金融サービス会社が商標権侵害を訴え
米国の金融サービス会社H&R Blockは16日、ジャック・ドーシー氏がCEOを務める米フィンテック企業Blockを商標権侵害で起訴したと発表した。
Block社は、元々Square(スクエア)という名称だったが、1日に改称している。ドーシーCEOの仮想通貨とブロックチェーンビジョンや今後の事業方向性も反映している社名だという。
「直接的な競合関係にある分野も」
H&R Blockは、1955年に設立され、税務申告や小規模事業者向けのバンキング・簿記ソリューションなどを提供している企業。米国内および世界中に約12,000のオフィスを構えている。
公式発表によると、Squareが最近買収したCredit Karma Tax(現Cash App Taxes)による金融サービスなど、いくつかの領域でBlock(旧称Square)は、H&R Blockと直接的な競合関係にあるという。
また、Squareが社名を変更してからすでに2週間以上が経過しているが「消費者が両社に関連性を感じていることが数多く指摘されている」状況だとも指摘した。
H&R Blockは次のようにツイートしている。
私たちは、65年以上にわたって築き上げてきた名声や信頼を守るつもりだ。今朝、当社はBlock(旧称Square)が不適切に「Block」という名称や、一連の商標を使用することを防ぐために、商標権侵害で起訴した。
We are protecting the reputation and trust we have built over 65+ years. This morning, we filed a trademark infringement lawsuit, seeking to prevent Block, Inc.—formerly Square, Inc.—from improperly using the Block name and family of trademarks. https://t.co/6mF55e32GR pic.twitter.com/L0bRGp2tyk
— H&R Block News (@HRBlockNews) December 16, 2021
公式発表でも、「Blockは、独自のブランドを生み出すのではなく、よく知られたBlockという名称を利用して近道をしているように見える。これは明らかに商標権の侵害であり、消費者を混乱させる」と指摘した。
Metaは間接的に商標権を取得
10月にはFacebook(フェイスブック)がメタバース事業へ注力する計画に合わせ、「Meta」に社名変更したことも話題になったが、Facebookが商標権の問題のために取引を行ったことが最近明らかになった。
米国には、「Metaフィナンシャル・グループ」という地方銀行が存在している。
このMetaフィナンシャル・グループは13日、規制当局への報告書の中で、デラウェア州のBeige Key LLCという会社が、同社の社名に関する全世界での権利を6,000万ドル(約68億円)で売却することに合意したと述べていた。
これに関してMeta(旧称Facebook)の広報は、「当社は、提携するBeige Keyより、いくつかの商標資産を取得した」と明かしている。また、Metaフィナンシャル・グループの広報も、社名の権利売却について、Meta(旧称Facebook)が関わっていたことを認めている。
Metaは、関連する会社を通して、間接的に商標権を取得した格好だ。
メタバースとは
インターネット上に構築された、多人数参加型の3次元仮想現実世界のこと。アバターを使い、様々な楽しみ方ができる。例えば、『The Sandbox』というゲーム内のメタバースでは、ボクセルアート制作ツールやゲーム制作ツールが提供されており、ユーザーはそのなかで自作のゲームや施設を作ることができる。
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