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STEPN×アシックスコラボの反響と新たな可能性 Move2Earnは、Web3の未来を拓けるか

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

2022年4月28日、Web3フィットネスアプリ「STEPN(ステップン)」は、日本の大手スポーツブランド「アシックス(ASICS)と共同でIGO(Initial Game Offering)を実施。共同ブランディングしたNFTスニーカーは、Binance NFTで抽選募集が始まると瞬く間に多くの参加者を集め、大きな成功を収めました。

コラボの実現により、国境の概念を越えて世界中にリーチを拡大できるほか、熱心なファンがSTEPNのゲーム内でお気に入りのブランドを支持できるようになるというメリットがあります。

現実のリアルスニーカー市場は、2021年にほぼ100億ドル(1.3兆円)規模に達したとされています。

株式会社グローバルインフォメーションの調査によれば、ランニングギア市場は2015年から2020年にかけて緩やかな成長を示しており、2026年には市場規模583億ドルまで成長すると予測されています。

ランニングギアとは、ランニングシューズのほか、アパレルやアクセサリー、フィットネストラッカーが含まれます。

これは世界各国の熱心なコレクターや愛用者からの膨大な需要を反映しています。加えて、昨今のNFT(非代替性トークン)市場の急速な成長は、メタバース(仮想空間)を含むWeb3.0時代における”デジタルコレクション”の大きな可能性を示唆していると言えるでしょう。

STEPNが大手スポーツブランドとコラボを果たしたという事実は、「プロジェクトの認知度が上がった」など表面的な結果以上の意義があります。アシックスが築き上げたスポーツ市場におけるブランド力が、STEPNが目指す一般社会へのWeb3浸透を大きく後押ししたのです。

そこで本記事では、STEPNとアシックスのコラボ内容や反響に加え、このコラボの成功がスポーツとWeb3の未来へ与える影響についても考察します。

目次
  1. 新たなチェーン導入のメリット
  2. IGOセールの成果
  3. コラボレーション実現の背景
  4. 「スポーツ×ブロックチェーン」の未来
  5. コラボから始まるWeb3革命

1. コラボ限定スニーカーをリリース

STEPNは、屋外でのウォーキング・ジョギング・ランニングを通じて報酬を獲得できるWeb3アプリ。現実世界での運動を通じて仮想通貨を受け取れるという革新的なMove to Earnを初めて実現し、ローンチから数か月で数十万人のMAUを獲得するなど、異例の速さで成長しています。

アシックスは、日本が世界に誇るスポーツブランド。

世界中のスポーツファンやアスリートが同社の商品を愛用し、陸上競技・バレーボールの分野で特に高いブランド力を誇ります。近年では、NFTなどデジタル領域にも積極的に参入していることで有名です。

まず初めに、この2社が共同で行ったコラボについての概要をご紹介します。

1-1. コラボ対象は両社が共同ブランディングした「限定NFTスニーカー」

今回のコラボは、STEPNとアシックスが共同ブランディングした数量限定のNFTスニーカーを、Binance運営のNFTマーケットプレイス「Binance NFT」にて販売するという内容です。

この一連のコラボでリリースされたNFTスニーカーは、合計で2000個。その内1000個は取引所経由で行うゲーム関連セール「IGO」の形式で販売され、残りの1000はIGOの後にBinance NFTにて出品されました。

IGOの概要:

イベント名 “STEPN x ASICS NFT Sneakers” Mystery Box Collection
開催地 Binance NFT
参加資格の取得条件 2022年4月13日~4月16日の期間中に最低0.1BNBの日平均保有量があること
セールへの登録条件 2022年4月16日~4月19日の期間中に参加チケットを使用して0.5BNB(当時レートで概ね25,000円)のロックアップ
当選者へのNFT配布日時 2022年4月19日 12:00(UTC)
セール対象 アシックスデザインのNFTスニーカー

IGOでは、NFTスニーカーがシューボックス形式で販売され、当選・購入するまで取得するスニーカーのデザインや性能が分からない仕様に。シューボックスには、最も低いレアリティの「Common Shoebox」、上位レアリティの「Uncommon Shoebox」の2種類がありました。

購入したスニーカーはSTEPNのアプリで実際にゲームに使用可能なほか、マーケットプレイス経由で販売して換金することも可能です。

注目すべきポイントの一つは、このIGOが公平な抽選制を採用していた点でしょう。

一般的なIGOでは、プロジェクトに関するトークンの保有数などで抽選倍率が変動するものが多く、当選者は大口のユーザーに偏る傾向があります。しかし本セールでは、純粋な確率のみで当選者が決定されました。この方式は、Web3の一般普及と多様化を理念に掲げるSTEPNの意図が反映されたものだと考えられます。

1-2. 新たなチェーン導入のメリット

STEPNにとって、大手のスポーツブランドとのコラボは初めて。 ローンチして間もない新進気鋭のWeb3サービスが国内最大手ブランドとコラボを果たしたという意味で、STEPNが将来性の十分な優良プロジェクトである事を証明する結果となりました。

この点についてSTEPN運営は、「Web3におけるブランドコミュニケーションの起点として活用するもの。1ヶ月以内に1,000万ドルの取引があり、収益の向上とブランドの認知度向上をもたらした」と評しています。

一連のコラボがBNBチェーン上で行われた事にも意義があります。STEPNは、2021年冬のローンチ以来ソラナ(SOL)チェーン上にサービスを構築していましたが、今回のIGOと同時にBNBチェーンの導入を実施しました。

ソラナ(SOL)チェーン側の靴とエネルギー(エナジー)の共有がある一方、トークンの価値は「sGST」と「bGST」が分かれる形で独自のエコシステムが成立しています。運営は今後、Web3プロジェクトの中でマルチチェーン化を進めることで、各々のブランドと独自のコミュニティ文化を持つ「Realm(レルム)」のコンセプトを創っていくとしています。

STEPN公式は、BNB上でのサービス構築を決めた理由として、「活気溢れるBNBのエコシステム(生態系)への参加」「マルチチェーン化によるユーザーエクスペリエンス向上」「大手取引所との緊密な連携によるNFTセールのマーケット拡大」という3つの理由を挙げています。

また「今後はスポーツブランドに留まらず、ラグジュアリーブランドやWeb3プロジェクトとも積極的に協力・提携を模索する」と抱負を述べています。

2. STEPN×アシックスのコラボ成果

IGOの結果は、1000の枠に対して申請した参加者は19万5,571人(抽選倍率195倍)に達しました。すなわち当選確率は「約0.005%」という競争率となり、Web3コミュニティからも大きな注目を浴びました。

この人気は、国内最大手メーカーのブランド力と公平な抽選制でWeb3コミュニティの外からも関心を集めた事、STPEN人気の高まりを受けた投資家の買いが集まったことが背景にあると言えます。

また、BNBネットワークを通じてセールを行ったことで、これまでSTEPNがリーチできていなかったユーザー層が参加する機会を得たことも要因の一つと考えられます。

プレミアム感のあるアシックスデザインの限定スニーカーが、イベント終了後の2次流通市場で高騰した点にも注目です。運営が保有特典のある「ジェネシス」扱いしたことも影響しており、保有するメリットとして希少価値がさらに高まりました。

3. STEPNとアシックスのコラボが実現した背景

STEPNがアシックスとコラボに至った背景には何があったのでしょうか。

3-1. 活性化する大手スポーツブランドのNFT市場参入

2021~2022年にかけて、大手スポーツブランドやファッションブランドがNFT市場へ参入するケースが相次いでおり、業務資本提携や出資事例が増加していたことがあります。

例えばNIKE(ナイキ)は、スポーツブランドの中でもNFT領域で特に積極的に事業を展開。NFT制作企業「RTFKT」を買収してOpenSeaにてNFTスニーカーを販売を行い、オンラインゲーム「ROBLOX」内に独自のメタバースエリア設立を発表しました。

adidas(アディダス)は「Into The Metaverse」というNFTコレクションの販売や、メタバースゲームThe Sandbox(ザ・サンドボックス)とのコラボ示唆など、本格的な参入を始めています。

今回STEPNとのコラボを実施したASICS(アシックス)もまた、NFT進出に積極的です。2021年には、最大手NFTマーケットプレイスであるOpenSeaを通じてデジタルシューズNFTのオークションを開催し、デジタル分野での事業へ注力することを表明しています。

3-2. パートナーシップの相乗効果

STEPNとアシックスのコラボが実現した理由としては、まずパートナーシップが両社にとって非常に有益という理由が挙げられるでしょう。

デジタルを通じて日常の生活・活動をサポートすることを目指すアシックスにとって、最先端のWeb3プロジェクトであるSTEPNとのパートナーシップは非常に有益と言えるでしょう。

コラボ発表にあたり、アシックスの開発責任者であるJoe Pace氏は、以下のように述べました。

「アシックスは、健全な身体と精神を持つ人たちを鼓舞することに尽力してきた。STEPNはWeb3コミュニティの人々が屋外で運動するように促す技術革新の偉業を成し遂げた。STEPNチームとのパートナーシップにより、世界中の何百万人もの人々が健全な身体と精神を実現できるようになると信じている。」

STEPNの共同創業者であるYawn Rong氏は、以下のように述べました。

「今後、より多くの”SocialFi”要素(ソーシャルネットワーキングとブロックチェーン技術を活用したもの)の導入計画があります。暗号資産(仮想通貨)に不慣れなユーザー向けにもエキサイティングな機能を展開し、Web3の世界に導く予定です。アシックスとの提携は、その戦略的な出発点です。」

このNFTスニーカーの販売収益から10万ドルは、STEPN、バイナンス、ASICSの3社共同で慈善活動に向けて寄付されます。

そして、Web3市場の外で圧倒的なブランド力を持つアシックスとのコラボは、STEPNが目指すブロックチェーン非ネイティブ層とWeb3世界の統合に最適です。本コラボによってアシックスはデジタル分野へ裾野を広げ、STEPNは非デジタル分野の幅広いユーザーへリーチできる。両社にとって有益なコラボであったことが伺えます。

3-3. STEPNとアシックスが共有する「理念」

さらに、国内最大手のメーカーであるアシックスとSTEPNは、「理念」の面で共通している部分があります。

アシックスが掲げる理念は、企業名の由来でもある「もし神に祈るならば、健全な身体に健全な精神があれかしと祈るべきだ(Anima Sana in Corpore Sano)」という帝政ローマ時代の風刺作家が残した言葉。

これは、STEPNが掲げる「インセンティブで運動を促進し、世界中の人々のライフスタイルを健康なものに変える」という理念と通じる部分があります。

加えて、気候変動の影響を減少するという環境保護の取り組みという面でも、両社には共通する使命が。アシックスは、NFT事業において環境負荷の削減をテーマに掲げ、Aerial社と協力して事業の過程で生じた二酸化炭素の排出量と同等のカーボンクレジットを購入。環境負荷を減らす取り組みを行っています。

STEPNもまた「グリーンなWeb3」を目指しており、気候変動を本質的に改善するために一貫した施策を実行。同社は毎月、利益のうち10万ドルを炭素除去のために支出し、利用者にもゲーム内通貨による炭素クレジット購入のオプションを与えるなど、気候変動と闘う姿勢を表明しています。

アシックスとSTEPNのコラボが実現した背景には、このように共通の理念を持っている事も理由の一つとして挙げられるでしょう。

関連:「STEPN」のビジョンとは|グリーンなWeb3.0が築くカーボンニュートラルな世界

4. STEPNが新たに拓く「スポーツ×ブロックチェーン」の未来

2022年6月時点で現実世界でのスポーツ要素を組み合わせたGame-Fiは新規軸であり、「歩く(走る)」という行動は万国共通ですから今後の市場拡大にも期待が持てます。その文脈において、パイオニアであるSTEPNの将来性は十分です。

4-1. スポーツ界におけるWeb3の浸透

まず、アシックスとのコラボにより、STEPNが掲げる「一般社会とWeb3の懸け橋になる」「気候変動と闘う」という使命がより現実に近づいたと言えます。

アシックスは、先日開催された東京オリンピック2020での最上位スポンサーを務め、スポーツ界での非常に大きな影響力を持っている企業。特に、陸上やバレーボールのジャンルでは高いブランド力を誇ります。

本コラボをきっかけに、これまで仮想通貨に全く馴染みがなかった層のユーザーに認知が拡大し、ひいてはプロのアスリートがWeb3へ参入し始める可能性もあるかもしれません。すでに高い運動習慣を持つユーザーの流入を想定してか、STEPN公式は2022年10月に強度の高い「マラソンモード」をリリース予定です。

4-2. ブロックチェーン市場・スポーツ市場の活性化

スポーツ(フィットネス)という大衆的な市場にSTEPNが浸透した結果として、2つの市場へ相互流入が起きることが考えられます。

これまでスポーツに興味がなかった層がSTEPNを通じてスポーツやフィットネスに興味を持ちはじめ、これまでWeb3サービスに馴染みが無かった層がアシックスコラボを通じて、仮想通貨・ブロックチェーン市場に流入していくきっかけとなりました。

今後Web3の一般化が進み、コミュニティにおいて十分な多様性を確保できれば、STEPNの経済圏において「金融システムの徹底的な民主化」を実現する足がかりにもなることが期待されます。

5. STEPN×アシックスのコラボから始まるWeb3革命

本記事では、STEPNとアシックスのコラボについて、IGOの結果や注目度、コラボが今後のブロックチェーン市場やスポーツ市場に与える影響について紹介しました。

可能性が取り沙汰される他のスポーツブランドの良きベンチマークとなったほか、STEPNプロジェクトの可能性を広く知らしめたケーススタディとなるなど、確かな実績を作ったと言えるでしょう。

関連:暗号資産を歩いて稼ぐ、フィットネス系NFTゲーム「STEPN」とは

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