米CFTC委員、仮想通貨市場に対する規制権限を解説

規制区分の誤解を正す

米商品先物取引委員会(CFTC)のDawn Stump委員は23日、暗号資産(仮想通貨)に適用されるCFTCの規制権限について公式声明を出した。

Stump委員は、近年、仮想通貨やその関連商品に注目が集まる中、仮想通貨がCFTCの規制対象となる「商品(コモディティ)」なのか、米証券取引委員会(SEC)が規制する「証券」なのかという、「極めて不正確な単純化」された議論が起こっていると指摘。このような規制区分に対する誤解を是正することが必要だとして、現在の制度とCFTCの規制権限について簡潔にまとめた文書を発表した。

CFTCは、(証券であるかどうかにかかわらず)商品を規制していない。正しくは商品のデリバティブを規制している。これは他の資産クラスと同様、デジタル資産にも当てはまる。

なお、Stump委員は、この分析はあくまでも個人の意見であると但し書きを添えている。

デリバティブとは

デリバティブとは、仮想通貨や株式といった元になる資産から派生した金融商品のこと。

▶️仮想通貨用語集

CFTCの法的権限

Stump委員はまず、商品取引法における「商品」の定義は、極めて広い範囲に及ぶため、特定のデジタル資産が「商品」であるということ自体は、特別なことではないと述べた。

その上で、商品取引法が規定するCFTCの法的権限には、登録義務や日常的な市場監視などの「規制権限」と、商品取引法及びCFTC規則違反に対し、民事上の強制措置を取る「執行権限」の二つがあると指摘した。

しかし、後述するように、執行権限は規制権限よりも広範にわたるものだという。

CFTCの規制権限

CFTCが規制権限を有するのは、「コモディティを対象とした先物契約や、スワップなどのデリバティブ商品」であり、現物商品に対する規制権限はないと、Stump委員は明示した。

例えば、牛や天然ガスは商品だが、CFTCが規制するのは、それらの先物契約やスワップであり、牛の現物市場や天然ガスの送電や販売を規制することはない。また、無形の商品である金利の場合、金利水準を決定・管理するのは連邦準備制度理事会(FRB)であり、CFTCは金利関連の先物契約やスワップの規制に責任を負う。

そのため、デジタル資産が商品であっても、CFTCは現物を規制することはなく、あくまでもデジタル資産のデリバティブ商品を規制するのだとStump委員は強調。その中には、CTFCが規制する取引所が扱うビットコイン(BTC)イーサリアム(ETH)の先物契約など、デジタル資産の先物契約・スワップの取引や精算が含まれる。

証券の場合

デジタル資産が証券である場合、規制の管轄はSECであり、CFTCは規制しない。しかし、デリバティブ商品を規制する権限があるため、株価指数の先物商品のように、有価証券のデリバティブに関しては規制することも可能とのことだ。

この点で規制に曖昧さが残る感が否めないが、商品取引法及び連邦証券法において、先物契約及びその他の証券派生商品に関しては、CFTCもしくはSECが、あるいは両機関が共同で規制することができると米国議会は決定したとStump委員は説明している。

そのため、デジタル資産が証券である場合、そのデリバティブ商品の規制権限がどちらにあるかの判断には、さらなる分析が必要になるという。

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執行権限は規制権限の範囲を超える

Stump委員は、CTFCに付与された法の執行権限が、規制権限の範囲よりも広範にわたるため、関係者や投資家がCFTCの規制権限を誤解する要因になっているかもしれないと述べている。

例えば、CFTCによる仮想通貨取引所BitMEXに対する取締りは、デリバティブに関する取引規則違反に関係し、規制権限と執行権限が一致していたという。

しかし、CFTCの執行権限には、CFTCが規制しない現物取引に関しても市場操作や詐欺の疑いで取り締まることも含まれるという。その理由は、規制対象であるデリバティブ市場の健全性を保つには、健全な現物市場が提示する価格等の指標が必要となるからだと同氏は説明。この執行権限を活用して、CFTCは同機関の規制対象ではないデジタル資産の現物市場の取締りを、積極的に行ってきた経緯があると説明した。

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