TOP 新着一覧 チャート 資産運用
CoinPostで今最も読まれています

金融庁開催の研究会 DeFiやステーブルコイン規制を議論

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

DeFiやステーブルコインを議論

金融庁は22日、9月15日に行われた金融庁によるDeFi(分散型金融)やステーブルコインの規制などに関する研究会の議事録を公開した。

関連:金融庁「デジタル・分散型金融に関する研究会(第2回)」の議題を公開

「デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会」は、学習院大学の神田秀樹教授が座長を務め、ジョージタウン大学の教授でありBGINの議長を務める松尾真一郎氏やLayerXのCTO、松本勇気氏らが参加している。

2回目となった今回の研究会では、前回に続き松本氏をはじめ技術者が議論に参加し、具体的な議論も交わされた。全体としては、アカデミックな分野や技術者と規制当局側との隔たりがあり、お互いが対話を行っていく必要があるとする意見が多く見られた。

主なテーマは分散型金融の台頭によって生じるリスクやユースケースなどで、またステーブルコインについても議題が設定されている。

暗号資産(仮想通貨)の規制にあたっては、金融活動作業部会(FATF)が21日、10月28日に仮想通貨及びVASP(仮想資産サービス・プロバイダー)に対するガイダンスの改訂版を公開予定であると発表している。

関連:FATF、改訂版の仮想通貨ガイダンスを来週公開予定

ユースケースとリスク、規制上の課題

DeFiの金融サービスのメリットについては、前向きな議論を行うべきとの意見がある中、現状についてはネガティブな見方が目立った。

一度そういうサービスを立ち上げてしまえば、仮想通貨システムが存続する限り、管理者が不在でも理論上は継続することが可能ということになります。この特徴を使うと、管理者の都合でサービスが終了して、それ以上立ち行かなくなるということが起きにくい、起こり得ないということが、コミットすることが可能になります。

中略・・・それは同時に、社会的に望ましくない取引も達成しやすくなったということです。典型的な例は、我々がスマートコントラクトを分析した論文で議論したポイントなんですけれども、例えば談合なんかがやりやすくなります

一つはっきりとしたデメリットとしては、誰でもできるような商売じゃないせいで新規参入が阻害されて、独占・寡占の問題が起きやすい環境となっていったということ。(東京大学の経済学研究科教授 野田俊也氏)

「(DeFiや暗号資産については)少なくとも我が国では、決済手段としてはあまり機能しておらず、投機対象にはなっておりますけども、資産運用による資金配分や資産配分の効率性に寄与しているようには見えません。また、国際的にもマネーロンダリング等の懸念が大きいということ等に鑑みますと、金融機能の高度化、効率化への寄与という点でも多くの課題がある」(弁護士 坂勇一郎氏)

「アイロンと、それからアイロン・チタニウムという、これもやはりDeFiトークンと称するものが、これが非常な値上がりをした後で一気に価値がゼロになるというような大騒動を演じたことがあります」「今の金融の大きな枠組の中でまともに動いている人たちからするとちょっと信じられない、住む世界が違う話が、一方では当然のように語られているという実態があります」(京都大学公共政策大学院教授、岩下直行氏)

ステーブルコインについて

ステーブルコインについては、アルゴリズムや裏付け資産を持つものなど、ステーブルコインを実現する方法により様々な物があるものの、規制が不十分なまま大きくスケールする可能性とそのリスクについて懸念された。

「裏づけ資産を利用するほうが簡単だと思いますが、その場合、裏づけ資産として利用されるのは国債や信用力が高い社債だと思います。このような形で、ステーブルコインと伝統的な金融システムが接続する点に注意が必要だと思います」(東京大学大学院法学政治学研究科教授 加藤貴仁氏)

「規制枠組みやガバナンスの要請が十分でない場合には、リスク対応が十分でないサービスが競争上で有利になり得るということもあり得る」(坂氏)

「リブラというのはもしかしたらそれになり得る候補だったのだけれども、使われる可能性があるからこそ警戒された。それに比べると、一般の世界とは別の世界で発行さているステーブルコインの話はまた別な話として捉えていくべきでしょう」(岩下氏)

金融規制のアプローチについて

実効性のある規制を持たせられるかについては指摘が多くあり、国内のみで実効性のある規制がむずかしい点や規制を守る業者へのインセンティブなどを議論する必要があるといった声が出た。

「多少のリスクがあってもオウンリスクであり、特段の規制は行わないといったような考え方も十分あり得るのかなと思います」(上智大学法学部教授、森下哲朗)

「証券業のライセンス取得に当たっての、当局の皆さんとの会話が、私にとっては非常に良いヒントとなっておりまして、やはりある程度の段階を区分したようなライセンスというのがあったりすると良いのかなというふうには漠然と考えております」(LayerX 代表取締役 CTO、松本 勇気)

規制の補完として技術者を組み込むアプローチについて

全体的に伝統的な金融規制では限界があり、コードの健全性などを監督していく必要があるとの見方が目立った。

コードの安全性の検証というのは、実際、国のような大きい単位の公共的な機関が提供するというか、介入するべきポイントです。

消費者が正しく安全性への期待を高める方向に働くような認定制度をつくってあげることによって、プレーヤーたちも、消費者たちから、利用者から、信頼を得やすくするために、遵法性を意識したサービスを提供するという枠組みに従ってくれるということも考えられると思います。(野田氏)

「技術者コミュニティー、非常に開かれておりまして、基本的に対話は参加はできるんですけれども、言語が違い過ぎるというところが一番の課題だと思っておりますので、ここは継続的にエンジニアをこういった場にも招いて頂けると」(松本氏)

「技術者と言っても技術だけを多角的に見ているかというとそうとも言えないところがあります。ですから、松尾先生が前回おっしゃっていたと思いますが、論文を書くというのも一つの方向性としてあると思います」(ソフトウエア開発技術者 栗田氏)

DeFi規制に関するドキュメントを発表か

松尾氏は、ランサムウェア攻撃の問題、DeFiの規制上の論点、NFTに関するドキュメントを発表することを示唆した。

前回の総会でそういう議論をして、ランサムウエアアタックの話とかは継続的に、多分もうすぐドキュメントも早く出せるのかなというところと、今までキーマネジメントだとか、DeFiの規制上の論点のドキュメントについてももうすぐ出せますという話です。あと、NFTの話も議論し始めているので、簡単なレポートは多分2、3か月で出てくるのだろうと思います。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
11/21 木曜日
17:00
BitwiseがソラナETF準備開始 デラウェアで信託登録完了
暗号資産運用大手Bitwiseが、ソラナ(SOL)ETF組成に向けデラウェア州で信託登録を完了した。VanEck、21Sharesに続く参入となる。
16:59
バイナンス、5種類の仮想通貨取引ペアを11月22日に取扱い中止
大手取引所バイナンスが、THETA/ETHやRARE/BRLなど5種類の仮想通貨取引ペアの取扱い中止を発表。11月22日12時より取引停止へ。各トークンは他の取引ペアで継続取引可能で、価格への影響も限定的。スポット取引ボットサービスも同時終了。
15:27
ビットコイン1500万円突破 ETFオプション解禁で資金流入加速
ビットコインが史上初めて1500万円を突破した。米国でETFオプション取引が解禁され、機関投資家の参入が加速。IBITへの1日1000億円規模の資金流入が継続する中、トランプ政権への期待も相場を押し上げる。バーンスタインは3100万円到達の強気予想を見立てている。
13:10
ソラナPhantomウォレット、米AppStoreの無料ユーティリティアプリ部門でトップに
ソラナ基盤のPhantomウォレットが米AppStoreで無料ユーティリティアプリ部門1位を獲得。無料アプリの総合部門でも5位に躍進した。
11:25
半導体大手エヌビディア決算報告 過去最高の売上高
エヌビディアが8~10月期決算を発表。売上高は再び過去最高を記録した。AI需要拡大で業績好調も、成長率の鈍化予想で株価は下落している。
11:05
米SEC、仮想通貨指数ETFの上場判断を延期
ゲンスラー率いる米国証券取引委員会は、米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトンの仮想通貨指数ETF「EZPZ」の承認判断を延期した。
09:40
「仮想通貨は申告分離課税で20%に」国民民主党の玉木代表が与党に要望
国民民主党の玉木代表が仮想通貨税制改正を与党に要望した。雑所得から申告分離課税にすることを提案している。
07:50
テザーUSDTが3000億円分新規発行、市場に流動性注入
今週仮想通貨ビットコインの上昇に際し、ステーブルコインのテザー(USDT)が大量に発行されたことが明らかになった。
06:50
米上場のバイオ企業、ビットコイン財務戦略を採用
米上場のバイオ医薬品企業のHoth Therapeuticsは、最大100万ドル相当の仮想通貨ビットコイン購入を取締役会で承認した。
06:40
トランプ次期政権、史上初の仮想通貨特命官ポストを検討
トランプ次期大統領の移行チームは仮想通貨政策に特化した史上初の常勤のホワイトハウスポジションの設置を積極的に検討しているようだ。
06:20
マイクロストラテジー時価総額が米国トップ100に、ビットコイン史上最高値更新受け
仮想通貨ビットコイン続伸を受け、BTCを大量に保有する米マイクロストラテジー社の株価も続伸し、史上最高値となる504.7ドルに到達し米国で時価総額トップ100にランクインした。
11/20 水曜日
17:03
韓国の仮想通貨課税、2025年1月から導入見込み
韓国政府が2025年初頭から実施予定の仮想通貨課税について解説。免税限度額を250万ウォンから5000万ウォンへ大幅引き上げで、年間利益560万円未満は非課税に。取得価格不明時の代替計算方法導入など、投資家に配慮した新制度の詳細を紹介。11月下旬の法案可決を目指す。
14:00
BONK急騰、アップビットでウォンペア提供開始
韓国最大の仮想通貨取引所Upbitは20日にソラナ基盤の犬系ミームコイン「BONK」の新規上場を実施し、韓国ウォンの通貨ペアを新たに提供し始めた。
13:57
Ledger Stax・Flex完全ガイド|仮想通貨の高性能ハードウェアウォレットを徹底比較
10周年を迎えたLedgerの次世代ハードウェアウォレット「Stax」と「Flex」を詳しく解説。大画面タッチパネル搭載の最新モデルの特徴から、定番のNanoシリーズとの違いまで完全網羅。セキュリティと使いやすさを兼ね備えたウォレットの全貌を紹介しています。
13:20
マイクロストラテジー会長、マイクロソフト株主総会でビットコイン投資を提案へ
米マイクロストラテジー社のマイケル・セイラー会長が、マイクロソフト株主総会で3分間のビットコイン投資プレゼンを実施すると発表。ビットコイン投資は株主にとっても、株価を左右する重要な議題であり、総会で議論されるべきだと述べた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/12/01 09:30 ~ 20:00
東京 墨田区文花1丁目18−13
重要指標
一覧
新着指標
一覧