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米SEC Crenshaw委員がクリプトママに反論「規制猶予期間のセーフハーバーより架け橋望む」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

セーフハーバー制度に反対

米証券取引委員会(SEC)のCaroline Crenshaw委員は12日、法務関係者を対象にした講演で、Hester Peirce委員が提唱する「セーフハーバー」制度に反対する立場を表明した。

Peirce氏は暗号資産(仮想通貨)擁護派として知られ、クリプトママの愛称で業界から親しまれている人物。仮想通貨やブロックチェーンのイノベーションを促進するため、一定の条件を満たすプロジェクトに対し、規制猶予期間を設ける制度「セーフハーバー・ルール」を2020年に提唱。今年4月には、「非中央集権的なネットワーク開発者は、連邦証券法の登録制度から3年間免除される」という項目を追加した更新案を発表した。

関連:仮想通貨の規制猶予提案、更新:米SEC「クリプトママ」

一方、2020年にSEC委員に任命されたCrenshaw委員は、セーフハーバー制度は資金調達面で「ブロックチェーン関連の事業者に不公平な利益をもたらす」一方で、規制に準拠した他の企業が不利益を被ることになると主張。仮想通貨市場が投資家の信頼を得て成長するためには、より多くの説明責任と全ての参加者に適用される一貫したルールが必要だと述べた。

ICOブームと仮想通貨の冬

Crenshaw氏は、ICOによって多くのスタートアップが巨額の資金調達に成功したが、プロジェクトが頓挫するケースも多かったと指摘。2017年のICOブーム時にセーフハーバー制度が導入されていたとしたら、投資家と市場により悪い結果をもたらしただろうと述べた。その後、投資が低迷する「仮想通貨の冬」が数年にわたって続くことになったのは偶然ではないと付け加えた。

限られた情報開示のみで、登録義務なしに無制限の資金調達を可能にするセーフハーバーは、投資家の利益にならないと考える。

ICOとは

ICOとは、「Initial Coin Offering/新規仮想通貨公開」のことで、企業やプロジェクトが、独自の仮想通貨トークンを発行・販売し、資金調達する行為を指す。

▶️仮想通貨用語集

港ではなく橋を作る

Crenshaw氏は、セーフハーバー(港)の代わりに「橋」を構築することを提案している。同氏のいう「橋」とは仮想通貨の開発企業側が主導権を握り、SECと対話を通して規制のコンプライアンスを分析し、常に責任を持つことだという。

また、同氏はSECが規制の明確さを欠いているとは思わないと主張。業界関係者が望む「包括的な定義」の提供や特定のプロジェクトや資産、活動について判断を示すことは、「SECの規制の枠組みの機能ではない」と述べた。

市場参加者がコンプライアンスに対して主体的に責任を負うならば、市場の健全性を維持し、新たな市場の成長に欠かせない投資家保護を提供しつつ、共にイノベーションを促進する架け橋を構築できると信じている。

そのためには、仮想通貨を発行する企業や取引所などの関係者が、自ら規制遵守の状況を分析しSECと共有できる体制を整えることが必要だという。そして既存の規制の枠組みに当てはまらない懸念がある際には、情報開示、投資家保護や市場アクセスの方法などに関するプロジェクトの詳細な計画をSECに提出するよう、Crenshaw氏は促した。

Peirce氏の意見

一方、先週テキサス州で開催されたブロックチェーンサミットに登壇したPeirce委員は、仮想通貨の規制のあり方を、西部開拓時代に自発的に発達した効果的な民間規制に擬えた。

仮想通貨のフロンティアは、西部開拓時代と同様、一見するとかなり荒々しい印象を受ける。しかし、かつての西部のように、荒々しさの中にも秩序と規律がある。仮想通貨はコードに基づいているため、コード自体が行動の規範となる。しかし、同時に仮想通貨は人々の上に成り立っており、参加者は止まるところを知らない公開討論やプロトコルの使用・非使用を通して互いに責任を負っている。

規制当局は、このような非公式で自律的な規制メカニズムに勝る規制を提供しようと「クリプトタウンに乗り込んできた」が、従来の規制を適用するのは慎重に行わなければならないと同氏は強調。議会や業界と協力し、規制の対象であり保護を受ける消費者の意見を積極的に取り入れていくことの重要性に言及した。そして、規制で真に問うべきは、当局が何を望んでいるのかではなく、規制の受益者である国民が何を望んでいるかだと結んだ。

我々(規制当局)が賢明で明確な規制の境界を設定した後、皆さんが、仮想通貨のフロンティアで一体どんなことを成し遂げるか、見たくてたまらないのだ。

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