手塚治虫作品でNFTを作成
手塚プロダクションは28日、日本を代表する漫画家として知られた手塚治虫氏の漫画原稿を使用した、同社公認デジタルモザイクアートNFT(非代替性トークン)を制作したことを発表。オークション販売を予告した。
最初の作品は、「鉄腕アトム」を題材としたデジタルモザイクアートNFTとなり、2021年秋にオークション販売開始する予定。また、以降はさまざまな手塚治虫氏の作品を題材に、アートNFT作品を順次リリース予定としている。
詳細
オークションに出される作品名は、「From the Fragments of Tezuka Osamu デジタルモザイクアート『鉄腕アトム』だ。
作品の背景には、手塚治虫氏の作品の色彩豊かなカラー原画840枚を配置。執筆時のタッチを感じられるように過度な補正はせず、原画が持つ本来の風合いを残している。
手塚治虫氏が残した膨大な数の原稿の多くは白黒で、カラー原画は全体の5%程しか存在しない。その中から定番の名画だけでなく、単行本未収録の雑誌連載時の扉絵や入手困難なレア画で構成されており、以下の貴重な8点が含まれている。
- 雑誌「少年」「ホットドッグ兵団」扉絵 (1961)
- 雑誌「少年」「四次元の少年」扉絵 (1966)
- 光文社「鉄腕アトム」1巻 表紙 (1956)
- カッパ・コミクス「鉄腕アトム18」「地上最大のロボット」表紙 (1965)
- カッパ・コミクス「鉄腕アトム10」「白熱人間」表紙 (1964)
- 雑誌「少年」「ゾロモンの宝石」扉絵 (1967)
- 雑誌「少年」「十字架大陸」扉絵 (1958)
- 雑誌「少年」付録「アルプスの決闘」表紙 (1956)
販売予定のNFT作品について、同社は次のようにコメントしている。
遠くから一枚の絵画として鑑賞するのは勿論、拡大すればモザイクの一粒一粒から手塚治虫の漫画への情熱を感じることができます。
世界でたった1点限り、あなただけが体験できる圧巻の世界がここにあります。
販売場所や詳しい販売時期は未定。なお、公式サイトに記載の規約によれば、NFTの購入により、著作権や商標権その他の知的財産権を取得することはなく、家庭の範囲を越えて他人に提供することや商用目的で利用することはできない。
NFTゲームとの提携も
手塚プロダクションは2019年12月、double jump.tokyo株式会社が開発・運営する国内ブロックチェーンゲーム「My Crypto Heroes」(以下、マイクリ)とコラボした。手塚治虫氏の人気キャラクターである鉄腕アトム、ブッダ、猿田彦、火の鳥などがマイクリのNFTとして登場した。
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NFTとは
「Non-Fungible Token」の略称で、代替不可能で固有の価値を持つデジタルトークンのこと。ブロックチェーンゲームの「デジタルアイテム」交換などに用いられるのみならず、高額アート作品の所有権証明や、中古販売では実現の難しかった「二次流通市場」における権利者(クリエイター)への画期的な還元手段としても注目を集める。
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