仮想通貨指数型ETF
米ナスダックに上場する投資企業Victory Capitalはナスダックが提供する仮想通貨指数に連動するETF(上場投資信託)の申請に関する開示書類をSECに提出したことがわかった。
Victory Capitalはテキサス州サンアントニオにある大手資産管理会社で、2021年6月30日の時点で17兆円に相当する資産を運用しているという。
『The VictoryShares Hashdex Nasdaq Crypto Index ETF』というこのETFは、ナスダックが提供する仮想通貨関連指数『Nasdaq Crypto Index(NCI)』のパフォーマンスを追うもの。NCIは、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ライトコイン(LTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)、チェーンリンク(LINK)、ステラ(XLM)のパフォーマンスをトラッキングするインデックスで、その組成銘柄の割合は下図の通り。
NCIを利用したETFが4月にブラジルで上場した事例がある。『Hashdex Nasdaq Crypto Index ETF』という上場投資信託は同国の最大手証券取引所B3で取引されている。
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Victory Capitalは6月に、仮想通貨市場へ参入する第一歩として、NCIを追うプライベートファンドを適格投資家に販売する計画を明かしていた。
現在、米国では十数ものビットコインETFがSECの審査結果を待機している状況だが、未だ承認された事例はない。一方、カナダとブラジルではすでに複数のビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)のETFが取引されている。
SECのゲンスラー委員長は昨日のスピーチで、仮想通貨ETFの申請について、投資家保護の必要性を強調し、特にCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)で取引されているビットコイン先物に連動するETFの申請の場合には、スタッフによる審査を期待している、と話した。