はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

英法律委員会、スマートコントラクトの法的取扱いを説明

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

柔軟なコモン・ローの体系

英国における法体系の一つであるイングランドとウェールズ(以下、E&Wと表記)の法律委員会(The Law Commission)は25日、同地域における現行法は、スマートコントラクトへの適用に十分対応できると発表した。

「法典編纂委員会」とも訳される法律委員会は、法の改革を推進する目的で、1965年に設立された法定独立機関。時代遅れとなった不必要な法律や変則の廃止、類似した規則の削減などにより、法律の成文化を促進する。また法律の公正性、シンプルさ、現代の様式に見合っているか、また費用対効果等について調査や協議を行い、議会へ提言する役割を担っている。

法律委員会は英国のコモン・ローには柔軟性があるため技術開発にも対応可能と分析。E&W司法区域では、法令の改正なしに「ビジネスとイノベーションのための理想的なプラットフォーム」を提供できるとの判断を示した。

コモン・ローとは

コモン・ローとは一国に「共通する法律」の意味で、英国で生まれた法的概念。裁判所の判断に基づき判例の報告を積み上げた一般的な慣習法の体系として認識されている。

▶️仮想通貨用語集

司法特別委員会の結論

法律委員会はスマートコントラクトの中でも特に、法的拘束力のある契約義務を「スマート・リーガル・コントラクト」と呼び、分析の対象を当該コントラクトに限定している。

今回の同委員会の判断は、2019年に英国の司法特別委員会が発表した「暗号資産とスマート・コントラクトに関する法的声明」で示された結論に基づいているという。同声明では、現在の法的枠組みが、「スマート・リーガル・コントラクトの使用を促進し支援するために、十分な堅牢性と適応性を備えている」と立証していた。

なお法律委員会は、コードの性能に関するリスクなど、スマート・リーガル・コントラクトへの法的取扱いには不確実性もあるため、特定の問題を提示しつつ、その対処の方法について明示的な条項を含めることを当事者に奨励している。

一方、スマート・リーガル・コントラクトが普及するにつれて、市場では交渉や作成プロセスを簡略化する慣例やモデルが開発されるだろうと、同委員会は予想。市場には多くのチャンスがあると指摘した。

スマート・リーガル・コントラクトの特徴

法律委員会はスマート・リーガル・コントラクトの特徴を以下のようにまとめている。

  1. 契約上の義務の一部または全てがコンピュータプログラムによって自動的に実行されること(「自動性」)
  2. 契約が法的に執行可能であること

ユースケース

スマート・リーガル・コントラクトのユースケースとして法律委員会は、以下のような例を取り上げた。

  • DeFiの促進
  • サービス契約の監視
  • 不動産取引
  • 保険
  • 航空機への燃料補給
  • サプライチェーンの管理

英国政府も期待

英法務省のDavid Wolfson政務次官は法律委員会の調査報告に対し、政府はスマート・リーガル・コントラクトを含む新たな技術がもたらす変革の可能性について期待していると述べた。

我々は、世界をリードする法的サービス部門を望んでいるが、それが意味するところは、英国法が未来のテクノロジーに対応できるようにすることだ。法律委員会の調査結果は、スマート・リーガル・コントラクトを利用を望む人々にとって重要な法的確実性を提供するものだ。

今後の課題

同時に法律委員会は、既存の法律をスマート・リーガル・コントラクトに適用する際の課題も提示した。

更なる作業が必要な分野として、紛争が起きた場合、適用される主な法律やどこで裁定が下されるべきかという問題を特定。デジタル世界と現実の場所を呼応させ対応する難しさを指摘した。

そのため、政府と同委員会は、スマート・リーガル・コントラクトとデジタル資産を含む新興技術に適用される法の抵触に関して規則や改革の必要性を検討することで合意に達したという。

法律委員会はこのプロジェクトを2022年半ばにも開始したいとしている。

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
03/29 土曜日
12:55
南カロライナ州で新たにビットコイン準備金法案提出 対コインベース訴訟取り下げも
米国サウスカロライナ州が、コインベースへのステーキング関連訴訟を取り下げた。また同日には州がビットコインなど仮想通貨の準備金を持てるようにする法案が提出されている。
10:45
ブラックロックのビットコインETFを保有、トランプ大統領の息子が顧問の米上場企業
米ドミナリ・ホールディングス社がビットコイン保有戦略を開始し、ブラックロックのETFを購入。機関投資家の仮想通貨投資最新動向は。
10:00
欧州保険・年金機構(EIOPA)、保険会社が仮想通貨を100%裏付ける義務提案
EIOPAが保険会社の仮想通貨保有に100%の資本要件を提案。高リスクに対応するためとしている。欧州では特にルクセンブルクで保険会社の仮想通貨エクスポージャーが確認されている。 。
09:30
SEC、イーロン率いる政府効率化省(DOGE)と連携開始
米証券取引委員会(SEC)がイーロン・マスク氏の政府効率化省(DOGE)との連携を開始。トランプ政権下での規制機関改革と仮想通貨政策転換の最新動向を解説。
08:30
ビットコイン80万円下落、BTCメジャーSQ通過で需給悪化|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは前日比で一時80万円の下落となった。アルトコイン市場も、ビットコインの急落に連動するかたちでほぼ全面安の展開となった。
07:45
トランプ大統領、仮想通貨取引所BitMEXの共同創設者3名に恩赦
トランプ大統領は、アーサー・ヘイズ氏ら仮想通貨取引所BitMEXの3名の共同創設者に恩赦を与えたことがわかった。同氏らは、意図的にマネーロンダリング対策を導入せず銀行秘密法に違反したと告発されていた。
07:15
アバランチ現物ETF、米グレースケールも申請
VanEckの後に申請 米ナスダックは3月27日、グレースケールのアバランチ(AVAX)現物ETFに関する19b-4申請書を米証券取引委員会(SEC)に提出した。この申請は、既…
07:02
ブラジル政府高官「ビットコイン準備金は国の繁栄に不可欠」
ブラジル副大統領首席補佐官がビットコインを「デジタルゴールド」と評価し、国際準備金の5%をビットコインに投資する法案を支持する。
06:40
イーロン・マスク氏、人工知能開発のXAIがX社を買収と発表 企業価値16兆円超の巨大統合に
イーロン・マスク氏が率いるAI企業XAIが旧ツイッター社X社を全株式交換で買収。XAIを800億ドル、X社を330億ドルと評価する統合により、AIとソーシャルメディアの融合を目指す。
06:15
Bybitハッカー、40億円相当のイーサリアムを売却 ETH価格は前日比6%安
Bybitハッキング犯による40億規模のイーサリアム大量売却が仮想通貨に影響。ETHが前日比-6.3%。
03/28 金曜日
13:15
イーサリアム「ペクトラ」の実装日が4月30日と仮決定、次期「フサカ」の動向は?
カオスつうかイーサリアムのコア開発者ティム・ベイコ氏が「ペクトラ」アップグレードの実装日を4月30日と仮決定。次期開発に関しても進捗が確認された。
11:30
米司法省、ハマス関連の仮想通貨約3000万円を押収 資金調達を阻止
米司法省が、イスラム系組織ハマスからUSDTなどの仮想通貨を20万ドル相当押収した。ハマスは仮想通貨による寄付募集やマネロンを行っていたとみられる。
10:50
リップル社、アフリカの決済企業Chipper Cashと提携
リップル社は、アフリカの決済企業Chipper Cashとパートナーシップを締結。仮想通貨を活用するリップルペイメントを導入し、アフリカにおける国際送金の速さやコスト効率を向上させる。
10:45
トランプ指名のアトキンス氏が仮想通貨規制方針示す SEC委員長指名公聴会で
米上院銀行委員会が、次期SEC委員長候補ポール・アトキンス氏の公聴会を開催した。ウォーレン議員が利益相反の可能性を追及した他、仮想通貨関連の議題も俎上に上った。
10:10
米政府、12億円相当のビットコイン移動 戦略的準備金に向けた準備か
トランプ大統領の大統領令に基づき、タイの犯罪組織から押収された846万ドル相当のビットコインが米政府によって移動されたことが観測された。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧