次期委員長を承認
米上院は15日、商品先物取引委員会(CFTC)の新たな委員長として、発声採決によりRostin Behnam氏を承認した。Behnam氏はHeath Tarbert氏の後任になる。
Rostin Behnam氏は、トランプ政権下で2017年よりCFTCの委員として指名され、バイデン政権では委員長代理を務めてきた。その後9月に、バイデン大統領は同氏を委員長の候補者に挙げている。
CFTCは商品取引所に上場する商品や金利、デリバティブ全般など、米国の先物取引市場を監督する機関。暗号資産(仮想通貨)についても、デリバティブ取引等に関する監督を行っている。
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Behnam氏は10月27日に委員会での公聴会で、就任後の方針を説明しており、その中で仮想通貨に関するCFTCの権限を拡大することを求めた。
Behnam氏は、現物市場の監督は「従来の、デリバティブを規制するというCFTCの役割からは逸脱しているだろう」としつつ、望まれる場合には、CFTCの準備は整っていると述べている。
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CFTCと並び、米国では証券取引委員会(SEC)が仮想通貨関連の監督で中心的な役割を担っており、特にビットコイン(BTC)関連のETF承認などは業界から注目が集まるトピックとなっている。
SECのGary Gensler委員長は、仮想通貨の発展は規制の枠組みの中でこそ可能だとする趣旨の発言を行っており、DeFi(分散型金融)を規制下に置くことも検討していることが報じられてきた。
一方で、仮想通貨規制をめぐる両機関の見解の違いが浮き彫りになっていることが問題視されている。
8月、米議員らが両機関とブロックチェーン企業などが連携するワーキンググループの策定を求める書簡をSECとCFTCのトップに提出している。また、同月、CFTCのDawn Stump委員は、仮想通貨に適用されるCFTCの規制権限について公式声明を発表。仮想通貨がCFTCの規制対象となる「商品(コモディティ)」なのか、SECが規制する「証券」なのかという単純な二元論で議論されていると指摘。CFTCが規制権限を有するのは、「コモディティを対象とした先物契約や、スワップなどのデリバティブ商品」であり、現物商品に対する規制権限はないと明示した。
両機関の規制方針は、米国内に留まらず海外にも影響を及ぼすものとして、今後も注目される。
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