USDDローンチへ
トロン(TRX)基盤の分散型アルゴリズムステーブルコインである「USDD(Decentralized USD)」が5日にローンチされた。
トロンチェーン基盤だけでなく、BTTCクロスチェーンプロトコルを介して、イーサリアム(ETH)ブロックチェーンやBNBチェーンでも利用が可能となる。
🔥 USDD on #TRON has been issued today and entered into circulation. It is available on #Ethereum and #BNBChain through the BTTC cross-chain protocol.
— USDD (@usddio) May 5, 2022
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その後、イーサリアム基盤の大手分散型取引所(DEX)UniSwapやCurve FinanceでもUSDDの取り扱いが開始された。
USDDの仕組み
USDDは、アルゴリズムにより1USDD=1ドルの価値を維持するステーブルコイン。価格変動が裁定取引(アービトラージ)の機会を創出すると、トロン(TRX)を出し入れしてUSDDの価格が1ドルを維持するように機能する。
関連:ジャスティン・サン氏、トロンのステーブルコインUSDDの計画を発表
具体的には、USDD価格が1ドル未満の場合は、ユーザー及びアービトラージャーは1USDDを分散型システムに送金することで、1USD相当のTRXを受け取ることができ、USDD価格が1USDを超える場合は、1USD相当のTRXを分散型システムに送金することで1USDDを受け取ることができるというものだ。
これにより、金融市場のボラティリティ(価格変動性)に依存することなく、USDDプロトコルは分散型アルゴリズムを介して、米ドルにその価値をペッグするすることを可能にした。
USDTやUSDCのように償還や管理・保管を中央集権機関に依存せず、アルゴリズム及び「Tron DAO(分散型自律組織)」が管理。Tron DAO Reserveを設立した上、担保として扱うことになる。
UST預金に安定利回りを提供する「Anchor Protocol」のAPR(年換算利回り)20%を超える、無リスク金利APR30%を設定するという。
トロンは、完全なオンチェーン分散化を図り、グローバルなDeFi(分散型金融)エコシステムで最も効率的なステーブルコインのネットワークを構築することにより、TRON基盤のUSDDが主導するweb3.0時代を目指す。
一方、批判の声もある。
ヘッジファンドGaloisCapitalの共同創設者Kevin Zhou氏や著名アナリストのAlex Krüger (@krugermacro)氏は、「イーサリアムのクローンとして誕生したトロンは、今度はテラ(LUNA)ブロックチェーンのステーブルコイン『UST』の仕組みを模倣したに過ぎない。」と厳しく指摘した。
The TRON blockchain was born by copying Ethereum, plagiarizing the Ethereum whitepaper word for word.
— Alex Krüger (@krugermacro) April 21, 2022
Now TRON is copying Luna's decentralized dollar. and faithful to its roots, the stages of the TRON stablecoin will be named Moon and Mars. Very original.
トロンへの影響
Coinmarketcap(CMC)時価総額ランキング18位のトロン(TRX)価格が、前日比+23%、前週比+35%上昇した。
🔥 $TRX の価格は23.07%上昇しました!
— TRON DAO Japan (@TronDao_JPN) May 5, 2022
🚀24時間以内の市場全体のTRX取引は33億ドルを超え、98.55%増加しました!#TRX #TRON #トロン #仮想通貨 #暗号通貨 #TRONICS https://t.co/S0MxvuSYVd pic.twitter.com/lyqBzStpgt
TRXは、日本国内ではBITPOINTとHuobi Japanで取り扱いがある。