はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

インフレ懸念とリスクオフの綱引き健在、ビットコイン相場はFOMCまで動きにくい状況か 仮想通貨・週次市況(bitbank寄稿)

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

今週(16日〜22日)の仮想通貨相場

今週のビットコイン市場は上値の重い展開が続いた。一時は43,000ドル付近まで上昇し回復の兆しが見えるも反落し、その後は39,800ドル前後を推移している、


目次
  1. 各市場の騰落率
  2. bitbank寄稿

16日〜22日のBTCチャート

Tradingview

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

4月16日〜22日レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円相場はやや復調の兆しを見せる場面もあったが、22日正午時点では、週高値の550.8万円から反落し上げ幅を縮小し520万円台前半で推移している。

極端に薄商いとなった週末だったが、シカゴマーケンタイル取引所(CME)のBTC先物がギャップアップして取引を再開すると、窓埋めを目指し相場は上値を重くすると、週明けの日経平均が押したことで連れ安となり、18日のBTC対円は一時500万円を割り込んだ。

しかし、リビア国営石油会社(NOC)が国内最大級の油田を停止すると発表すると、原油価格の上昇を受け、BTCはショートの清算を伴い反転上昇、520万円台に乗せた。週央に差し掛かるとドル円相場の上昇に拍車がかかり、対円のBTCはジリ高。そこに、オーストラリアで初のBTC上場投資信託(ETF)が来週にも上場されるとの報道や、米株の反発、さらには20日の英欧株式市場の上昇を受け、540万円にタッチした。

週後半からは、テスラの好決算を受けた米株先の急反転に連動する格好で550万円台に乗せたが、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が、国際通貨基金(IMF)の会合でタカ派な発言をしたことで相場は急反落し、一時4万ドル水準となる512万円をも割り込む場面があった。

【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】出所:bitbank.ccより作成

パウエルFRB議長は、5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での50ベーシスポイント(bp)利上げ検討や、政策金利を迅速に中立的な水準まで引き上げる方針を示した上、米経済は「非常に強い」と強調し、高インフレ抑制に向けた政策の引き締め強化に意欲を示した。

ただ、パウエル議長の発言を持ってしても市場の織り込むインフレ率を示すブレークイーブンインフレ率(BEI)は、10年物が3%台に突入しており、市場はインフレが依然としてピークを迎えたとは想定してないようだ。来週はFRBメンバーのメディア・ブラックアウト期間に入るため、市場は5月FOMCに向けて様子見ムードとなりやすい反面、BEIの底上げはBTC相場の下支えとなろう。

今週は、「ネットフリックス・ショック」もあり、BTCと強い相関が指摘されるナスダック指数は直近の安値を高進するほど強く押しているが、BTCは比較的に底堅い推移を演じたと言え、インフレ懸念とリスクオフの綱引きは健在と見ている。

来週は、伸びの鈍化が予想されている米国の国内総生産(GDP)速報値と、伸びの加速が予想されている四半期雇用コスト指数、3月個人消費支出(PCE)の発表を控えているが、市場予想通りであればBTCにはまちまちな結果となるか。

BTC相場は昨年からBEIの伸びに若干遅れて追随するように上値を伸ばす場面が見られているが、FOMCまでは動きにくい状況が続くと指摘される。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:bitbank_markets公式サイト

前回のレポート:払拭されぬインフレ懸念、ビットコインは引き続き方向感を欠く可能性

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/20 木曜日
09:41
「銀行の仮想通貨保有について、厳格な基準に見直す必要性がある」バーゼル委員会議長
バーゼル委員会議長がステーブルコインの台頭を背景に、銀行の仮想通貨保有規制の見直しが必要だと発言した。現行の厳格な資本要件の緩和が焦点となっている。
06:48
「ビットコインとはサービスである」Bitwiseが価値の本質を指摘
仮想通貨運用企業Bitwiseの最高投資責任者は、ビットコインはサービスであるとの見方を示した。マイクロソフトと比較しながら、価値の本質を説明している。
11/19 水曜日
18:44
ストラテジーのセイラー会長、ウォール街参入による「ビットコイン弱体化」論を否定 
ストラテジーのセイラー会長がフォックス・ビジネスで、機関投資家の参入によりビットコインのボラティリティが大幅に低下していると発言した。2020年の約80%から現在50%まで縮小し、今後はS&P500の1.5倍程度に収束すると予測している。
18:25
アーク・インベスト、コインベースとサークル株を買い増し
ARK投資のキャシー・ウッド氏、コインベースとサークル株を計720万ドル購入。ステーブルコイン市場の成長を見据え、仮想通貨関連株への投資を拡大。
13:55
ブラジル、仮想通貨のクロスボーダー決済に課税検討 規制強化で抜け穴封じ=報道
ブラジル政府が仮想通貨を利用したクロスボーダー決済への課税を検討している。中央銀行は2026年2月から新規制を施行し、ステーブルコインを含む国際送金を外為取引として扱う方針だが、税収漏れ対策として金融取引税(IOF)の対象とする案が浮上している。
13:35
サークルが「xリザーブ」発表、USDC担保型ステーブルコインを展開可能に
サークルがブロックチェーン間でUSDC担保型ステーブルコインを展開可能にする相互運用インフラ「xリザーブ」を発表した。
13:15
米SEC、2026年度検査で仮想通貨監視を重点項目から削除 規制緩和加速
米SECが2026年度の検査優先事項から仮想通貨監視を除外。トランプ政権下で規制姿勢が執行重視から対話重視に転換。コインベースやリップルとの訴訟解決など、業界への軟化姿勢が鮮明に。
11:35
イーサリアム財団、レイヤー2を単一チェーンのように操作できる「相互運用レイヤー」構想
仮想通貨イーサリアムの財団が複数のL2を単一チェーンのように操作できる相互運用レイヤー(EIL)の構想を解説。現在開発中のEILへの参加を呼びかけている。
10:50
コインベース上のモナドICO、開始23分で65億円弱調達も販売ペース鈍化
コインベースで開始されたモナド(Monad)のトークンセールは、開始23分で64.5億円を調達したが、その後失速。高いFDV評価額やVC比率の高さが投資家の慎重姿勢を招いたとみられる。
10:33
全米初のビットコイン担保地方債、米ニューハンプシャー州が承認
ニューハンプシャー州が全米初のビットコイン担保地方債を承認した。1億ドル規模の債券でデジタル資産が140兆ドル規模の世界債券市場に参入する道を開く可能性が出た。
10:00
ハイパーリキッド・ストラテジーズ、ナスダック上場に向けた合併が延期に
ソネット・バイオセラピューティクスらの合併によるハイパーリキッド財務企業の上場が延期された。株主投票の賛成票が必要数に達していない形だ。
09:45
ビットコインとイーサリアムの現物ETF、資金流出が継続
仮想通貨ビットコインとイーサリアムの現物ETFは、資金が純流出する日が継続している。この点について、ソラナやXRPなどのETFに資金が循環している可能性が指摘された。
08:50
テザー、ビットコイン担保融資企業レドンに戦略投資
テザーがビットコイン担保融資のリード企業Lednに戦略的投資を実施した。Lednは設立以来28億ドル超の融資を実行し、2025年だけで10億ドル超と見込まれている。
08:00
GMOトラスト、Japan Smart Chainと提携し日本法準拠ステーブルコイン発行を検討
GMOトラストがJapan Smart Chainと提携 AltXリサーチは18日、日本向けレイヤー1ブロックチェーン「Japan Smart Chain(JSC)」において、…
07:15
資産運用大手6社、日本での仮想通貨投資信託の提供を検討
資産運用大手6社が、日本での仮想通貨投資信託の開発を検討していることがわかった。米国でビットコインの現物ETFが認可されたこともあり、日本でも仮想通貨投資信託の誕生に期待する声は多い。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧