元イーサリアム開発者に5年超の実刑判決、北朝鮮に仮想通貨技術を供与

北朝鮮の制裁回避を支援

米ニューヨーク南部地区連邦地方裁判所は12日、元イーサリアム財団研究員のヴァージル・グリフィス被告に、63カ月の禁錮刑と約1,300万円(10万ドル)の罰金を下した。

グリフィス被告は2019年11月、北朝鮮の首都ピョンヤン(平壌)で開催されたブロックチェーン会議で、暗号資産(仮想通貨)とブロックチェーン技術に関する講演を行い、米国の制裁法に違反したとして連邦捜査局(FBI)により逮捕された。

検察側は、グリフィス被告は自身の提供する「高度な技術情報」が、マネーロンダリングや制裁回避に利用される可能性があると知りつつも、北朝鮮当局に情報を供与したと主張。最高20年の禁錮刑となる「国際緊急経済権限法」違反に相当するとして同被告を起訴していた。

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グリフィス被告は2021年9月、連邦検察との司法取引に応じ、反省の意を表し有罪を認めた。最大6年半の禁固刑の可能性があったが、今回の判決では5年3ヶ月の懲役が下された。

グリフィス被告は2008年にニューヨーク・タイムズ誌で、「カルト・ハッカー」と評された人物。同被告は判決を前に以下のように述べている。

ウクライナへの制裁を見ていて、その価値がよくわかった。自身の頑なな傲慢さ、そして北朝鮮への執着が治癒したと思う。私のキャリアは損なわれてしまった。大変申し訳なかった。

なお、同被告が保有する仮想通貨価格の急上昇が、逃亡の手段と動機を与えるとして、保釈が取り消され、グリフィス被告は昨年7月から連邦政府に拘束されていた。

北朝鮮による制裁回避と兵器開発

北朝鮮は、ハッキングで不正に取得した資金を核開発プログラムに転用していることが、これまでにも繰り返し国連から報告されてきた。

ハッキングとは

ハッキングとは、コンピュータやネットワークに精通する者がシステムの改良・構築を行うこと。ネットワークに不正アクセスし、攻撃を加えるという意味でもしばしば使用される。

▶️仮想通貨用語集

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国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会は今月、年次報告書で仮想通貨取引所へのサイバー攻撃が、同国の重要な収入源となっていると指摘。2020年から2021年半ばにかけて、北朝鮮が北米、欧州、アジアを拠点とする少なくとも3つの仮想通貨取引所から約61億円(5,000万ドル)以上を盗んだとしている。

北朝鮮制裁委員会は、北朝鮮が米国などの経済制裁を回避して、核を搭載した弾道ミサイルなどの兵器開発を継続していると報告。サイバー攻撃や共同研究といった手段を通じて、海外から開発のための原料や技術、ノウハウを手に入れようとしていたと指摘した。

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