はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

オーストラリアで仮想通貨規制の発表相次ぐ、政策ロードマップと犯罪防止ガイドライン

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

金融機関による仮想通貨リスク管理

オーストラリア健全性規制庁(APRA)は21日、暗号資産(仮想通貨)に関するリスク管理目標と2025年までの政策ロードマップを発表した。

APRAはオーストラリアの金融規制当局で、その監督範囲は銀行だけではなく保険業界、信用組合、年金基金にも及び、対象機関に健全性基準を遵守するよう義務付ける権限を持っている。

APRAは今後、豪州で仮想通貨活動の規模が拡大すると予想しており、リスク管理が重要になると見込んでいる。予想されるリスクとして、オペレーショナルリスク、投資リスク、信用リスクがあると指摘。中でも、オペレーショナルリスクには詐欺、サイバー、行動、資金洗浄・テロ資金供与、技術に関するリスクが含まれるとして、特に重要視しているようだ。

APRAは規制対象機関に対し、書簡で以下のような対策を求めている。

  • 適切なデューデリジェンスと包括的なリスク評価を行う
  • リスクを理解し、軽減措置を講じる
  • 第三者に仮想通貨関連活動を依頼する場合、プルデンシャル基準およびアウトソーシングの要件に配慮する
  • 強固なリスク管理統制の適用

政策のロードマップ

APRAは仮想通貨規制のアプローチに一貫性を持たせるため、国際的な規制当局との協議を予定しているという。

公認預金受入機関(ADI)による仮想通貨活動に関しては、国際決済銀行(BIS)のバーゼル委員会が、銀行による健全な仮想通貨の取り扱いに関して協議中であり、APRAはその決定に従うという。オーストラリアでの協議は2023年に予定されている。

オペレーショナルリスクに関しては、2022年半ばにプルデンシャル基準の草案を発表する予定。

APRAはステーブルコインの規制アプローチについて、改めて言及している。ステーブルコインに関する取り決めはプリペイド機能(Stored-Value Facility: SVF)と類似している部分が大きいため、APRAは金融規制協議会(CFR)の機関と共同で、規制の枠組みを開発しており、2023年にSVFに関するプルデンシャル要件協議を行う予定だという。

APRAは2024年にはオペレーショナルリスク基準の発効、2025年に仮想通貨要件とSVF基準の発効を目指していると明らかにした。

APRAは、今後も仮想通貨業界の動向や新たなリスクを注意深く監視し、国内外のの規制当局と連携し、必要に応じてガイダンスを提供していくと書簡を結んでいる。

規制の明確化

オーストラリアでは、昨年来、仮想通貨規制の明確化に本腰を入れる動きが見られる。昨年12月にジョシュ・フライデンバーグ財務大臣が「包括的な決済と仮想通貨の改革計画」を発表。さらに今年3月には財務省が、仮想通貨サービス事業者に対するライセンス制度およびカストディ要件に関する諮問文書を発表した。

財務省は投資家や消費者にサービスを提供している、取引所やディーラー、ブローカーなどの「仮想通貨二次サービスプロバイダー」(CASSPrs)を「最も適切な規制対象」としている。

関連:豪政府、仮想通貨規制の明確化に本腰

金融犯罪防止のガイドライン

オーストラリア金融取引報告・分析センター(AUSTRAC)も同日、「デジタル通貨の犯罪利用を防止する」と題し、仮想通貨を利用した金融犯罪防止に対するガイドラインを発表した。

AUSTRACは豪連邦政府の金融情報監視機関で、マネーロンダリング及びテロ資金供与防止の規制責任を負う。

AUSTRACは、様々な金融活動で仮想通貨の利用が広まったことで、犯罪者にも利用されるようになる一方、取引データが公開されているため、仮想通貨を使用した「犯罪を特定し、ターゲットを定め、行為を中断させる」チャンスも生まれていると指摘。

ガイドラインでは、マネーロンダリング、闇市場での違法製品の売買、テロ資金供与、詐欺、脱税、ランサムウェアなどについて、それぞれの手口やケーススタディなどを解説した。また一般的な犯罪者の行動や金融行為の特徴、及び犯罪の種類別に不正行為を見極める指標などについても説明されている。

AUSTRACは、金融サービスを提供する事業者に対し、マネーロンダリング及びテロ資金供与対策プログラムの一環として、適切なリスクベースのシステムと管理体制の導入を呼びかけている。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/02 火曜日
18:36
AIがスマートコントラクト脆弱性6億9000万円分を発見 防御活用にも期待=レポート
Anthropicの研究で、AIエージェントがスマートコントラクト脆弱性6億9000万円分を発見。2025年3月以降の34件で460万ドル相当の攻撃に成功し、新たに2件のゼロデイ脆弱性も発見。攻撃収益は1.3カ月ごとに倍増しており、防御活用が急務に。
17:42
FRBが3年半にわたる量的引き締め(QT)終了、仮想通貨市場に流動性改善の可能性
米FRBが12月1日、3年半にわたる量的引き締め(QT)を終了した。約2.4兆ドル規模の資産縮小後、仮想通貨市場への流動性改善が期待される。2019年QT終了時はビットコインが短期下落後に上昇した経緯があるが、専門家は政策効果の遅延やインフレ動向など不確実性に慎重な見方も示している。
16:04
走行映像でGARコインを還元 ドラレコアプリ「セトラス」が地方創生DXモデルを始動
セトラスが市民のドラレコ映像を行政業務に活用し、専用暗号通貨「GARコイン」で報酬を還元する地方創生モデルを発表。実証実験に参加する自治体を3枠限定で募集している。
13:55
コインベースへの情報開示請求が過去最多の1.2万件、欧米で協力要請急増 実態判明
コインベースが2025年透明性レポートを公開し、60カ国以上から12,716件の情報開示請求を受領し、前年比19%増加となったと報告した。米国の件数がトップだが、米国外からの請求は53%を占め前年比2%増加した。
13:15
米FDIC、ステーブルコイン規制「ジーニアス法」運用規則案を12月下旬に公表予定
米FDIC代行議長がステーブルコイン規制「ジーニアス法」の運用規則案を今月に公表する予定だと表明。トークン化預金や仮想通貨業界のデバンキング問題についても対処を説明した。
12:29
カルシ、ソラナ上で予測市場トークン化を開始 仮想通貨の流動性取り込みへ
米予測市場カルシがソラナ上で予測市場契約のトークン化を開始。オンチェーン取引により匿名性が向上し、開発者のサードパーティ構築も可能に。評価額110億ドル、約3500市場を運営する同社は仮想通貨ユーザーの流動性獲得を目指す。
11:00
米トランプ政権の仮想通貨特命官サックス氏、利益相反報道を否定
米トランプ政権のAI・仮想通貨特命官デビッド・サックス氏がNYタイムズの利益相反報道を否定した。名誉毀損専門の法律事務所に対応を依頼し、倫理規定遵守を主張している。
10:40
ゴールドマンがイノベーター買収、ビットコイン連動ETFも取得で仮想通貨事業拡大
ゴールドマン・サックスがETF大手イノベーターを20億ドルで買収すると発表した。買収にはビットコイン連動ファンドQBFも含まれ、ゴールドマンの仮想通貨関連商品ラインアップが拡大。
10:14
リップル、シンガポールでライセンス範囲拡大 XRPとRLUSDによる決済事業を強化
リップルがシンガポール金融管理局から主要決済機関ライセンスの拡大承認を取得。XRPとRLUSDを活用した決済サービスを強化。アジア太平洋地域のオンチェーン活動は前年比70%増で、同地域での事業拡大を加速。
10:02
ビットコイン100万円幅急落、yETH流出事故で大規模清算|仮想NISHI
ビットコインは軟調な推移が続いている。1日には一時8万5,000ドルを割り込み、日本円ベースでも24時間比で100万円超の下落となった。背景には、イーサリアムが「フサカ・アップデート」を目前に控えロングポジションが積み上がる一方、Yearn FinanceでyETHの流出事故が発生し、ロングポジションの清算が連鎖したことがある。
09:20
リミックスポイント、12億円規模のWeb3関連事業投資を中止へ
リミックスポイントは、事前に予定していた12億円規模のWeb3関連事業投資の中止を決定。仮想通貨ビットコイン購入以外の調達資金使途を変更した。
08:40
ハッキング被害から3.7億円相当回収、ヤーン・ファイナンス
ヤーン・ファイナンスがyETH関連のハッキングで盗まれた資産のうち約240万ドル相当を回収した。回収作業は継続中で被害者への返還を予定している。
07:35
mNAV1倍割れでも「最後の手段」に、ストラテジーがビットコイン清算条件を明示
ストラテジー社のフォンレCEOがビットコイン売却の具体的条件を初めて明言した。株価が保有資産を下回り資金調達が不可能になれば売却も選択肢の1つとなる。
07:05
ストラテジー、約2240億円の米ドル準備金を確保
ストラテジー社は、優先株の配当と負債の利子の支払いのために約2,240億円の米ドル準備金を確保したことを発表。目的を説明し、仮想通貨ビットコインの買い増しも報告した。
07:00
チェーンリンク初のETF、NY証券取引所に上場予定
仮想通貨チェーンリンク(LINK)に投資する上場投資信託(ETF)が12月3日にニューヨーク証券取引所で取引を開始予定。NYSEアーカがグレースケール・チェーンリンク・トラストETFの上場を認証した。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧