米SEC、「証券法違反を自己申告の仮想通貨企業は救済対象に含まれず」

「自己申告救済プログラムの計画ない」

米証券取引委員会(SEC)の法的執行責任者は、暗号資産(仮想通貨)企業が、証券取引法への違反を自己申告したとしても完全な救済措置は行わないと述べた。ロイター通信が報道した。

背景としては、大手仮想通貨貸借サービスプラットフォームBlockFiが米SECと115億円で和解した事例がある。

BlockFiは、ユーザーが仮想通貨を預けることで利子が付与される高利回りの口座を提供していた。SECは、この商品が投資信託やその他の金融商品に類似しており、証券とみなされると指摘。未登録証券を販売した疑いで、BlocFiを調査した。

その後、BlockFiは、商品を新たに「利回り証券」としてSECに正式登録することを発表。約115億円の罰金を支払って、SECと和解していた。法律の専門家からは「有利子口座を登録し規制を明確化することにつながる」と評価する声も挙がっていたものだ。

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報道によると、BlockFiの事例後、類似の商品を持つ他の企業は、SECが、違反を自己申告した企業への救済プログラムを開始することを期待していたという。しかし、SECの法執行責任者であるGurbir Grewal氏は、そうした予定はなかったとして、次のように話した。

企業が証券法違反している商品を自己申告した場合、SECはその行為について、罰金や証券法に遵守する方法を見つける上での対応面で、より好意的に見るだろう。企業が違反申告し、我々と協力することの利点はそこにある。

また、Grewal氏は、商品を登録さえすれば、SECが証券法違反を無視するというものではないとも述べている。

米SECとは

1934年設立。公正な取引の確保と投資家保護を目的としており、インサイダー取引や企業の不正会計、相場操縦などを防止する。仮想通貨が有価証券に該当するかという判断も行う。SECは「Securities and Exchange Commission」の略で、日本では「証券取引等監視委員会」が近い役割を担っている。

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SECへの批判に反論

SECに対しては、「明確な規制ガイドラインを示す前に取り締まりを行っている」との批判の声が一部で挙がってきた。Grewal氏は、21年11月のスピーチで、次のようにこれに反論している。

投資家、企業、経済が直面する問題や、新しく登場した技術や投資商品に応じて、執行部がどこに焦点を当てるかは変化することがある。

しかし、不正行為の可能性を調査する際には、証券業界で長年にわたってよく知られ理解されてきた規制や基準を引き続き適用している。

具体的には、証券であるかないかを判断する根拠としてハウィーテストなどの存在を挙げた。

ハウィーテストとは

米国で特定の取引が「投資契約」という証券取引の定義の一つに該当するかどうかを判定するテスト。SECのW. J. Howey社に対する訴訟事件に由来する。これ自体には法的拘束力はないが、SECはこのテストをもとに複数のICO(トークン販売)に対してリーガルアクションを起こした経緯がある。

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