銀行の顧客がビットコイン取引可能へ
米エンタープライズ決済大手NCRは仮想通貨投資企業NYDIGと提携し、650銀行の顧客に仮想通貨取引を提供していくようだ。フォーブス誌が報じた。
NCRとは
NCRとは、旧称:National Cash Registerのことで、1884年に創業された決済関連企業。主に銀行や信用組合に向けて、POSシステム、現金自動預け払い機、小切手処理システム、バーコードリーダー、オフィスの消耗品などを販売している。
▶️仮想通貨用語集
今回の提携は、NCRを利用する金融企業クライアントの顧客が仮想通貨の売買にアクセスすることが目的だ。今後、2,400万の顧客が対象となると予想されている。
NCRを利用する金融機関には、ノースカロライナのFirst Citizens Bank銀やカリフォルニアのBay Federal Credit Union(信用組合)などが含まれており、これらの顧客はそれぞれの携帯アプリを使って仮想通貨取引ができるようになる。
銀行の仮想通貨を取り扱う規制関連の負担を取り除くために、NYDIGはカストディを担当。NYDIGは2017年に、大手ヘッジファンドStone Ridge Asset Managementが立ち上げた仮想通貨投資企業であり、投資ファンドのほか、機関投資家レベルのカストディソリューションも提供している。現在、NYDIGの管理資産額は、4,400億円を超えている。
また、取引を提供するほか、NCRは今後、独自のカストディも導入する計画をしている。さらに、20万店舗のレストランやその他小売クライアント(店舗)で仮想通貨が利用できるように、ブロックチェーン技術の応用も模索していくという。
NCRとNYDIGが提携する背景には、顧客の資金が銀行から仮想通貨セクターに流入していることがあるようだ。「NCRを利用する多くの銀行は、顧客が口座から資金をコインベースなどの取引所へ移していることを見てきた」と、Stone Ridgeの共同創設者はコメントした。
銀行内で仮想通貨の関連サービスを拡充することによって、サービスの一元化ができるとしている。
また、すでに開始している分野では、仮想通貨の決済事業がある。今年の5月に、仮想通貨決済企業Flexaと提携し、ペンシルベニア州にあるSheetzコンビニの600店舗で、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)、ドージコイン(DOGECOIN)による決済手段を顧客に提供を開始した。
NYDIGのメディア掲載
NYDIGはNCRなどと提携ことで、WSJ誌に一面の広告を掲載したことがわかった。以下がThe BlockのスタッフがSNSに投稿した画像だ。
Big NYDIG ad in the WSJ this morning
— Frank Chaparro (@fintechfrank) June 30, 2021
“Bitcoin for the people” pic.twitter.com/xamF7BiwFA
広告のタイトルは、「人民のためのビットコイン」。「今後数ヶ月以内、米国金融機関を通して、ビットコインへのアクセスを容易にしていく」、「コミュニティ銀行や、グローバル企業まで、数多くの金融機関の顧客はこれからビットコインネットワークにアクセスできるようになる」との内容だ。
また、文章の下にある企業ロゴ欄には、上述した提携先の『NCR』も入っている。