はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米通貨監督庁長官代理、「過去の教訓」から仮想通貨市場への懸念示す 「金融危機の再来を避ける規制を」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

OCC長官代理の見解

米OCC(通貨監督庁)のMichael Hsu長官代理は9日、IntraFi社のポッドキャスト「Banking With Interest」に出演。2008年に発生した金融危機(リーマン・ショック)の教訓が、暗号資産(仮想通貨)規制に与えた影響について語った。

過去の教訓を仮想通貨規制に

Hsu長官代理は、通常の銀行融資を受けられない相手に高金利で貸し出す「シャドーバンキング」などを背景に、市場のフロスが顕著だったと解説。CDS(クレジット・デリバティブ)など多くの過剰宣伝(ハイプ)が蔓延しており、規制が不十分な金融商品が増加していた状況ことが主な要因と指摘した。

フロスとは

英語表記は「Froth」で、「小さな泡」という意味。バブルほど弾けるリスクは大きくないものの、過熱感を示す為に利用される。

▶️仮想通貨用語集

同氏は、このような状況が仮想通貨市場などの新しい金融領域でも散見されると分析。当時の金融危機を防げなかった10年前の規制当局を教訓に、未然に動く姿勢を強調した。

仮想通貨の普及と昨今の市場規模拡大を踏まえると、もはや一般消費者向けの規制レベルで考慮する必要があるが、既存の規制と比べるとやはり不十分だ。その点において、規制強化を促す米政府の見解に同意する。

Hsu氏は、伝統金融機関に対する利用者の不信感にも共感を示しつつ、「現状では責任ある金融商品の域には達していない」と評価。規制が足りていないことを課題に挙げた。

省庁間の連携がカギ

またHsu氏によれば、米政府は仮想通貨規制の明確化を進めているものの、コインベースが21年4月に上場した際には銀行から多数の問い合わせが殺到した。

規制当局側は仮想通貨・ブロックチェーン領域の理解に時間がかかるものの、実際には業界の成長スピードが目まぐるしいため、(規制が)追いつかないと分析し、これが省庁間の取り組み「デジタルアセット・スプリント・イニシアチブ」の設立につながったという。

台湾系アメリカ人(2世)のHsu氏は21年5月、米通貨監督庁の長官代理に就任したばかり。5月には連邦準備理事会(FRB)、通貨監督庁(OCC)そして連邦預金保険公社(FDIC)の省庁間の連携する「デジタルアセット・スプリント・イニシアチブ」の設立に尽力している。

仮想通貨やデジタル資産における共通の定義策定や、ユースケース及びリスクの理解、既存の規制におけるギャップの捜索、そしてこれらに基づいた政策ニーズを検討する。

省庁間で連携することで、規制当局が銀行に対して統一した仮想通貨に対する認識・見解を提供することを目指す。

このようなパッチワーク的なシステムにより、多くの脆弱性が手に負えないほどの大きさに成長してしまった。今日もそのようなリスクがあると思うが、最善の対策は、各機関が一体になって取り組んでいくことだ。

また、Hsu長官代理はバイデン大統領のステーブルコインに関する作業部会(ワーキンググループ)も省庁間の連携の表れであると言及。米政府にとって、仮想通貨規制における連携は優先度が高いと述べた。

ステーブルコイン規制について

なお、ステーブルコインに関する認識については、米国における通貨の歴史を基に「ある種のアナログ感がある」とコメント。米通貨監督庁が1863年に設立されるまでは、各銀行が別々の紙幣を発行していた状況が現在のステーブルコインの情勢と類似していると分析した。

OCCが存在する理由は、(それまでの)システムが非常に不安定だったからだ。集権的なシステムには利点があるため、お金は中央集権的であるべきだ。

各企業が別々に米ドルと換金できる独自のステーブルコインを発行している状況は非効率的で、本来OCCの任務は、その非効率性を軽減することにあると説明。現在はバイデン政権の作業部会の見解を待っている状況にあるものの、Hsu氏は歴史的な傾向が自身のステーブルコインに関する姿勢を築いているとした。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
10/24 金曜日
18:48
米金融最大手JPモルガン、ビットコイン・イーサリアム担保融資を世界展開へ
JPモルガンがビットコイン・イーサリアム担保融資を2025年末開始することがわかった。米金融最大手の参入で暗号資産(仮想通貨)が機関投資家市場で本格化。モルガン・スタンレーなど大手金融も相次ぎサービス拡充している。
17:14
モブキャストHD、仮想通貨ソラナ(SOL)の取得・保有を開始
ソラナ特化のトレジャリー戦略で財務基盤強化へ モブキャストホールディングスは10月24日、暗号資産ソラナ(SOL)の取得および保有を開始したと発表した。 同社はかつてゲーム事業…
16:46
日本初の円建てステーブルコインJPYC、正式リリースへ
JPYC株式会社が10月27日午後1時、日本初の円建てステーブルコインJPYCを正式リリース。発行・償還・送金手数料は無料。第二種資金移動業者として第1号の認可取得。
16:30
米トランプ政権、量子コンピュータ企業へ株式取得型支援検討か 関連銘柄が急騰=WSJ報道
トランプ政権が量子コンピュータ企業への出資型支援を検討していると報道され、政府と協議中とされるIonQ、Rigetti、D-Waveなどの関連銘柄は最大20%上昇した。
13:25
イーサリアム『フサカ』12月3日実装へ、次期『グラムステルダム』準備も
イーサリアム開発者は第223回ACDE会議で、フサカアップグレードの12月3日実装と、次期グラムステルダムの提案締切(10月30日)を決定。BAL技術導入やEIP 8058の追加など、スケーラビリティ強化に向けた計画が明らかに。
12:45
中東・北アフリカの仮想通貨市場が成長 トルコでアルトコイン投機が活発化=チェイナリシス
チェイナリシスが2025年時点での中東・北アフリカ地域の仮想通貨市場を分析した。トルコ、イスラエル、イラン、UAEでの成長をそれぞれ解説している。
11:42
ビットコイン11万ドル台を回復、トランプ大統領のCZ恩赦でBNBとWLFIが上昇
暗号資産(仮想通貨)ビットコインは11万ドル台で軟調推移。オプション建玉増加やETF流出が重荷も、需給整理進み反発期待の声。トランプ大統領によるバイナンス創設者CZ恩赦を受け、BNBは5%高、WLFIは15%急騰した。
11:30
カルシとレッドストーン提携 予測市場データを110超のチェーンで展開
DeFiレッドストーンとカルシが提携し、CFTC規制下の予測市場データを110以上のブロックチェーンで提供開始。オラクル技術により実世界イベントデータのオンチェーン化を実現、DeFi開発者に新たな構築基盤を提供。
11:05
資産運用大手ティー・ロウ・プライス、仮想通貨ETF市場に参入へ
資産運用大手ティー・ロウ・プライスは、仮想通貨ETFの申請書を米SECに提出。投資対象にはビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど時価総額が高い銘柄が含まれる。
10:50
BTCマイニング株、ビットコイン価格と連動せずAI事業シフトで上昇=JPモルガンレポート
JPモルガンの最新レポートによると、上場ビットコインマイニング企業の株価は仮想通貨価格との相関関係が崩れ、AI事業への転換により独自の動きを見せている。
10:10
ビットコイン需要が枯渇、不安定な局面続くか=Glassnode分析
Glassnodeが仮想通貨ビットコイン市場の最新レポートを分析。需要枯渇や長期保有者の売却増加から、市場の不安定な局面が続く可能性を指摘している。
09:35
トランプ大統領、CZ氏の恩赦について発言
トランプ大統領はバイナンス創業者のCZ氏への恩赦について「彼がやったことは犯罪ですらなかった」とコメント。多くの善良な人々の要請を受けて恩赦を与えたと明かした。
08:20
ポリマーケットが最大2兆円の評価額で資金調達検討、わずか4カ月で10倍に
米賭けサイトプラットフォームのポリマーケットは120億ドルから150億ドルの評価額で資金調達を目指す。6月の評価額10億ドルからわずか4カ月で10倍以上急上昇。
07:30
ソラナDEXジュピター、予測市場のベータ版をローンチ
仮想通貨ソラナのブロックチェーン上のDEXアグリゲーターJupiterは、予測市場のベータ版をローンチ。予測市場プラットフォームKalshiの流動性を活用している。
07:10
ビットコイン懐疑派ピーター・シフが金をトークン化へ、CZは「”信じてくれ”トークンだ」と批判
金の支持者ピーター・シフ氏がブロックチェーンベースのトークン化ゴールドプラットフォームを開発。バイナンス創業者のCZ氏は真のオンチェーン資産ではないと批判した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧