米FINRA、投資家保護を重要視
米国の金融規制機関「FINRA」は19日、暗号資産(仮想通貨)規制に更新事項を加えることを検討していると明かした。投資情報メディアBarron’sが報じた。
FINRA(フィンラ)のRobert Cook CEOは、ウォール街の業界団体が主催するイベントで、金融業界が自主規制する上での優先事項をいくつか説明。投資家保護のために、仮想通貨の販売に関する開示条件について、新たに通知することも検討しているという。
FINRAとは
Financial Industry Regulatory Authority(金融取引業自主規制機構)の略。米金融業界の自主規制機関。米国で証券仲介を行う組織は加盟する必要がある。投資家保護や取引の透明性を確保するために規制を行っている。
▶️仮想通貨用語集
Cook氏は、適切な規制ルールを定めるのは、SEC(米証券取引委員会)などの政府当局、議会であり「FINRAが規制の仕組みを根本的に変えるつもりはない」と前置きした。
その上で、仮想通貨と呼ばれるものの種類や範囲は幅広く、異なる規制の枠組みにまたがっているため、投資家の混乱を招く可能性があると指摘。このため、「関連企業は、開示方針を更新する必要があるかもしれない」と述べている。
投資家が仮想通貨を購入する場合の既存の開示規則を確認し、さらに規則に強化が必要かどうかを検討したいという。
Cook氏は、仮想通貨規制は、FINRAが取り組む優先事項の一つであり、これは近年、仮想通貨へ投資する個人が急増していることも受けたものだと説明。規制は主に、仮想通貨投資家の保護に焦点を当てたものになるとした。
投資家が仮想通貨商品を購入する際、それが従来の金融規制が適用されない領域にあることに気付いていない場合もあることを懸念する格好だ。
投資家に仮想通貨のリスクを通知
FINRAは以前より、公式サイトで投資家向けに仮想通貨の概要やリスク情報を公開してきた。
例えば、ビットコイン(BTC)のリスクとしては、取引所やウォレットなどがハッキングされる可能性、従来の預金保護の対象とはならないこと、マネロンなど違法金融に使われ得ること、高いボラティリティ(価格変動)などにも触れている。
また、詐欺の被害者とならないためにも、事業者に仮想通貨への投資を勧められた場合は、その事業の情報をよく調査するよう呼びかけている。
米SEC委員長も21年5月にメディア出演した際、投資家保護を仮想通貨規制の優先事項として挙げていた。
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