バイデン政権、仮想通貨懐疑派を通貨監督庁(OCC)長官に指名の意向か=報道

Omarova教授を指名の意向か

米政府の通貨監督庁(OCC)長官指名プロセスに詳しい3人の関係者は、バイデン政権が、コーネル大学のSaule Omarova教授を、次期OCC長官に指名する意向だと話した。23日にブルームバーグが報道した。Omarova氏は、過去に暗号資産(仮想通貨)について批判的なコメントをしている人物だ。

Omarova氏はカザフスタン出身で、Davis Polk & Wardwell法律事務所で銀行業務を担当した後、ジョージ・W・ブッシュ大統領の政権で、財務省の特別顧問を務めていた。コーネル大学のロースクールで銀行法を教えている。

Omarova氏は学術論文の中で、金融システムの構造を再構築することの一環として、中央銀行デジタル通貨(CBDC)であるデジタル・ドルを支持している。一方で、仮想通貨については懐疑的な意見を披露してきた。

OCC(米通貨監督庁)とは

米財務省に所属する独立機関の一つ。米国で連邦法によりライセンスを受けて営業する国法銀行などを監督している。

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仮想通貨に懐疑的な見解示す

Omarova氏は論文で、規制が行き届いていない「ワイルド・ウェスト」である仮想通貨ビジネスに参入することで、銀行が抱えるリスクが高まると述べている。仮想通貨事業により、銀行は、規制当局の目の届かないところで取引活動を行うことが可能になると主張する形だ。

同氏は、現在の金融業界の構造にも批判的だ。2020年には、一般社会と切り離されたところで、銀行と投資家がすべての重要な決定を行っており、何か問題が明るみに出た時にのみ、オーブンな議論がなされることを指摘していた。

ツイッターでも「世界はJPモルガンがより大きく、より強力になることを必要としているのだろうか」と問いかけるなどメガバンクへの不信感を訴える投稿を行っている。

また、仮想通貨が急速に普及していることについては「主には、うまく機能していない現在の金融システムに恩恵を与えるもの」と述べるなど、仮想通貨に対する懐疑も、こうした文脈と結び付けているところがある模様だ。仮想通貨は経済を不安定にする恐れがあり、民間企業に悪用されやすいと主張している。

関係筋は、早くて数ヶ月以内、または来年初めにかけてOmarova氏がOCC長官に指名される可能性があると推測している。上院の承認を得ると、予定としては5年間の任期を務めることになる。

仮想通貨に関するOCCの動向

OCCは、Brian Brooks氏が前会計監査人代理を務めていた際、仮想通貨企業が銀行サービスを提供できるようにするなど、仮想通貨業界を後押しする政策をいくつか導入した。

5月にMichael Hsu長官代理に代わってから、OCCはこうした政策を保留し、改めて見直しているところだ。

Hsu代理は9日、省庁間で連携を取って仮想通貨に対するガイドラインを構築していくことが大切だと語っている。5月には、OCCと連邦準備理事会(FRB)、連邦預金保険公社(FDIC)が協働する「デジタルアセット・スプリント・イニシアチブ」の設立に携わった。

しかし、現在はまだ関連する具体的な政策を打ち出しておらず、仮想通貨やフィンテックの取り扱いについては、次期長官に課題として引き継がれる可能性も高いとされている。

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