はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

欧州中銀理事、仮想通貨の規制強化に世界レベルの協調を要請  P2P決済も対象に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

デジタルゴールドラッシュ

欧州中央銀行(ECB)のファビオ・パネッタ(Fabio Panetta)専務理事は25日、暗号資産(仮想通貨)について米コロンビア大学で講演。現在の仮想通貨市場の隆盛を「貪欲と無法」に満ちた米国の西部開拓時代になぞらえ、厳しく批判した。

仮想通貨は、世界的な金融危機の中、銀行に対する不信感の高まりと技術革新が相まって生まれた「デジタルゴールドラッシュという新しい夢」であると、パネッタ氏は評している。

西部開拓時代、米国の一部の州では新たな銀行法により、銀行開設要件が緩和された結果、「疑わしい資産」を裏付けに独自の銀行券を発行する、いわゆる「山猫銀行」が出現した。その多くが債務不履行に陥り、銀行に対する信頼が損なわれたという歴史に同氏は言及した。

またパネッタ氏は、「仮想通貨市場の規模は今や、世界金融危機の引き金となったサブプライムローン市場(166兆円≑1.3兆ドル)を凌いでいる」と指摘。

規模だけでなくそのダイナミクスも非常に類似しているため、同じ過ちを繰り返さないためにも、明確な規制の枠組みの中でのみ、仮想通貨は使用されるべきだと主張した。

加えて「社会に大きな損害をもたらす可能性のある投機的資産」に対しては、グローバルレベルで協調した規制措置が必要だと訴えた。

関連: ECB執行委員、「ビットコイン型資産」により厳しいアプローチを求める

規制で重視すべき点

パネッタ氏は仮想通貨に対する規制整備の上で特に重要な点として、次の四つを取り上げた。

1. 他の金融システムと同基準で管理する

  • 金融活動作業部会(FATF)が定めた基準に基づき、マネーロンダリングやテロ資金供与を防止
  • P2P(ピアツーピア)送金もその範囲に含めることを目指す

P2P

P2P とは、専用のサーバーを介せず、接続されたコンピューター同士がコミュニケーションするネットワーク形態のこと。

▶️仮想通貨用語集

2. 仮想通貨への適切な課税方法を検討する

  • 仮想通貨のグローバルな性質を考慮し、法域を超えた整合性を目指す
  • 一定の閾値以上の取引に報告義務を導入=経済協力開発機構(OECD)の提案
  • 環境への配慮から、PoWベースの仮想通貨などに、さらなる課税の可能性も

3. 情報公開と規制当局への報告義務を強化

  • ステーブルコインの準備資産の開示方法を改善する
  • 金融機関に対する強制的な開示要件の導入

4. 投資家保護対策の導入

  • 厳格な透明性の要件を仮想通貨運用企業に課し、行動基準を定める

さらなる規制が必要

パネッタ氏は、暗号資産市場規制(MiCA)の制定などにより、欧州は仮想通貨規制で先導的な役割を担っていると認識する一方で、現在の欧州の規制措置は十分ではないと考えているようだ。サービスプロバイダーを介さない活動にも焦点を当てる必要があると、次のように述べている。

オンチェーンでのピアツーピア決済は、あらゆる規制を回避するために利用される可能性があるため、規制されないままにしておくわけにはいかない。

しかし、同氏は国際協調なしにECBの対策は効果を発揮しないとして、仮想通貨から生じるリスクに対処するため、グローバルな政策フォーラムの創設を呼びかけた。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/11 木曜日
18:32
NYSE、サトシ・ナカモト像を設置 ウォール街の変化示す
ニューヨーク証券取引所がビットコイン創始者サトシ・ナカモトの像を設置。設置者のトゥエンティワン・キャピタルは約4万BTC保有で世界3位。伝統的金融が仮想通貨を受け入れる象徴的出来事に。
17:56
テザーとHoneyCoinが提携、アフリカでUSDT決済を拡大
テザーはHoneyCoinと戦略的提携を発表し、アフリカでのUSDT決済拡大を目指す。HoneyCoinはQRコードや専用端末に対応したPOSネットワークを導入し、加盟店が直接USDTを受け取れる仕組みを構築。まずケニアでサービスを開始し、他市場へ展開予定。現地通貨の変動リスクを避けたいユーザーの需要に応え、アフリカにおけるステーブルコイン普及を加速させる。
17:15
コインチェックがソラナ(SOL)の取扱いを開始
コインチェックがソラナ(SOL)の取扱いを開始。販売所・取引所・つみたてに対応し、1万円購入で抽選1万円分のSOLが当たるキャンペーンも実施中。
16:47
ブータン都市GMC、金裏付けトークン「TER」発行へ ソラナ活用
ブータンの特別都市GMCが、金を裏付け資産とする国家支援型トークン「TER」をソラナ基盤で発行。DK Bankが販売・保管を担い、同国のデジタル経済戦略を加速させる取り組みとなる。
16:33
仮想通貨取引所ジェミニ、CFTC承認で予測市場参入へ
仮想通貨取引所ジェミニがCFTCから予測市場運営の承認を取得。関連会社ジェミニ・タイタンを通じて二者択一式イベント契約を提供する。カルシとポリマーケットが急成長する予測市場で、競争が激化している。
14:58
仮想通貨業界トップ、米CFTC新設諮問会議に参加へ
米CFTCが「CEOイノベーション評議会」を設立し、クラーケンやジェミナイなど仮想通貨業界トップが参加。デリバティブ市場の構造変化やトークン化について議論。仮想通貨担保のパイロットプログラムも開始。
14:06
レイヤーゼロ(ZRO)とは?スターゲートの使い方・バイバックの仕組みを解説
レイヤーゼロ(LayerZero)の仕組みやZROトークンのバイバック、スターゲートを使ったブリッジ方法を初心者向けに解説。Stargate買収の背景やリスクまでわかりやすく紹介します。
12:05
イーロンのスペースX、146億円相当のビットコイン移動 IPO関連か?
イーロン・マスク氏率いるスペースXが約146億円相当のビットコインを移動した。10月から毎週大規模な送金を継続しており、IPO計画との関連が注目されている。
11:49
トム・リー氏、「イーサリアムは既に底打ち」 先週690億円相当を購入
ビットマイン会長トム·リー氏が、イーサリアムは既に底入れしたと発言。同社は先週、約4億6,000万ドル相当のETHを購入し、10月以来最大規模の買い増しを実施。今後10~15年間、ビットコインよりもイーサリアムの将来性に期待を寄せている。
11:49
FRBの慎重姿勢でビットコイン反落 2026年の利下げは限定的か
FRBは25bpの利下げを決定したが、パウエル議長の慎重姿勢を受けビットコインは下落した。2026年の追加利下げは1回との見方が広がる中、グラスノードのデータは実現損失が1日5.5億ドルとFTX崩壊時並みの高水準を示す。機関投資家の本格参入で4年サイクル終焉論も加速。
11:04
米大手9行が仮想通貨企業を排除 通貨監督庁が是正へ
米通貨監督庁(OCC)は、JPモルガンなど大手9行が2020-23年に仮想通貨企業を含む合法事業者へのサービスを業種理由で制限していたと発表。「金融の武器化」と批判し、違法行為には司法省照会も検討。トランプ政権下で「デバンキング」問題の是正が加速。
11:00
ビットコイン9.4万ドル急騰からの反落、FOMC利下げ後に軟調な動き|仮想NISHI
FRBの25bp利下げを受け、ビットコインは一時9万4000ドルまで上昇したものの、その後反落。X-Bankアナリストの仮想NISHI氏によると、デリバティブ市場でのロング解消による売り圧力が現物買いを上回っている。欧米機関投資家のクリスマス休暇入りを控え、年末にかけて軟調基調となるリスクを指摘。
09:19
ストラテジー社、ビットコイン保有企業の扱いめぐり書簡 MSCI指数除外案に反対表明
ビットコインを蓄積するストラテジー社がMSCIの指数除外案に反対意見を提出。仮想通貨保有50%以上の企業を除外する提案に対して、様々な観点から異論を唱えている。
09:11
Superstate、株トークン化の新サービスをローンチへ
Superstateは、株式をトークン化する新サービスを発表。上場企業が仮想通貨イーサリアムやソラナのブロックチェーン上で株式を新たにトークン化して、投資家に直接発行することができる。
07:40
ビットコインの買い増しなどを計画 米Strive、最大約780億円を調達へ
米Striveは、最大約780億円相当の株式を発行・販売する契約を締結。調達資金は仮想通貨ビットコインの買い増しやビットコイン関連商品への投資などに使用すると説明した。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧