バイナンスやBitMEXなどの仮想通貨関連業者、FATFの国際送金ルール遵守でソリューションを導入開始

「Veriscope」の段階的導入へ

国際的な規制機関である金融活動作業部会(FATF)が策定した「トラベル・ルール」の遵守を可能にするソリューション「Veriscope」が、世界の暗号資産(仮想通貨)取引所に、段階的に導入開始されることが分かった。

Veriscopeの計画は、2020年夏に、パブリックブロックチェーンプロトコルを手がけるShyft Networkが、テザーやBitfinex、Huobi、バイナンス等と連携して立ち上げたもので、その後BitMEXやDeribit(オプション取引所)も加入している。今回、これらの業者が導入を始めるという。

トラベル・ルール

FATF(金融活動作業部会)が提唱するマネーロンダリング等防止のための国際的な電信送金に関するルールのこと。暗号資産サービスプロバイダー(VASP)には取引の際、送金者と受取人の情報を収集・交換し、その情報の正確性を保証することが求められる。対象となるVASP間の仮想通貨送金で、国際的な本人確認(KYC)ルールが適用されることになる。

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FATFは、2019年にトラベル・ルールを可能とする技術的対応策を打ち立てるよう業界に呼びかけていた。しかし、技術的な面やコスト面で、取引所などが対応に苦慮するだろうと指摘されていた。

こうした背景もあり、世界でも大手の仮想通貨取引所が結集して、トラベル・ルールを始めとするグローバルなコンプライアンス基準に対応したソリューションVeriscopeを共同で立ち上げた格好だ。共同のシステムがあることで、コストが抑えられる。

公式発表によると、Veriscopeを使えば、取引所はユーザーのデータを不必要に公開することなく、ルール遵守で必要となる顧客身元確認(KYC)データの交換を容易に行うことができるという。

仮想通貨業界が標準的に使えるシステム

バイナンスの法的遵守部門責任者Jonathan Farnell氏は次のようにコメントした。

このソリューションを展開するために結集することで、仮想通貨業界は統一された基準を持ち、どんな企業もグローバルな規制要件を満たすことができるようになる。

規制が刷新されているこの時期に、それに関わる標準を先導することは私たちの責任だ。また、小規模な暗号資産サービスプロバイダー(VASP)が必要なデータ要件を守れるよう支援するものとなる。

Shyft Networkの共同設立者Joseph Weinberg氏は次のように説明した。

Veriscopeの目標は、グローバルなデータ送信要件に対応する分散型システムを可能にする機能を設計することだった。暗号資産サービスプロバイダー(VASP)が、ビジネスにおいて完全な主権を維持することを保証しつつ、地域を超えて要件を定義する。また、どのVASPグループからも独立した分散型システムを維持していく。

Veriscopeを成功させるために「Veriscopeガバナンス・タスクフォース」も設立されている。このタスクフォースの議長は、以前FATFで事務局長を務めていたRick McDonell氏だ。

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