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仮想通貨トロンのネットワークが急成長、DeFi預け入れ総額3位に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

トロンの預け入れ総額がDeFi3位に到達

暗号資産(仮想通貨)トロン(TRX)のネットワークは、現在DeFi(分散型金融)第3位の預け入れ総額(TVL)を誇る規模に達している。

DeFi情報サイトDefiLlamaによると、トロンのTVLは現在約7,700億円(約60億ドル)。過去1カ月間で40%以上増加している格好だ。

出典:DefiLlama

トロンが、DeFiプロジェクト全体のTVLに占める割合は、約5%。なお、1位のイーサリアムは依然として半分以上(約64%)を占めており、TVLは約9兆円(約721億ドル)、2位のBNBチェーン(旧称バイナンススマートチェーン)は約8%でTVLは約1兆円(約89億ドル)である。

3位のトロン以下、4位はアバランチ(AVAX)で約5,500億円(約43億ドル)、5位はソラナ(SOL)で約5,300億円(約41億ドル)と続く。

ステーブルコインとは

ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値($1)を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、DAIやUSTといったアルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

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半担保型ステーブルコインUSDDが牽引

なお、イーサリアムを利用したプロトコル数は489件、BNBチェーンのプロトコル数は400件であるが、トロンの場合は9件と比較的少数にとどまっている。

こうした中、トロンのTVLが躍進している大きな理由としては、半担保型(アルゴリズム型)ステーブルコインである「USDD(Decentralized USD)」が5日にリリースされたことも挙げられる。

このUSDDは、テザー(USDT)などのような完全な裏付け資産を持たず、ユーザーが裁定取引を行うことで、米ドルとのペッグを保つ仕組みだ。

1USDDは、1ドル相当のトロン(TRX)と交換することが可能。USDDの価格が1ドルより下がっている場合には、投資家は、値引きされたUSDDを買ってTRXと交換し、さらにそのTRXを市場で売却することにより、差額で利益を得ることができる。

また反対にUSDDが1ドルよりも高い場合には、投資家には1ドル相当のTRXを売って、1USDDを受け取るインセンティブが生まれる。こうした取引活動によりバランスを保ち、ドルペッグを維持しようとするものだ。

こうした仕組みについては、旧・テラ(LUNC)ブロックチェーンのステーブルコイン「UST」を模倣したに過ぎないのではないかとの批判も挙がっていた。

ペッグを維持する仕組みの他にも、投資家に年間20%以上のリターンを約束するプロトコルを有している点も共通している。例えば、レンディングプラットフォームJustLendで、USDDのレートは約20%だ。ステーブルコインUSTの預金に対して利子を付与するAnchor Protocolも、約19%という高利回りで知られていた経緯がある。

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無・半担保型ステーブルコインへの懸念

USTディペッグ騒動により、投資家の間にはアルゴリズム型ステーブルコインに対する懸念が広がっているところだ。

トロン創設者のJustin Sun氏はこうした中、「テラ(LUNC)の失敗は主にレバレッジのかけ過ぎに起因するもの」であり、「急成長しすぎて、市場を安定させるための準備金をしっかりと用意する時間がなかった」と論じた。また、「USDDの市場総額は比較的小さいままに保ちたい」と語っている。

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