はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨企業Nexo、出金停止中のVauldに融資提供へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

融資提供、買収も視野に

米暗号資産(仮想通貨)レンディング企業Nexoは5日、財務リストラの危機に瀕している仮想通貨プラットフォームのVauld 買収に向けたタームシートを提示したことを発表した。

VauldのDarshan Bathija CEOは同社の100%買収に向け、Nexoのタームシートに署名したとSNS上で報告。両社のデューデリジェンスが完了次第、取引は成立する見込みで、Nexoには60日間の限定調査期間(Exclusive Exploratory Period)が設けられる。

契約が完了次第、60日の限定調査期間が開始し、Vauldの買収に関するさらなる調査を行う予定だ。

タームシートとは

企業間の融資提供における詳細を明記した書類。タームシート自体が融資契約の元となるケースが多い(参考:山田コンサルティンググループ

▶️仮想通貨用語集

Vauldとは

Vauldは2018年に設立されたシンガポールを拠点におく仮想通貨取引及び融資プラットフォーム。クリプトを含む、金融市場全体の急落や度重なる仮想通貨企業の債務不履行が引き金となり、同社では6月以降、顧客の出金が殺到。この影響で、4日には顧客資産の引き出しや取引、及び預金機能を停止せざるを得ない状況が発生していた。

関連:シンガポールの仮想通貨融資企業Vauldが出金停止、財務リストラを公表

Nexo側は今回の買収について債務不履行が相次ぐ業界を支援する傍ら、東南アジア地域でのサービス拡大に向けた計画もあることを示唆している。

20世紀初頭の「取り付け騒ぎに酷似」

一方、Vauldへの融資提供と完全買収を検討しているNexo社側は3AC(Three Arrow Capital)、セルシウスなどの相次ぐ債務不履行騒動は「1907年の取り付け騒ぎに酷似している」と分析。

市場に過剰なレバレッジがかかっており、経営危機に直面している企業の増加、そして融資企業の希少性などを共通点として挙げた。

その上で、業界における構造的な再編は「少数の優良かつ潤沢な資金を持つ団体の手に委ねられている」として、Nexoが責任を持って真摯に業界参加者に支援を行っていくと説明。ウォール街の大手銀2行から買収や流動性の提供に向けた助言を受けていることを明かした。

Nexo社がVauldを買収した場合、同社の現状停止している出金サービスの再開に努めるほか、今後新たなサービスの展開に向けた計画を導入するとした。Nexoのコーポレートファイナンス部門の責任者であるTatiana Metodieva氏は以下のようにコメントした。

急激な市況の悪化により、今回影響を受けたすべての方々に同情します。しかし同時に、困難な状況は事業モデルにおけるリスクマネジメントの重要性を教えてくれる。

業界におけるリーダーが競争力と規律、そして顧客への妥協なき責任を基盤として市場の危機局面を乗り越えるのは必然的だ。

業界全体におけるより持続可能で、新しいコーポレートガバナンスや収益体制、コスト構造の提案に向けて、弊社は全ての仮想通貨レンディングプラットフォームの投資家との対話を歓迎する。

また、VauldのBathija CEOは以下のように見解を述べた。

Nexoの傘下に入ることで、弊社は相場の変動に左右されずに、即座に力強い立場から顧客への信義則上の義務を果たし、両社の野心的なロードマップの遂行に専念することができる。

関連:仮想通貨融資のBabel Finance、財務再編へ

関連: 仮想通貨ヘッジファンドThree Arrows、米国で破産申請

関連:CoinFLEX、トークン発行で資金調達 出金再開のための打開策

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/19 水曜日
18:44
ストラテジーのセイラー会長、ウォール街参入による「ビットコイン弱体化」論を否定 
ストラテジーのセイラー会長がフォックス・ビジネスで、機関投資家の参入によりビットコインのボラティリティが大幅に低下していると発言した。2020年の約80%から現在50%まで縮小し、今後はS&P500の1.5倍程度に収束すると予測している。
18:25
アーク・インベスト、コインベースとサークル株を買い増し
ARK投資のキャシー・ウッド氏、コインベースとサークル株を計720万ドル購入。ステーブルコイン市場の成長を見据え、仮想通貨関連株への投資を拡大。
13:55
ブラジル、仮想通貨のクロスボーダー決済に課税検討 規制強化で抜け穴封じ=報道
ブラジル政府が仮想通貨を利用したクロスボーダー決済への課税を検討している。中央銀行は2026年2月から新規制を施行し、ステーブルコインを含む国際送金を外為取引として扱う方針だが、税収漏れ対策として金融取引税(IOF)の対象とする案が浮上している。
13:35
サークルが「xリザーブ」発表、USDC担保型ステーブルコインを展開可能に
サークルがブロックチェーン間でUSDC担保型ステーブルコインを展開可能にする相互運用インフラ「xリザーブ」を発表した。
13:15
米SEC、2026年度検査で仮想通貨監視を重点項目から削除 規制緩和加速
米SECが2026年度の検査優先事項から仮想通貨監視を除外。トランプ政権下で規制姿勢が執行重視から対話重視に転換。コインベースやリップルとの訴訟解決など、業界への軟化姿勢が鮮明に。
11:35
イーサリアム財団、レイヤー2を単一チェーンのように操作できる「相互運用レイヤー」構想
仮想通貨イーサリアムの財団が複数のL2を単一チェーンのように操作できる相互運用レイヤー(EIL)の構想を解説。現在開発中のEILへの参加を呼びかけている。
10:50
コインベース上のモナドICO、開始23分で65億円弱調達も販売ペース鈍化
コインベースで開始されたモナド(Monad)のトークンセールは、開始23分で64.5億円を調達したが、その後失速。高いFDV評価額やVC比率の高さが投資家の慎重姿勢を招いたとみられる。
10:33
全米初のビットコイン担保地方債、米ニューハンプシャー州が承認
ニューハンプシャー州が全米初のビットコイン担保地方債を承認した。1億ドル規模の債券でデジタル資産が140兆ドル規模の世界債券市場に参入する道を開く可能性が出た。
10:00
ハイパーリキッド・ストラテジーズ、ナスダック上場に向けた合併が延期に
ソネット・バイオセラピューティクスらの合併によるハイパーリキッド財務企業の上場が延期された。株主投票の賛成票が必要数に達していない形だ。
09:45
ビットコインとイーサリアムの現物ETF、資金流出が継続
仮想通貨ビットコインとイーサリアムの現物ETFは、資金が純流出する日が継続している。この点について、ソラナやXRPなどのETFに資金が循環している可能性が指摘された。
08:50
テザー、ビットコイン担保融資企業レドンに戦略投資
テザーがビットコイン担保融資のリード企業Lednに戦略的投資を実施した。Lednは設立以来28億ドル超の融資を実行し、2025年だけで10億ドル超と見込まれている。
08:00
GMOトラスト、Japan Smart Chainと提携し日本法準拠ステーブルコイン発行を検討
GMOトラストがJapan Smart Chainと提携 AltXリサーチは18日、日本向けレイヤー1ブロックチェーン「Japan Smart Chain(JSC)」において、…
07:15
資産運用大手6社、日本での仮想通貨投資信託の提供を検討
資産運用大手6社が、日本での仮想通貨投資信託の開発を検討していることがわかった。米国でビットコインの現物ETFが認可されたこともあり、日本でも仮想通貨投資信託の誕生に期待する声は多い。
07:05
クラーケンがシタデルから2億ドル調達し企業価値200億ドルに、IPO前に資金基盤強化か=報道
クラーケンがシタデル・セキュリティーズから2億ドルの戦略的投資を確保し企業価値200億ドルと評価された。9月の6億ドル調達に続きIPO前に資金基盤を強化している。
06:35
米通貨監督庁、銀行に「ガス代支払い用」の暗号資産保有を承認
米財務省通貨監督庁が国法銀行によるブロックチェーンネットワーク手数料支払いのための仮想通貨保有を正式承認した。トランプ政権下で仮想通貨に対する規制姿勢が転換している。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧