OperaのCrypto Browserプロジェクト
ウェブブラウザーOperaは先週、暗号遺産(仮想通貨)ウォレット組み込み型のWeb3専用ブラウザー「Opera Crypto Browser(β)」のiOS版をリリースした。
Crypto Browserは今年1月にPC、Mac、およびスマートフォン(Android)で利用可能なベータ版としてリリースされた。ブロックチェーンゲーム、DeFi(分散型金融)、NFT(非代替性トークン)マーケットプレイスなどのdApps(分散型アプリ)のユーザーエクスペリエンスを簡素化するために工夫されている。
Operaに内蔵されたノンカストディアル型の暗号遺産(仮想通貨)ウォレットは、現在のところイーサリアム(ETH)、ポリゴン(MATIC)、セロ(Celo)ブロックチェーンをサポートしている。また、Metamask、Coinbase、Binance等の外部ウォレットを追加することも可能。ユーザーは上記ブロックチェーンの分散型アプリにアクセスすることが可能になっている。
OperaはWebブラウザ構築で25年の経験を誇り、そのセキュリティ性はCrypto Browserにも引き継がれている。広告・追跡ブロッカーや、コピー&ペースト時にウォレットアドレスをすり替える「クリップボード・ハイジャック」向けの監視機能が標準搭載されており、無料のログなしのビルトインVPNサービスも利用できる。また、ウェブページに仮想通貨のマイニングスクリプトを埋め込み、デバイスのリソースを不正に使用する「クリプトジャッキング」向けのブロック機能も搭載されている。
関連:バンダイナムコ、Web3.0やメタバース等の企業に出資へ 30億円規模のファンドを設立
ロードマップ
Crypto Browserのホーム画面に設置された「Crypto Corner」では、ニュース、エアドロップ、業界イベントカレンダー、NFT、コミュニティ、教育コンテンツ、ポッドキャスト、動画、価格動向、ガス代の推移、市場センチメントといった関連情報が網羅されている。サイドバーには、Twitter、Telegram、Whatsappが統合されているため、Web3を運営するDAO(分散型組織)や仮想通貨コミュニティへの連絡チャネルにアクセスしやすい。
ロードマップによると、Opera Crypto Browserは今後数か月以内にブラウザの正式なリリースとオープンソース化が予定されている。内臓型ウォレットは、2022年上半期中にも、ソラナ(SOL)、ニア(NEAR)、コスモス(ATOM)、レイヤー2などのネットワークを統合する予定としている。
Operaは今年3月、ユーザー数が8,000万(2020年第4四半期時点)を超えているアンドロイド版アプリで、以下9つのブロックチェーンへの対応を開始していた。ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)、ポリゴン(MATIC)、StarkEx(レイヤー2)、Ronin、Celo、Nervos、IXO(コスモス基盤)。
関連:Operaブラウザー、ソラナやポリゴンなど8つのブロックチェーンに対応