はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ビットコインハッシュレートに頭打ち感、需給悪化の指摘も|bitbankアナリスト寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

今週(14日〜20日)の仮想通貨相場

国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。


目次
  1. ビットコイン・オンチェーンデータ
  2. bitbank寄稿

ビットコイン・オンチェーンデータ

BTC取引数

BTC取引数(月次)

アクティブアドレス数

アクティブアドレス数(月次)

BTCマイニングプールの送金先

取引所・その他サービス

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

14日〜20日日レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円相場は概ね300万円台後半で横ばいに終始しており、20日正午時点では390万円周辺で推移している。

週末にエルサルバドルが、計44カ国の中銀当局者と金融当局者を招待しビットコイン導入などについての会議を開くと発表したことで、BTC対円相場は週末に400万円に乗せたが、シカゴマーケンタイル取引所(CME)のBTC先物がギャップアップして今週の取引を再開したことで反落。中国の4月小売売上高下振れもリスク選好度を低下させ、380万円割れを試した。

エルサルバドルで行われたイベントへの期待値も高かったからか、週央に掛けてBTCはジリ高で400万円を目指したが、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長によるタカ派的な発言と、市場予想と合致した米小売売上高の結果が相まって、BTCは下に往って来い。

18日には、米小売大手Targetの決算不振が小売関係株の売りのトリガーとなり、BTCも連れ安。なんとか昨年安値周辺の水準で反発しているが、はっきりと方向感を示すことに失敗している。

【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】出所:bitbank.ccより作成

今週も前年安値割れを試したBTC相場だったが、同水準では押し目買いが入り上値が重くも底堅く推移した。19日には、カンザスシティ連銀ジョージ総裁が、政策引き締め加速を実行するには現状より「相応に違う状況を見る必要がある」と、引き締めペース維持を示唆。これでBTCは380万円を回復し、対ドルでは3万ドルを回復した。

戻りを試す展開に見えるが、昨日の反発はあまり信用していない。と言うのも、ビットコインのハッシュレートには頭打感が出てきており、需給の悪化が指摘される。仮にハッシュレートの低下が一時的だとしても、今年は採掘難易度が上昇し続けた一方で相場は下落しており、ビットコイン・マイニングの収益性は低くなっているはずだ。

過去30日間のマイナーのネットポジション変化も比較的大きくマイナスに振れており、実需筋の売り圧力が相場にのしかかっている可能性が指摘され、戻りの余地は限定的となりそうだ。

【第2図:BTC対円、ビットコインハッシュレート、マイナーネットポジション変化(30)】出所:bitbank.cc、Glassnodeより作成

4月の米小売売上高はネガティブサプライズとはならなかったものの、小売大手のWalmartとTargetの業績不振が今週の株価急反落のトリガーとなったと言える。来週は、Best Buy(24日)、Dollar GeneralとCostco(26日)の決算発表が予定されており、米国民の消費行動を巡り市場の警戒感は強まりそうだ。

また、これらの決算を通過すれば、27日午前3時には5月FOMC議事要旨と午後9時30分に4月の個人消費支出(PCE)の発表も控えており、来週はBTC相場にも流れが出るか。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:bitbank_markets公式サイト

前回のレポート:UST問題で混乱に見舞われた仮想通貨市場、近い内の底入れも期待できるか|bitbankアナリスト寄稿

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/30 火曜日
14:00
米カリフォルニア州の超富裕層への「5%資産税」に業界猛反発 仮想通貨起業家流出の懸念も
米カリフォルニア州で純資産10億ドル超の富裕層に5%課税する提案が行われ、Kraken創業者やBitwise CEOをはじめとする仮想通貨・テック業界リーダーが強く反発し、警告を発した。株式、不動産、仮想通貨などを対象とし、未実現の含み益にも課税される点が問題視されている。
14:00
コインベース・ベンチャーズが注目する2026年の仮想通貨4大トレンドとは
米最大手コインベースの投資部門コインベース・ベンチャーズが2026年に積極投資する4分野を発表した。RWA永久先物、専門取引所、次世代DeFi、AIとロボット技術など、次のブレイクアウトが期待される仮想通貨領域について紹介。
12:32
ビットマイン、イーサリアム買い増し 独自のステーキング・インフラも準備中 
ビットマインの仮想通貨イーサリアム保有量が411万枚に到達した。年末の価格下落を好機と捉え買い増しを行っている。2026年には独自ステーキング基盤も公開予定だ。
10:00
2025年の仮想通貨市場を重要ニュースから振り返る
2025年は仮想通貨を支持するドナルド・トランプ氏が米大統領に就任し、相場は米国の動向から大きな影響を受けた。本記事では、ビットコインの最高値更新など1年間の重要ニュースを振り返る。
09:50
仮想通貨投資商品、先週700億円超の純流出 XRP・ソラナは好調維持=CoinShares
仮想通貨投資商品から先週700億円超が流出した。CoinSharesは投資家心理がまだ完全に回復していないと分析した。一方で資産別ではXRPとソラナへの流入は好調だった。
12/29 月曜日
14:23
ビットコインは持続的上昇局面に?4年サイクル論争と機関投資家の影響力
Bitwise CIOマット・ホーガン氏が「ビットコインの4年サイクルは終焉し、持続的上昇局面に入った」と主張した。ハーバード大学など大手機関がBTCを保有し、個人投資家から機関への資産移転が進行。ボラティリティ低下の理由と、「階段を上りエレベーターで降りる」値動きパターンを専門家2人が詳しく解説。
13:35
AIや仮想通貨のショッピング活用進む Z世代が牽引か=Visaレポート
決済大手ビザの調査で、ショッピングにAIツールや仮想通貨を利用する消費者が増加していることが判明。特にZ世代が牽引していた。ステーブルコイン送金への関心も高まっている。
09:44
スベルバンク銀、ロシア初の仮想通貨担保ローン発行
ロシア最大の銀行スベルバンクが同国初の仮想通貨担保ローンを発行した。ビットコインマイニング企業に融資し、デジタル資産担保の仕組みを検証している。
12/28 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、MTGOXハッキング容疑者関連のBTC送金やearnXRPローンチなど
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン年末相場、値頃感から買い戻し期待も|bitbankアナリスト寄稿
今週のビットコインは方向感に欠け1400万円周辺で推移。26日のオプションカット通過後の動向が注目される。底入れには12月高値9.4万ドルの回復が条件だが、割安感から買い戻されやすいとbitbankアナリストが分析。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|Bybitの日本居住者向けサービス終了発表に高い関心
今週は、大手仮想通貨取引所Bybitの日本居住者向けサービス終了の発表、仮想通貨市場の調整局面、日銀の植田和男総裁の講演に関する記事が関心を集めた。
12/27 土曜日
14:00
ジーキャッシュのシールドプール供給シェアが23%で安定、プライバシー採用が定着
仮想通貨ジーキャッシュのシールドプール供給の市場シェアが2025年初頭の約8%から23%前後で安定している。プライバシー採用指標は依然として安定しておりプライバシー保護取引への持続的な関心を示している。
13:25
金融庁、仮想通貨ETFの導入に向けた税制改正──暗号資産取引の課税見直しと新たな可能性
金融庁が2026年度税制改正の資料を公開した。暗号資産取引を総合課税55%から申告分離課税20%へ変更することに加えて、ETF解禁や繰越控除などについても挙げられた。
11:10
KLab、ビットコインとゴールドを購入開始 「岐路に立つBTC」と分析
東証プライム上場のKLabが25日にビットコインとゴールドの購入を開始。AIを活用した市場分析レポートの不定期発刊も開始した。
10:05
ミームコイン市場は2025年に60%下落、「TRUMP」発行から始まった一年を振り返る
ミームコイン市場は2025年に60%下落した。トランプ氏による独自仮想通貨「TRUMP」発行や、ドージコインETF誕生など変化の激しかった一年を解説する。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧