姿勢を維持している。
15:00
HashPortウォレット、Pontaポイントでステーブルコインの購入が可能に
HashPortは12月1日、HashPort WalletでPontaポイントをBase上のUSDCやcbBTCに交換できる「オンランプ」機能と、暗号資産をau PAYギフトカードに変換する「オフランプ」機能を開始した。
13:40
カルシが米CNNの公式パートナーに、予測市場のリアルタイムデータを報道に統合
米予測市場プラットフォームのカルシがCNNと提携し公式予測市場パートナーになった。カルシのリアルタイムデータがCNN番組全体に統合され、政治的・文化的イベントの確率情報を報道に活用する。ソラナ上でのトークン化予測市場も開始した。
12:45
ストラテジーCEO「米ドル準備金でビットコイン売却回避」、配当戦略を語る
米ストラテジー社CEOが今後の準備金や配当戦略を詳細に説明した。米ドル準備金で当面の配当資金を確保し、ビットコイン売却を回避する。レンディング参入の可能性も示唆した。
12:14
イーロンの「Xマネー」決済システム開発で人材募集 ソラナが支援表明
イーロン・マスク氏のX Moneyが決済プラットフォームの技術責任者を募集。ソラナが協力を表明し、仮想通貨統合の可能性に注目が集まる。WeChat型スーパーアプリ実現への動きを解説。
10:32
「資産トークン化が金融のあり方を変革」ブラックロックのフィンクCEOらが論説
ブラックロックのフィンクCEOらが現実資産(RWA)トークン化の可能性を様々な観点から解説した。トークン化の2つの大きな利点や規制当局の役割などにも言及している。
10:15
Trust Wallet、予測市場へのアクセス機能をローンチ
仮想通貨ウォレットのTrust Walletは、予測市場にアクセスできる機能をローンチ。まずはMyriad、ポリマーケット、カルシの3つの予測市場に対応する。
09:49
クラーケン、Backed買収 米国株のトークン化取引を拡大
仮想通貨取引所クラーケンがスイスのBacked Finance買収を発表。トークン化株式サービス「xStocks」は半年で取引高100億ドルを突破。RWA市場は2028年に2兆ドル規模へ成長見込み。
07:25
欧州10銀行がユーロ連動ステーブルコイン発行へ、2026年後半に開始予定
INGやBNPパリバなど欧州10銀行がユーロ連動ステーブルコイン発行を計画中。新会社キバリスを設立し2026年後半の発行を目指す。
07:15
バンカメ「資産管理サービスの顧客は仮想通貨投資を検討すべき」
バンク・オブ・アメリカは、資産管理サービスの顧客に対しポートフォリオの最大4%を仮想通貨などのデジタル資産に配分するように推奨していることがわかった。ビットコイン現物ETFも投資対象にする計画だ。
06:45
トム・リーのビットマインが継続的にイーサリアムを押し目買い、3日間で110億円相当
ビットマインが市場下落局面でも3日間に110億円相当のイーサリアムを追加購入した。同社は約373万ETHを保有し総供給量5%保有の目標に向け62%まで進捗。
06:25
米CME、ビットコインの恐怖指数VIXなどの新ベンチマークを導入
米CMEがビットコイン、イーサリアム、ソラナ、XRPを対象とした仮想通貨ベンチマーク指数を導入した。ビットコインのボラティリティを追跡する指数は株式市場のVIXに相当し、機関投資家のリスク管理ツールとなる。
05:55
チェーンリンク初の現物ETFがNYSEで取引開始、グレースケール「GLNK」
仮想通貨チェーンリンクの初の現物ETFが3日にニューヨーク証券取引所で取引を開始した。グレースケールがGLNKとして上場し運用資産は1700万ドル超となっている。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧