はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

無担保型ステーブルコインUST(TerraUSD)の価格が急落、仮想通貨市場で懸念広がる

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ステーブルコインUSTとテラの状況

Terraform Labsが発行するステーブルコイン「TerraUSD(UST)」は7日、一時0.985ドルまで価格が下落した。

UST/USD(The Block)

米ドルとのペグ(1UST=1USD)が崩壊すれば、準備金として保有するビットコイン(BTC)への影響やUSTを担保にするDeFi(分散型金融)への波及も考えられることから懸念が広がっている。

過去24時間で13億6000万ドルの出来高を記録し、暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスでは、記事執筆時点で約0.996ドルで取引されているところだ。これに伴い、USTを支えるテラ(LUNA)も約10%価格が下落。約8,500円(約65ドル)の値を付けている。

DeFi(分散型金融)大手でステーブルコインDEX(分散型取引所)としても知られるCurve.Financeでも、多くのUST保有者がUSDCなど他のステーブルコインに取り替える動きが見られた。

ステーブルコインとは

ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドル等に裏付けられその価値($1)を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、DAIやUSTといったアルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

▶️仮想通貨用語集

USTの仕組み

USTは、ステーブルコインの中でも米ドルの裏付けではなく、アルゴリズムにより、米ドルとの1対1の価値を維持している無担保(アルゴリズム)型トークンの一種。

1ドル相当のLUNAが、常に1USTと交換できるような仕組みが構築されている。ユーザーは、LUNAトークンをバーン(焼却)することと引き換えに、USTを始めとするステーブルコインを鋳造することが可能。逆に、USTをバーンしてLUNAを鋳造することもできる。

また、仮に仮想通貨市場が暴落して、こうした仕組みがうまく機能しなくなった場合のため、準備金も用意されているところだ。

TerraUSD(UST)のビットコイン(BTC)準備金を購入し保有する役割を担っている団体Luna Foundation Guard(LFG)は4月6日、時価285億円相当で、5,040枚のビットコインを買い増ししたと発表しているが、価格維持のために準備金を投じる事態になった場合、これも売り圧力となるおそれがある。

関連Luna Foundation Guard、UST準備金として124億円相当のAVAXを購入へ

現時点で原因は不透明

USTのペッグが外れかけている原因について、Tronが5日にUSTと類似したアルゴリズム型ステーブルコイン「USDD」をローンチしたことや、過去数日間でUST預金がTerraのAnchor Protocolから大量に引き出されていたことなどが指摘されている。

Anchor Protocolは、テラのブロックチェーン上で提供されているDeFiレンディングプロトコルだ。

これについて、USTの公式Twitterアカウントは、DeFi起業家Pedro Ojeda氏の説明を引用した。「87%のAnchor Protocolユーザーは預金を引き出すなどの動きを取っていない。少数のクジラ(トークン大量保有者)が、大量の資金流出の背景にある」という。

また、Web3.0について詳しいConor Bronsdon氏は、USTのペグが緩んだ原因について推測した。

Luna Foundation Guard(LFG)がビットコインを買い増した際に、バイナンスでUSTの流動性が増え、USTを獲得したユーザが、それを売却したり、高い利子を得ることのできるAnchor Protocolに資金を移動させるなどしていたのではないかとしている。

また、今回の出来事は意図的な攻撃だったのではないかと見る向きもある。ブラジルの仮想通貨業界団体GEMMA Ecosystemの法務担当者Caetano Manfrini氏は「今日のTerra・Luna・USTへの攻撃は、計画的に行われたものだった」と述べた。

CurveとバイナンスでのUST売却は少数の者によると主張している。

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
17:44
リミックスポイントが決算発表、経常赤字5.4億円に 来期の暗号資産は強気シナリオ想定
リミックスポイントが25年3月期の決算を発表。暗号資産(仮想通貨)評価損が影響し、5.4億円の経常赤字となった。一方、来期はビットコインETF資金流入やトランプ政権政策を背景に、業績の大幅回復を見込んだ。
17:16
NXPCとは|MapleStory N対応の仮想通貨を解説|買い方・将来性・ゲームの始め方
Nexon発のMapleStory Nで使用される仮想通貨「NXPC」の仕組みや買い方、始め方を初心者向けに解説。メイプルストーリーのWeb3版ゲームの経済システムからウォレット設定まで徹底ガイド。
14:00
「イーサリアムにおける重要な転機」BTCS社、ETH保有増やすために最大84億円調達へ
ナスダック上場のBTCS Inc.が84億円規模の転換社債発行で仮想通貨イーサリアム購入戦略を強化。第一弾の調達ではバリデーターノード運用拡大とステーキング収益増加を目指す。
13:15
米民主党、トランプ一族の仮想通貨事業に関する「疑わしい活動報告」提出を財務省に要請
米下院の民主党幹部が財務省に対し、トランプ一族のDeFi事業「WLF」とミームコイン「TRUMP」に関する疑わしい活動報告(SAR)の提出を要請した。民主党は、要請の根拠として「贈収賄、汚職、利益相反」への懸念を挙げた。
13:00
パンテラCEO、ビットコインが米株式市場を凌駕する理由を解説
仮想通貨VC大手パンテラキャピタルの創設者がToken2049で講演。米政権の好意的な政策や市場の割安感から、ビットコインが株式市場を上回る成長をいずれは遂げると分析。
12:00
JPモルガン・Ondoなど、RWAトークン化のクロスチェーン決済実験に成功
チェーンリンク、JPモルガン、Ondo Financeが共同でトークン化米国債ファンドのクロスチェーン決済テストを実施した。DvP取引の効率化とリスク低減を実現するとしている。
11:53
アジア富裕層が仮想通貨投資を拡大、アルトコイン市場は節目を超える
暗号資産(仮想通貨)ビットコインは10万ドル台を堅持し、過去最高値まであとあと6%の位置に迫る。アルトコイン市場も840億ドルの抵抗線を突破し、底打ち反転のシグナルも。UBSの調査ではアジアの富裕層が従来の資産から仮想通貨へ資金を移している現状が指摘された。
11:20
ウクライナ、国家のビットコイン準備金創設へ=報道
ウクライナが国家戦略としてビットコイン準備金創設を進める模様。トルコでのロシア・ウクライナ首脳会談の動きと併せて解説。
11:15
カルダノ創設者ホスキンソン、3700万ウォレットに仮想通貨エアドロップ計画を発表
チャールズ・ホスキンソン氏がConsensus 2025で8つのブロックチェーンをまたぐ「Glacier Drop」を発表。ベンチャーキャピタル排除の新エアドロップ戦略で仮想通貨コミュニティの統合を目指す。
10:30
セイラーのストラテジー社、「ビットコイン戦略でナンバーワンの上場企業へ」=アナリスト
アナリストのジェフ・ウォルトン氏はFTの特集で、ストラテジー社が仮想通貨ビットコインを基盤に市場で最強の企業になると予測。
09:50
リミックスポイント、ビットコインを追加購入 暗号資産保有総額は111億円超に
リミックスポイントがビットコインを5億円分追加購入。イーサリアムやリップルなども含めた暗号資産(仮想通貨)の総保有額は111億円を突破。Web3領域の投資事業を加速。
09:45
イーサリアム価格急騰の3つの要因とは、資産運用会社が分析
仮想通貨イーサリアムの価格急騰の背景には、ステーブルコインとトークン化、Layer 2の進展、投資家のショートポジション解消などが影響。市場動向と成長要因を詳しく解説。
09:31
BTC以外の仮想通貨に分散投資するメリット、Bitwise幹部が考察
ビットコイン以外の仮想通貨にも分散投資を行うメリットをBitwise幹部が考察。インターネット業界の株価の歴史を例に挙げ、大多数の投資家がアルトコインも保有すべきだと主張している。
09:25
メタプラネット1Q決算、ビットコイン投資で135億円の含み益
メタプラネットが2025年第1四半期決算を報告。5月時点で保有ビットコイン量が6,796BTCに到達し含み益へ転換している。株主数も増加中だ。ビットコイン財務戦略の最新状況を解説する。
08:41
テザー社、AI開発プラットフォーム「QVAC」を発表 ビットコインとUSDT決済も対応
テザー社が分散型AI開発プラットフォーム「QVAC」を発表。ユーザーのデバイス上でAIが動作し、クラウド接続不要。AIエージェントがビットコインやUSDTで自律取引が可能。2025年第3四半期リリース予定。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧