大手銀行が相次いで参入
スイスの投資銀行大手UBSが欧州で取引される仮想通貨ETP(上場取引型金融商品)の清算およびセルトメントサービスを提供していることが新たにわかった。CoinDeskは情報筋の内容として報じた。
報道によれば、UBSによる清算(クリアリング)とセルトメントの対象は、仮想通貨ETPを取引する欧州ヘッジファンドの一部に限られている。現在はパイロットプログラムで、内部レビューを行い、年内にはより多くの機関投資家クライアントに向けて展開する予定がある。また、ヘッジファンドはUBSのプライムブローカーサービスから仮想通貨ETPへアクセスしているという。
最近では、米金融大手バンカメ(Bank of America)とゴールドマン・サックスが欧州で同様なサービスを提供していることも相次いで報道されており、伝統金融の本格的参入が示唆されている。
ETPとは
ETP(上場取引型金融商品)は、上場投資信託(ETF)、上場投資証券(ETN)、コモディティ上場投資信託(ETC)など、取引所に上場し特定の指標の値動きに連動する運用成果を目指す金融商品の総称。(野村証券引用)
現在、欧州ではさまざまな銘柄の仮想通貨ETPが取引可能になっている。ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)のほか、カルダノ(ADA)やXRP(リップル)、ソラナ(SOL)、ポルカドット(DOT)のETPもドイツやスイスの証券取引所に上場している。
▶️仮想通貨用語集
また、UBSは5月にも仮想通貨関連のサービスを富裕層の顧客向けに提供するのを検討していることがBNN Bloombergに報じられていた。報道時、サービスの詳細は具体的に明かされていなかったが、サードパーティの投資商品を介してクライアントからの需要に応じるといった選択肢も検討されているということだった。
一方、仮想通貨市場のリスクについては慎重な姿勢も見せた。同行「グローバルウェルスマネジメント」は7月上旬にクライアントへのノートで、「規制当局は仮想通貨市場を取り締まる意欲を示している」、「そのため、投資家がより低リスクの資産をポートフォリオに組み入れることを推奨する」と指摘していた。