手数料のバーンが進む
大型アップグレード「ロンドン」が実施された暗号資産(仮想通貨)イーサリアムでは、アップグレード後の一週間で、手数料の総バーン額が1億ドルを突破したことが分かった。
ロンドンアップグレードで実装された新たな手数料システムが稼働後、ベースフィー(基本手数料)として支払われる分のイーサリアムがバーンされる新たな仕組みでネットワーク供給量が減少している。
ベースフィーのバーン状況を確認できるサイト、watchtheburn.comによると記事時点でロンドンハードフォークから1週間で約35,000ETHがバーンされており、これはおよそ1.05億ドル(117億円)ほどになる。
同期間の発行量は約10万ETHであることから、新規発行量の約35%がバーンされている計算。現時点での影響としてはビットコインなどの半減期までには匹敵しないものの、近い数値で供給量の減少が確認されている。
現在のイーサリアムのブロック報酬は2ETH。また、そのブロックと同時に他のマイナーが作成したブロック「アンクルブロック」からは1.75ETHが支払われる(1ブロックの生成時間15秒)。
イーサリアムコミュニティで提案された案(EIP-1559)は、従来ネットワーク手数料がオークション形式で決定していたのに対し、ベースフィーとプライオリティフィーという二つの手数料から構成されるようにする内容。
ユーザーは基本料金を払ったうえで、取引を早く処理してもらいたいのであればプライオリティフィーを支払うことで従来通り優先度を上げることができる。
この変更で、手数料の予測がしやすくなり変動・急騰が抑えられること、マイナーとユーザーのインセンティブがより一致する関係になるといった利点が得られる。
ネットワーク手数料は、以前であればネットワークの維持を担うマイナーに対して報酬として支払われていたものであり、今回のアップグレードでマイナーの収入減少が予測されている。
関連:ヴィタリック氏、ロンドンHFのメリットを解説 10億円相当の手数料がバーン
バーンランキング
7日間で、最もバーンが発生しているのは大手NFTマーケットプレイスOpenSeaで、4,425ETH(15億円)、次はUniswap V2で2,628ETH(約9億円)。3位は人気ブロックチェーンゲームのAxie Infinityで2,016ETH(約7億円)だ。