ArbitrumのTVL
イーサリアムのレイヤー2ソリューション「Arbitrum(アービトラム)」は、運用のためにロックされた暗号資産(仮想通貨)の総価値であるTVL(Total Value Locked)が、10日から2日間で約10倍に増加した。
これは、DeFi(分散型金融)のサービスを利用するために、Arbitrumのネットワークの需要が急激に増加したことを示している。今回TVLの急増を牽引したのは、仮想通貨を提供することで金利を得ることができるDeFiサービス「ArbiNYAN」だとの見方が多い。
レイヤー2のデータを提供する「L2BEAT」によると、Arbitrum上のTVLは10日時点でおよそ2.4億ドル(約264億円)。それが12日におよそ22億ドル(約2,420億円)まで約10倍に増加した。
イーサリアムのネットワークはNFT(非代替性トークン)やDeFiなどの需要が多く、処理速度が低下したり、ネットワーク手数料(ガス代)が高騰することがある。その負担を軽減するために、メインのブロックチェーン以外で処理が行えるArbitrumのようなレイヤー2技術は注目を集めている。Arbitrumは先月末、プロダクトの1つ「Arbitrum One」のメインネットを正式にローンチした。
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ローンチからArbitrumのユニークアドレス数も急増。「ARBISCAN」のデータによると、10日の2万4,330アドレスから12日には7万367アドレスと約3倍に増えている。
ArbiNYANとは
ArbiNYANは9日にローンチしたDeFiのサービスだ。ユーザーはイーサリアムと、ネイティブトークンである「NYAN」を提供することで金利を得ることが可能。預け入れるプールは、イーサリアム、NYAN、そしてイーサリアムとNYANのペアの3つが提供されている。
14日のArbiNYANにおけるAPR(年間利回り)は以下。特にNYANのプールと、イーサリアムとNYANのプールのAPRは4桁でかなり高利回りになっている。
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— arbinyan (@arbinyan) September 13, 2021
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「Defined」のデータによると、NYANの価格は本記事執筆時点で1.4ドル(約150円)付近で推移。しかし、12日には7ドル(約770円)超まで上昇した価格が、13日には0.5ドル(約55円)以下まで下がるなど90%超の値幅で大きく乱高下した。