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米国下院が22年の予算案を可決 デジタル人民元などについての条項含む

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

デジタル人民元などについての条項盛り込む

米国下院議会は9日、2022年の予算案を可決、この法案は今後上院で審議される見込みだ。内容として、中国が開発研究している中央銀行デジタル通貨(CBDC)を対象とした条項や、ランサムウェアに関する新たな報告要件を盛り込んでいる。

ランサムウェアの報告要件についての条項

この予算案は、ランサムウェアについて報告要件を規定。重要なインフラに関わる企業などが、ランサムウェア攻撃を受けて身代金を支払った場合、24時間以内に、米国土安全保証省のCISA(Cybersecurity and Infrastructure Security Agency)に報告することを義務付けている。

この条項の背景は、企業などへのランサムウェア攻撃が増加していることだ。特に21年5月、米国最大の石油パイプライン「コロニアル・パイプライン」がランサムウェア攻撃の影響で、一時的に石油輸送を停止した件をきっかけに、政策課題としても重視されるようになった。

ランサムウェアについての政策を巡る議論では、攻撃を受けた企業が、そのことを発表して世間の評判を下げるよりも、事業コストとして秘密裏に身代金を支払いたいと考える可能性があることが指摘されてきた。

関連:「金融インフラがランサムウェア攻撃を受けた場合の方針」米議員が法案提出

ランサムウェアとは

ハッキングを仕掛けたうえで、元の状態に戻すことを引き換えに金銭を要求するマルウェアのこと。「身代金要求型マルウェア」とも呼ばれる。感染すると、他人の重要文書や写真ファイルを勝手に暗号化したり、PCをロックして使用を制限した上で、金銭を要求してくる。

▶️仮想通貨用語集

デジタル人民元に関わるリスク報告を求める条項

予算案は、米大統領が中国のCBDC「デジタル人民元」に関する報告書を作成することも規定している。r

特に、デジタル人民元が米国にもたらす「短期、中期、長期の国家安全保障上のリスク」を明らかにするよう求めるものだ。報告書では、特に中国からの取引監視、不正資金調達、経済的な威圧というリスクに焦点を当てるものとしている。

このことについては、米国の上院議員らも2日、同様の報告を求める法案を提出した。ビル・キャシディ議員と、マーシャ・ブラックバーン議員による「Say No To the SilkRoad Act(シルクロードに反対する法案)」である。

ブラックバーン議員は、デジタル人民元などの技術を放置すれば、「ロシアはSWIFTのような送金システムによる制裁を逃れることができる」「中国共産党はさらに市民の監視を強化できるようになる」と述べた。

ブラックバーン議員らの法案は、デジタル人民元をめぐって、主に次のような事項を提案している。

  • 米国務省にデジタル人民元に関する警告を発するよう要請する
  • 米通商代表部に対し、デジタル人民元が貿易・投資協定に与える影響について報告することを要求する
  • 米行政管理予算局に対し、人民元を譲渡、保管、使用する際の機関向けの基準およびガイドラインを策定するよう要請する

デジタル人民元の米ドルへの影響については、これまでも各所で議論されている。

例えば20年9月には、中国人民銀行の雑誌「チャイナファイナンス」が、米ドル依存を減らすために、デジタル人民元を速やかに打ち出すことが必要との記事を掲載。一方で、コーネル大学の通商政策研究者は、デジタル人民元は米ドルへの脅威とはならないと主張している。

関連:「米ドル依存を減らすために」デジタル人民元開発を加速すべき=中国人民銀行の雑誌で議論

CBDCとは

各国・地域の中央銀行が発行するデジタル化された通貨を指す。「Central Bank Digital Currency」の略である。仮想通貨との大きな違いは、CBDCは法定通貨であること。通貨の管理や決済等においてコスト削減や効率性向上が期待できる一方で、個人情報やプライバシーの保護、セキュリティ対策、金融システムへの影響など考慮すべき課題は多い。

▶️仮想通貨用語集

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