コインベースに対する集団訴訟
大手暗号資産(仮想通貨)コインベースのユーザー3人は11日、同取引所に対して訴訟を起こした。コインベースが未登録の有価証券を販売していると主張し、それらのトークンの取引で被った損害などについて補償を求めている格好だ。
被告としては、コインベースの他、ブライアン・アームストロングCEOも名前を挙げられている。
原告は、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などの仮想通貨は非中央集権的に発行されているため、商品(コモディティ)として認識されている一方、特定の発行者により供給されるトークンは有価証券とみなされうると申し立てた。
訴状は、証券とみなされる可能性があるとして、78銘柄の仮想通貨を列挙。その中には、エイダ(ADA)、ポルカドット(DOT)、チェーンリンク(LINK)、ポリゴン(MATIC)、テゾス(XTZ)始め様々なトークンが含まれている。
また、ICOで発行されるトークンは、投資家が他人(トークン発行体)の努力から得られる利益を合理的に期待して、共通の事業に資金を投じることを意味するもので、投資契約つまり証券だと論じた。ある資産が証券であるかどうか判断する基準としては、ハウィーテストに言及している。
その上で、コインベースはその事業を、証券取引所や証券ブローカーとして登録しないまま、未登録証券を販売していたと訴えた。
ハウィーテストとは
米国で特定の取引が「投資契約」という証券取引の定義の一つに該当するかどうかを判定するテスト。SECのW. J. Howey社に対する訴訟事件に由来する。これ自体には法的拘束力はないが、SECはこのテストをもとに複数のICO(トークン販売)に対してリーガルアクションを起こした経緯がある。
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「明確なガイドラインが必要」との意見も
法律事務所Seward&Kisselのフィリップ・ムスタキス弁護士は、この訴訟について次のようにコメントした。
トークンが証券であるかどうかを判断するテストは存在しているものの、実際の分析は状況によって異なり、評価者が重視する点や見方によっても、判断結果が違ってくる可能性がある。
ムスタキス氏は、米証券取引委員会(SEC)が基準を明確にしていないことも背景にあるとして、次のように述べている。
SECがトークン発行者、仮想通貨レンディング商品、仮想通貨取引所などに対して、さらなるガイダンスと法的遵守への道筋を示さない限り、ある仮想通貨や関連取引が証券に該当するかについて、個別に訴訟が起きてしまうだろう。
あるトークンが証券にあたるか否かという問題は、SECがリップル(XRP)を有価証券であるとして訴えている事例も含め、以前から提起されてきた。これについて、判断は困難だとする意見は、SEC内部からも挙がっている。
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仮想通貨支持派として知られるSECのヘスター・パース委員は、ある資産が「投資契約」に当たるかどうかは非常に自由に解釈できてしまうため、当局がより明確なガイドラインを提示する必要があると指摘している。
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