定款に「ブロックチェーン」追加へ
フリマアプリ「メルカリ」を提供する株式会社メルカリは27日、9月29日に開催予定の第9回定時株主総会において定款を一部変更することについて会議にかけることを決議したことを発表した。
暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン事業を手掛ける予定となっている株式会社メルコインの設立に伴い、メルカリの定款にブロックチェーン事業関連の文言などを追加する。
メルコインの事業内容を反映
下図は現行の定款と、9月開催予定の株主総会において会議にかける変更案を記載したものだ。
変更内容は大きく分けて2点あり、ひとつは「仮想通貨交換業」を「暗号資産交換業」に呼称変更し、具体的な事業内容として「ブロックチェーン技術に関する研究、調査及びそれらの情報提供、コンサルティング」「ブロックチェーン技術を利用した商品及びサービスの企画・開発・運用」を追加する。
メルカリは4月に100%子会社として、仮想通貨・ブロックチェーン事業を展開するメルコインを設立。メルコインは7月には一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)に入会し、2022年のサービスローンチを目指し体制を整えている最中であるが、同社が運営予定であるブロックチェーン関連の事業を親会社であるメルカリの定款に追加する案を提示する形だ。
2点目は、株主総会の項目に「当会社の株主総会は、場所の定めのない株主総会とすることができる」を追加する案だ。
新型コロナウイルス感染拡大を受け6月に施行された「デジタル化への対応」「新たな日常に向けた事業再構築」などを推進する「産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律」により、「場所の定めのない株主総会」(バーチャルオンリー株主総会)の開催が認められたことが背景にある。
変更案が決議されれば、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するために、同社の株主が株主総会に遠隔で参加することが可能になる。
メルカリとメルコイン
メルカリはメルコインを設立する以前から、ブロックチェーン事業に参入する意欲を見せている。
2017年に設立した「mercari R4D」は、ブロックチェーンをはじめ、量子コンピュータ・AIなど幅広い分野の最新技術の研究に投資しており、仮想通貨・ブロックチェーン領域への参入については以前から社内で継続的に検討されていた。
仮想通貨領域での参入に踏み切った理由は、メルペイのウォレットで資産運用を行うニーズが非常に大きいと判明したためだという
メルコインは、仮想通貨取引所の運営を視野に入れているだけでなく、メルカリの売上金をビットコイン(BTC)で受取れる機能の提供や、「メルペイ」での与信・仮想通貨・資産運用の機能を一つのウォレットで提供するなどの事業計画がある。
また、NFT(非代替性トークン)市場への参入にも意欲的であり、アート・スポーツ・ゲーム・エンターテイメントの4つのカテゴリーに重点を置いたマーケットプレイスの開発も検討している。