マレーシアで違法マイニング取り締まり
マレーシアの警察が、通常道路をならすのに使われる自動車スチームローラーで、1,000台以上のビットコイン(BTC)マイニングマシンを破壊する映像がネット上に拡散した。
数百台のビットコインマシンが押しつぶされていく映像は、まず、中国のSNS、WeChatの暗号資産(仮想通貨)コミュニティの間で最初に広まった。動画がどの場所で撮影されたのかを明確に読み取ることは困難だったため、中国や南米で起こったことだと推測した人もいた。
しかし、マレーシアのメディアThe Starからの報告により、これはマレーシアのサラワク州の出来事だと判明。電気を盗んでいるとして押収された合計1,069台のビットコインマイナーがを同州ミリ市の警察により処分される場面だった。
The Starによると、ミリ警察と地元の電力会社Sarawak Energy Berhad(SEB)が2月から4月にかけて共同作戦を実施し、ビットコインを採掘するために電気を盗んだとして8人を逮捕した。その後、約125万ドル(約1.4億円)相当のビットコインマイニングマシンが没収されたという。
ミリ警察署長AHakemal Hawari氏によると事件に関して、刑法に基づき合計6人が起訴され、最高8,000リンギット(約21万円)の罰金と、最長8か月の懲役が科せられた。
SEBは電力の盗難のために2.2億円相当の損失も被っていたと報告される。また署長は「ビットコインマイニングのための電気盗難は頻繁な停電を引き起こしている」とも説明した。
ケンブリッジ大学オルタナティブ金融センターによる最新のビットコインマイニングマップに基づくと、マレーシアは2021年4月の時点でビットコインの総ハッシュレートの内、約4%を占めている。(上図の赤い帯がマレーシア)
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ハッシュレート
マイニングの採掘速度のこと。日本語では「採掘速度」と表現される。単位は「hash/s」。「s」は「second=秒」で、「1秒間に何回計算ができるか」を表す。マイニング機器の処理能力を表す際や仮想通貨のマイニングがどれくらいのスピードで行われるかを示す指標として用いる。
▶️仮想通貨用語集
ただ、数年前よりビットコインを採掘するために電気を盗む事業者がいると報告されており、3月にも、メラカ州の警察が、地元の電力会社から約220万ドル(約2.4億円)におよぶ電力を盗んだとしてビットコインマイニング事業者を捜索していた。
仮想通貨の環境整備するマレーシア
違法なマイニング事業者を取り締まる一方、マレーシアは仮想通貨については前向きな姿勢を見せている。
マレーシアでは、イスラム法に従って金融分野を監督する評議会が設置されているが、2020年7月には仮想通貨を含むデジタル資産の取引を容認する方針が示された。「認可済みのデジタル資産取引所での取引を許可する」ことが決定し、仮想通貨セクター発展の後押しになることも期待されている。
また、同年10月にもマレーシア証券委員会は、仮想通貨を含むデジタル資産に関するガイドラインを改訂し、デジタル資産カストディアンなどについての規制も整備した。
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NFTアートのイベントも開催
マレーシアでは7月8日から10日にかけて、デジタルアートのイベント「Crypto ArtWeek Asia」の一環として、同国のデジタルアーティストの作品を展示するオンラインイベントが開催された。
Selamat pagi!
— MalaysiaNFT 🇲🇾 | CAWA Malaysia (@MalaysiaNft) July 9, 2021
Just grabbing some breakfast at the Lepak Mamak corner.
Can't wait to meet you at MalaysiaNFT Gallery for CAWA Malaysia! #MalaysiaNFT @cryptoartasia @nft_asia @nfxt_io pic.twitter.com/aQgIAO5jSG
イベントではNFT(非代替性トークン)ギャラリーで29点の作品が、様々な価格で販売された。(NFTとは、各トークンが固有の価値を有するデジタル資産で、アートの他、スポーツ選手やアイドルの収集カードや、ゲーム内アイテムなどにも活用されている。)
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