リスク回避姿勢強まる仮想通貨市場、ハッシュレートは今年5月の過去最高水準まで回復

仮想通貨市況

10日の暗号資産(仮想通貨)市場。ビットコイン価格は、前日比-2.9%の551万円(48,567ドル)と下落した。

BTC/USD日足

52,000〜53,000ドルはレジスタンスライン(上値抵抗線)が重なる(①)。47,000ドルのサポートライン(下値支持線)を割り込んだ場合、再び42,000〜43,000ドル(②)の二番底を試しに行くおそれがある。

ビットコイン(BTC)再下落の背景には、大口売りの継続のほか、伝統金融市場の地合い悪化の影響も指摘される。

データ分析企業CryptoQuantのデータによれば、取引所への送金量(週平均)を示す「Total inflow 7 days Mean」が、4日の暗号資産(仮想通貨)暴落後も高水準を維持しており、断続的な大口売りが続いていることを示唆する。

出典:CryptoQuant

このような局面における大口投資家(クジラ)の比率上昇については、CryptoQuantのKi Young Ju(@ki_young_ju)CEOらも指摘している。

伝統金融市場では、格付け会社フィッチ・レーティングスは9日、30兆円規模の巨額負債を抱えるとされる中国不動産開発大手の恒大グループについて、部分デフォルト(債務不履行)認定したことを発表した。期日までに、米ドル債の利払いを確認できなかった。恒大グループから公式発表はされていないが、中国の不動産セクターへの波及と世界経済への影響について懸念されている。

また、9日の米株式市場では、感染力の高い新型コロナウイルスのオミクロン変異株に対する制限措置について、経済への悪影響が懸念された。ニューヨーク原油先物相場なども下落している。

ビットコイン(BTC)など暗号資産(仮想通貨)は、足元では悲観に傾き売られ過ぎ水準を示唆。反発してもおかしくないものの、相場全体の不確実性が嫌気されている現状は否めない。

ある種のコロナバブルをもたらした金融緩和策転換であるテーパリング(量的緩和縮小)や利上げ動向に関連して、14~15日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えていることからも様子見基調となりやすく、このような投資家のリスク回避姿勢とポジション縮小の動きが、暗号資産(仮想通貨)市場などが弱含む一因にあるものと見られる。

ハッシュレートは大幅回復

今年5月以降急落していたハッシュレート(採掘速度)が約半年で170%回復。9日時点で今年5月に記録した過去最高値180TH/s水準に達したことがblockchain.comのデータでわかった。ビットコイン(BTC)急落後もハッシュレートは上昇し続けており、マイナー(採掘業者)の強気姿勢を示唆している。

blockchain.com

今年5月頃、中国共産党創立100周年を前に当局による仮想通貨(暗号資産)関連企業への締め付けが本格化。新疆ウイグル自治区や四川省などを中心とした大手マイニングファームが相次いで稼働停止・海外移転を余儀なくされた。ビットコインの採掘活動が機能不全に陥り、ハッシュレートが急落した経緯がある。

採掘速度は数週間で約65%減少。これに伴い、ビットコインのディフィカルティ(採掘難度)は史上最大の易化調整となった。

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マイニング事業において電気代の安価な中国の影響は大きく、今年5月頃までは全世界のビットコインネットワークのハッシュレートの内、推定65%を占めていたとの試算もある。そのため、採掘能力の海外分散化はチャイナリスクの後退をもたらし、費用対効果の改善は新たな新たな参入動機を促すなど、ポジティブな側面も期待される。

英ケンブリッジ大学傘下の独立プロジェクトであるCBECのマイニングマップによれば、代替するマイナーの移転先は、ハッシュレートの43%近くを占めた米国が首位に。近年では、カザフスタン(21.9%)、ロシア(13.6%)が続いた。

ccaf.io

今年11月には、米テキサス州にて、マイニング企業Genesis Digital Assetsが大規模なマイニングセンター建設を発表したほか、今年6月には、暗号資産(仮想通貨)を商法の枠組みの中に位置付ける法案を可決し、マイニング事業などを後押しする方針を打ち出した。

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