CoinSharesの週間レポート
英暗号資産(仮想通貨)投資企業CoinSharesは28日、デジタルアセット関連の金融商品の週間レポートを公開。イーサリアム(ETH)関連の金融商品で、過去最大級の資金流出(Outflow)を記録した。
仮想通貨関連の金融商品全般では、4週連続で資金流出を観測。累計4,400万ドル(48億円)に上った。
特に顕著だったのはイーサリアム関連の金融商品だ。資金流出は5,000万ドル(55億円)を記録し、これはCoinSharesの記録上、過去最高の水準となる。
一方、ビットコイン関連の金融商品は130万ドル(1.4億円)の流出を記録し、7週連続で資金流出が継続した格好だ。CoinSharesは、一部プロバイダーが損失を被る場合もあれば、一部流入を見たプロバイダーもあり、入り混じったセンチメント(市場心理)を物語っていると分析した。
複数の仮想通貨を含むマルチアセット系の投資商品は、前週に続いて流入を観測。600万ドルの流入(Inflow)を記録し、投資家の分散化を望む姿勢が垣間見えると指摘した。
ただ、ビットコインのセンチメントの後退に関わらず、日間取引量は好調を維持しており、2021年の平均は前年の22億ドルの5倍相当の108億ドルとなっている。
企業別の運用額
企業別で見ると、米仮想通貨投資大手グレースケール社の資産運用残高が群を抜く。直近では3月より人気商品のビットコイン投資信託(GBTC)への新規流入が停止しているが、依然として75%を占めている。
また、4月末から5月上旬に巨額の資金流入を記録したカナダの3iQ Corpは6月に入り、資金流出が目立っており、機関投資家の市場撤退を示していると言えるだろう。
先週JPモルガンチェースのストラテジストらが投資家向けに公開した書簡では、機関投資家の仮想通貨市場に対する意欲の低下が、ビットコインの弱気相場を増長していると分析していた。
関連:JPモルガン「ビットコインの弱気相場は継続」 機関投資家の買い意欲の薄さを指摘