はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

SEC理事Hester Peirce氏、リップル訴訟後の初コメント──米国規制と有価証券問題について

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

米国政府内で認識の違い

米国証券取引委員会(SEC)で暗号資産(仮想通貨)擁護派の「クリプト・ママ」として知られるHester Peirceコミッショナーが、SECの規制についてインタビューで異議を唱えた。

このForkast.Newsのインタビューは、SECがリップル社を提訴して以来、Peirce氏が公的な場で行う初めての発言となる。

Peirce氏は、現在進行中の訴訟を考慮してリップル社の件について具体的にコメントすることは避けたが、規制のあり方について意見を述べた。

また、今回のPeirce氏の発言はSECの公式の見解やその他コミッショナーの意見を代弁するものでもなく、あくまでPeirce氏自身の個人的な見解である点は留意しておきたい。

SECは、リップル社のXRPを未登録有価証券とみなし、この売却を通じて13億ドル(約1350億円)以上の資金を調達したとの疑惑で訴訟を起こしている。

「明確なガイドラインが必要」

Peirce氏は、それぞれの政府機関が別個のルールに従っている現状に触れ、明確な規制が必要であるとして次のように述べた。

デジタル資産だけでなく「投資契約」と呼ばれる非常に解釈が自由にできてしまうものに関わる広範な問題だと考えている。

「投資契約」は、おおまかにいえば企業に金銭を投資し、投資家がその企業の仕事によって利益が得られることを合理的に期待すること。SECはハウェイテスト(Howey Test)によって、有価証券に当てはまるかどうかを定義している。

Peirceによると、「投資契約」とは、証券のような側面を持ち、側面のように動作するものの、株式や債券の定義には当てはまらないようなものを捉えるために設計されている。そこで、ある別の政府機関が証券ではないと認識しても、SECが証券と判断するようなことが起きてしまうという。

現在の状況では、何かが証券であるか否かを判断することは困難であり、より明確なガイドラインが必要だとPeirce氏は述べた。基準が曖昧であるため有価証券であることの判断は恣意的になってしまうという以前からの指摘を繰り返した格好だ。

関連:仮想通貨が「証券」に該当するかを判定するHowey(ハウェイ)テストとは

「法的執行措置は正しい方法ではない」

リップル社CEOのGarlinghouse氏は、Twitter上で訴訟について解説、SECとの和解の可能性についても言及した。

「SECと和解しないのか?」という質問について「現時点では具体的な明言はできないがXRPコミュニティが引き続き革新性を追い求められるような、また消費者が保護され、秩序のある市場が確保されるような方法で、この件を解決できるように、バイデン新政権にも働きかけるつもりだ」と説明している。

Peirce氏は和解については「SECの訴訟が和解で終わるケースも多いが、時には訴訟が実際に法廷で展開されることもある」とコメントした。

またPeirce氏は「法的施行措置は明確な態度を示す方法の一つだが、それは私の観点からは正しい方法ではない」 「事前に明確なガイドラインを提供したい。そうすれば、人々は合法であるように何かをする方法を理解することができる」とも話した。

SECが有価証券についての明確な基準を示すことなく、突然法的な措置に訴えたことへ間接的に批判を示していることも窺わせる。

また、2021年の仮想通貨規制の方向性については、バイデン大統領の下で誰が長官に選ばれるかに大きく依存するとした。

今後の訴訟スケジュール

リップル社訴訟のスケジュールは、まず2月22日に裁判の前段階となる審理前会議が行われることが決定している。SECとリップル社は2月15日までに、「原告および被告の事実および法的根拠を含む事件の簡単な説明」、「考えられる動議」、「和解への見通し」を含む書類を提出する見込みだ。

関連:米証券取引委員会のRipple訴訟、審理前会議を2月22日開催へ

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
03/29 土曜日
13:45
イーサリアム創設者ヴィタリック、L2セキュリティの進化と「2-of-3」証明システムを提案
ヴィタリック・ブテリン氏が新たなブログで、L2セキュリティの現状と将来展望を公開。ブロブスペース拡張、ZK・OP・TEEを組み合わせた「2-of-3」証明システム、証明集約レイヤーの必要性について詳細に解説。
12:55
南カロライナ州で新たにビットコイン準備金法案提出 対コインベース訴訟取り下げも
米国サウスカロライナ州が、コインベースへのステーキング関連訴訟を取り下げた。また同日には州がビットコインなど仮想通貨の準備金を持てるようにする法案が提出されている。
10:45
ブラックロックのビットコインETFを保有、トランプ大統領の息子が顧問の米上場企業
米ドミナリ・ホールディングス社がビットコイン保有戦略を開始し、ブラックロックのETFを購入。機関投資家の仮想通貨投資最新動向は。
10:00
欧州保険・年金機構(EIOPA)、保険会社が仮想通貨を100%裏付ける義務提案
EIOPAが保険会社の仮想通貨保有に100%の資本要件を提案。高リスクに対応するためとしている。欧州では特にルクセンブルクで保険会社の仮想通貨エクスポージャーが確認されている。 。
09:30
SEC、イーロン率いる政府効率化省(DOGE)と連携開始
米証券取引委員会(SEC)がイーロン・マスク氏の政府効率化省(DOGE)との連携を開始。トランプ政権下での規制機関改革と仮想通貨政策転換の最新動向を解説。
08:30
ビットコイン80万円下落、BTCメジャーSQ通過で需給悪化|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは前日比で一時80万円の下落となった。アルトコイン市場も、ビットコインの急落に連動するかたちでほぼ全面安の展開となった。
07:45
トランプ大統領、仮想通貨取引所BitMEXの共同創設者3名に恩赦
トランプ大統領は、アーサー・ヘイズ氏ら仮想通貨取引所BitMEXの3名の共同創設者に恩赦を与えたことがわかった。同氏らは、意図的にマネーロンダリング対策を導入せず銀行秘密法に違反したと告発されていた。
07:15
アバランチ現物ETF、米グレースケールも申請
VanEckの後に申請 米ナスダックは3月27日、グレースケールのアバランチ(AVAX)現物ETFに関する19b-4申請書を米証券取引委員会(SEC)に提出した。この申請は、既…
07:02
ブラジル政府高官「ビットコイン準備金は国の繁栄に不可欠」
ブラジル副大統領首席補佐官がビットコインを「デジタルゴールド」と評価し、国際準備金の5%をビットコインに投資する法案を支持する。
06:40
イーロン・マスク氏、人工知能開発のXAIがX社を買収と発表 企業価値16兆円超の巨大統合に
イーロン・マスク氏が率いるAI企業XAIが旧ツイッター社X社を全株式交換で買収。XAIを800億ドル、X社を330億ドルと評価する統合により、AIとソーシャルメディアの融合を目指す。
06:15
Bybitハッカー、40億円相当のイーサリアムを売却 ETH価格は前日比6%安
Bybitハッキング犯による40億規模のイーサリアム大量売却が仮想通貨に影響。ETHが前日比-6.3%。
03/28 金曜日
13:15
イーサリアム「ペクトラ」の実装日が4月30日と仮決定、次期「フサカ」の動向は?
カオスつうかイーサリアムのコア開発者ティム・ベイコ氏が「ペクトラ」アップグレードの実装日を4月30日と仮決定。次期開発に関しても進捗が確認された。
11:30
米司法省、ハマス関連の仮想通貨約3000万円を押収 資金調達を阻止
米司法省が、イスラム系組織ハマスからUSDTなどの仮想通貨を20万ドル相当押収した。ハマスは仮想通貨による寄付募集やマネロンを行っていたとみられる。
10:50
リップル社、アフリカの決済企業Chipper Cashと提携
リップル社は、アフリカの決済企業Chipper Cashとパートナーシップを締結。仮想通貨を活用するリップルペイメントを導入し、アフリカにおける国際送金の速さやコスト効率を向上させる。
10:45
トランプ指名のアトキンス氏が仮想通貨規制方針示す SEC委員長指名公聴会で
米上院銀行委員会が、次期SEC委員長候補ポール・アトキンス氏の公聴会を開催した。ウォーレン議員が利益相反の可能性を追及した他、仮想通貨関連の議題も俎上に上った。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧