今週(30日〜6日)の仮想通貨相場
ビットコイン市場は上値の重い展開を見せ、週初めから週央にかけては38,000ドル付近を推移。6日には大幅下落し、一時約35,260ドルをつける場面もあった。
30日〜6日のBTCチャート
bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
30日〜6日レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円相場は上値の重い展開。510万円を回復する場面も見られたが、6日正午時点では480万円を下回り推移している。
米連邦公開市場委員会(FOMC)が迫る中、週明けの日経平均の反発を受け、510万円を試す展開で始まった今週のBTCだったが、対ドルで3.9万ドルとなる同水準がレジスタンスとなると、米ISMの下振れを受けたリスクオフムードが波及し500万円割れを試した。しかし、通信セクターを中心に米株が切替したことで、同水準周辺で下げ渋ると、FOMCを前に様子見ムードが広がり、500万円周辺での推移が続いた。
週央に差し掛かると、一時、相場は上値を重くする場面もあったが、原油価格の上昇を受けた期待インフレの反発、さらに、FOMCで追加のタカ派サプライズが出なかったことで、相場は4万ドル水準となる516万円にタッチした。
一方、週後半の相場は高値を維持して推移するも、木曜日の米株の急反落に連れ安となり、一気に30万円強の急落を演じ、足元、470万円台後半で推移している。
FOMC後の記者会見でパウエルFRB議長は、75ベーシスポイント(bp)の利上げについて「アクティブに議論していない」と発言。これが政策引き締め加速に対して消極的と映り、安心感に繋がったわけだが、同氏は「インフレ抑制または低下の明確なエビデンスが見たい」とも発言しており、この先の物価指標次第ではペースを速める可能性が潰された訳ではない。
5日には原油価格の指標となるWTIが一時111ドル台乗せ、10年物のブレークイーブンインフレ率(期待インフレ率)も上昇した。こうした中で、本日(6日)には米労働省が発表する雇用統計、来週には消費者物価指数(CPI)と卸売物価指数(PPI)の発表を控えており、賃金や物価の上昇率が落ち着くかが大きな焦点となりそうだ。
他方、テクニカルの側面では、BTCの対ドルは上昇チャネルの下限を割り込んでおり、下降トレンド再開の可能性が出てきたと言える(第2図)。週明けまでにチャネル下限を回復できなければ、テクニカル的なセンチメントの悪化は避けられないか。
関連:bitbank_markets公式サイト
前回のレポート:インフレ懸念とリスクオフの綱引き健在、ビットコイン相場はFOMCまで動きにくい状況か