はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

払拭されぬインフレ懸念、ビットコインは引き続き方向感を欠く可能性 仮想通貨・週次市況(bitbank寄稿)

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

今週(9日〜15日)の仮想通貨相場

今週のビットコイン市場は軟調な展開となった。週初めは41,000ドル付近を推移するも、週央以降は価格を下げ40,000ドルを割り込む場面も多々見られた。


目次
  1. 各市場の騰落率
  2. bitbank寄稿

4月9日〜15日のBTCチャート

Tradingview

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

4月9日〜15日レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円相場は上値の重い展開。対ドルでは、心理的節目の4万ドル(≒506万円)割れを試す展開となっている。

週明けからシカゴマーケンタイル取引所(CME)のBTC先物主導で540万円から20万円ほど押したBTCの対円は、その後、ウクライナ東部でのロシア軍による大規模攻撃が再開される可能性があるとの同国軍報道官の発表で更に上値を重くすると、ハト派として知られるシカゴ地区連銀のエバンス総裁が、「50bp利上げの可能性がある」と発言したことで、一時500万円をも割り込んだ。

週央からの相場は、Coinbaseの新規アルトコイン4銘柄上場による「Coinbase効果」と、米インフレ指標の上振れに原油価格の反発でインフレヘッジが意識されたか底堅く推移したものの、先週に引き続きブレイナード米連邦準備制度理事会(FRB)理事からのタカ派発言や、NY地区連銀のウィリアムス総裁からも50ベーシスポイント(bp)利上げが「適切なオプションである」との発言があり、上値を抑えられている。

【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】出所:bitbank.ccより作成

やはりウクライナショックの影響を受けて米物価指数は上振れた。しかし、これを見越したかのように米中銀当局者から相次ぐ政策引き締め加速意向が表明され、「インフレ懸念」と「政策引き締め加速懸念」の狭間で、BTC相場は方向感に欠ける展開を繰り広げる格好となった。

しかし、先週からこれだけ非公式なフォワードガイダンスがあったにも関わらず、市場が織り込む向こう数年の期待インフレ率は低下することなく、今週も高水準で横ばいの推移を続けており、インフレ懸念は払拭されていないと言える。

来週は、21日(木)午前3時に米地区連銀経済報告書(ベージュブック)公開、22日(金)午前2時から国際通貨基金(IMF)でのパウエルFRB議長発言がある。ベージュブックでは、各地区での物価上昇が指摘される見通しだが、パウエル議長も政策引き締めについて言及する可能性があり、BTC相場は引き続き方向感に欠ける展開が続く可能性も視野に入る。

来週を無事に通過すれば、5月米連邦公開市場委員会(FOMC)前のメディア・ブラックアウト期間に入るため、会合(5月3〜4日)まで追加でタカ派サプライズが出る可能性が低くなる。ただ、50bp利上げが決定されることは濃厚と言えるが、バランスシートの縮小が決定されるか否かを巡り不透明感は強く、いずれにせよ今月の相場上値余地は限定的か。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:bitbank_markets公式サイト

前回のレポート:ビットコイン反落で4.5万ドル水準割り込む、 足元では売り一巡サインも

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
09/17 水曜日
18:00
日本でステーブルコイン普及のハードルと可能性は?|WebX2025トークセッション
WebX2025で日本円建てステーブルコインの普及をめぐるパネルセッションが開催された。専門家がステーブルコインの課題やユースケース創出をめぐって徹底議論した。
17:43
メタプラネット、「Bitcoin.jp」ドメインを取得 「ビットコインジャパン」も設立
メタプラネットは「Bitcoin.jp」を戦略的に取得し、新会社を設立。国内ビットコイン事業の拡大と収益基盤強化を目指す。
15:15
ビットコイン・スタンダード著者、アルゼンチン・ミレイ政権の経済政策を「ポンジスキーム」と指摘
ビットコイン・スタンダード著者のサファディーン・アモス氏が、アルゼンチンのミレイ政権の経済政策を「国家規模のポンジスキーム」と痛烈に批判。キャリートレードによる金融システムの崩壊リスクと、自由主義政策の矛盾を解説した。
13:30
11年間休眠のビットコインクジラが1000BTC移動、170億円相当
11年以上休眠していたビットコインクジラが17日朝、1000BTCを4つの新しいアドレスに移動したことがオンチェーンデータで判明した。
11:40
コインベース、銀行の「預金流出」懸念を否定 ステーブルコイン規制めぐり反論
米仮想通貨取引所大手コインベースが銀行業界のステーブルコイン規制変更要求に対し、預金流出は根拠のない神話だとする反論文書を発表した。
10:45
米ビットコイン法案承認に向けた円卓会議、セイラー会長らが出席
米連邦議会でビットコイン法案の円卓会議が開催され、ストラテジーのマイケル・セイラー氏らが出席。この法案では米政府が合計で仮想通貨ビットコインを100万BTC購入することなどが提案されている。
10:02
米国と英国、仮想通貨市場などで連携強化を協議=報道
ベッセント米財務長官、リーブス英財務相が仮想通貨分野での連携強化を協議した。リップル社なども出席した会合で、英米テックブリッジ関連で話し合いが行われた。
09:40
バイナンス、米司法省との監視官解除交渉が進行中=報道 
世界最大の仮想通貨取引所バイナンスが43億ドルの和解合意で課された外部監視官の要件が解除される可能性について米司法省と協議していることが報じられた。BNBが上昇。
08:40
サークル、ハイパーリキッド上でUSDC展開へ HYPE投資も実施
大手ステーブルコイン発行企業のサークルがデリバティブ取引DEX最大手のハイパーリキッドでUSDCのネイティブサポートを開始すると発表した。
08:10
米SECの仮想通貨ETFの新たな上場基準、10月にも適用開始か
Bitwiseの最高投資責任者は、米SECの仮想通貨ETF上場の汎用的なルールが10月にも適用される可能性があると分析。それによって多くの仮想通貨ETFが誕生する可能性があると述べた。
07:55
イーサリアム、DAT企業からの恩恵で優位性維持か スタンダードチャータード分析
スタンダードチャータード銀行のジェフリー・ケンドリック氏が、デジタル資産トレジャリー企業の台頭においてイーサリアムがビットコインやソラナより有利になると分析した背景と、mNAV低下による業界への影響について解説。
07:00
NYSE上場のクリーンコア、1億ドージコインを追加取得し総保有量6億DOGEを突破
NYSE American上場企業のクリーンコアソリューションズが16日に1億枚のドージコインを追加取得し、公式ドージコイン・トレジャリーの総保有量が6億枚を超えたと発表した。
06:25
米国でXRPとドージコインETFが今週上場予定か、専門家の見解は
米国でXRPとドージコインのETFが今週木曜日に上場予定と報じられた。1940年投資会社法を活用した新しい仕組みで、ケイマン諸島子会社を通じた投資構造を採用。
05:55
トム・リー予測、FRB利下げでビットコインとイーサリアムが3ヶ月以内に大幅上昇か
ETHトレジャリー企業ビットマインの会長でもあるトム・リー氏がCNBCで、FRBの利下げによりビットコインとイーサリアムが今後3ヶ月で大幅な上昇を見せる可能性があると予測した背景と根拠を詳しく解説。
05:30
グーグル、AI決済でステーブルコイン対応
グーグルが16日に発表した新しいAI決済プロトコルは、ステーブルコイン対応を含む機能でAIエージェント間の自動決済を可能にする。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧