続くETFの延期
米SEC(証券取引委員会)は先週、申請中の2つの暗号資産(仮想通貨)ビットコイン上場投資信託(ETF)に対して、可否判断を延期したことが明らかになった。
対象となるのは、WisdomTree社(2度目申請)とOne River社が申請する現物ビットコインETFで、それぞれで3月15日と4月3日へと延期されている。
これまでSECは現物ビットコインETFをすべて延期、または非承認してきた。直近では3月10日に、NYDIGおよびGlobal Xの2社の現物ビットコインETF申請で非承認の判断を下した事例がある。
一方、ビットコイン先物ETFについては複数承認した事例がある。現在、ValkyrieやProShares、VanEckの提供するビットコイン先物ETFが取引されている。しかし例外もあり、SECは1月下旬に、「ARK 21Shares Bitcoin Futures Strategy ETF」と「Teucrium Bitcoin Futures Fund」という2つのビットコイン先物ETFの判断については4月3日と4月8日へと延期した動きがあった。
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SECのGensler委員長の現物ビットコインETFに対する不信感は業界や有識者から反発を買っている。今後SECの判断を左右しうる可能性としては、先日米バイデン大統領が署名した仮想通貨に関する大統領令(行政命令)による影響だと見られる。
「デジタル資産の責任ある発展の実現」を掲げるこの大統領令はデジタル資産の台頭がグローバルな金融システムや技術の開発において、米国がリーダーシップをとるチャンスになると主張しがらも、消費者保護や金融安定性の確保に対応を行うべきだとして、各省庁にリスクやイノベーション促進に関する報告書の作成を命じている。長い間、「消費者保護」を理由に現物ビットコインETFの非承認を貫いてきたSECのGensler委員長が今後どのようにイノベーション促進と市場安定性における調和を見出すか注目されるポイントになる。
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