仮想通貨事業の認可を再申請か
大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスは、英国での事業ライセンス取得を再び目指していることが分かった。英大手メディア『The Telegraph』が報じた。
同社のChangpeng Zhao最高経営責任者(通称、CZ)が、「組織の構造からプロダクトの提供、内部プロセス、規制当局との関わり方を大きく変えた」と説明。そして「英国でプレゼンスを高め、規制に完全に準拠した方法で、同国のユーザーにサービスを再び提供したい」と述べている。
今年、規制当局から厳しい目が向けられているバイナンスは、英国で仮想通貨業界を監督する金融行動監視機構(FCA)からも6月に警告を受けた。同国では2020年1月から、仮想通貨事業を行うにはFCAへ登録することが義務付けられている。FCAは6月、バイナンスの英国での事業に対し、ライセンスを保持していないと指摘。5月中旬にバイナンスがFCAの登録申請を取り下げた事例も確認されている。
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FCAとは
「Financial Conduct Authority」の略。仮想通貨に限らず、英国の金融業界全体を監督しており、主に「消費者保護」、「市場の完全性の向上」、「競争の促進」を担当している。
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一方で、事業の拡充を続けながらも、バイナンスは規制対応を強化してきた。CZ氏が「2021年は規制に対応するため、150人の従業員を新たに雇用した。これからは600人のコンプライアンスチームが規制対応を行なっていく」と説明したことも先月報じられている。その際、本社をフランスに設立する意向であることも明かした。
CZ氏は今回、FCAとの関係が改善したと説明。バイナンスは英国からも規制に詳しい人材を雇用して同国にオフィスを設立しており、これからFCAへの登録を再度目指す計画だという。
FCAへの登録状況
英国ではFCAを監督機関とし、仮想通貨業界の規制を強化してきたが、コロナウイルス感染拡大の影響や審査プロセスの複雑さなどから認可の手続きが遅れ、FCAへの登録期限を複数回延長した経緯がある。
そのような状況で今年6月には、事業認可の取得を断念する企業が増えていることも報じられた。当時、申請を断念する企業が増えている理由について、「世界的に仮想通貨規制の強化が進んでいるからだ」という見方が上がっていた。
6月時点でFCAに登録が完了しているのは6社のみだったが、現在は「Gemini Europe」、「Fidelity Digital Assets」、「Galaxy Digital UK」など22社に増加している。
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