はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

分散型音楽配信アプリAudius、8億円相当のコミュニティー資産が不正流出

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Audiusでハッキング流出

分散型音楽ストリーミングプロトコルAudiusは24日、ハッカーが不正なガバナンス投票を用いて、同プロトコルのコミュニティから資産の不正流出を行ったと報告した。

ハッカーは、1,800万枚のAUDIOトークンを外部に送金し、イーサリアム(ETH)の形で約1.5億円(110万ドル)を売却した。1,800万AUDIOは執筆時点では約8億円に相当する規模だ。

経緯

Audiusのツイッターアカウントは24日、AUDIOトークンがコミュニティの金庫から不正に引き出されたと報告。その二時間後には「問題を特定し、復旧のために修正を進めている」「追加被害を防ぐために、イーサリアム上のすべてのAudiusスマートコントラクトを一時停止した」と通知した。

さらにその後、次のようにツイートした。

AUDIOトークンは再び完全に機能するようになった。スマートコントラクトの残りの機能は、脆弱性の徹底的な調査と低減措置を行った後に、再開する見込みである。完全な事後報告は明日になりそうだ。

仮想通貨セキュリティ企業CertiKによると、犯人はAudiusのガバナンスシステムで使用されているスマートコントラクトの変更に成功。これにより、犯人は自分一人をコントラクトの監視者にすることができたという。その他、「投票期間」などについての設定も変更した。

その後、犯人はAUDIOトークン1,800万枚の譲渡を求める不正な提案「プロポーザル#85」を提出。自分で投票・承認し、AUDIOトークンを入手した格好だ。

犯人は、すぐに手に入れたAUDIOトークンの売却を始めた。盗まれたトークンの市場価値は全部で約8億円(600万ドル)以上あったものの、市場のスリッページが多発する中、これまでのところは110万ドル相当しか売却できていない。残りの盗まれた資金は、まだ犯人のアドレスに存在している状況だ。このアドレスには「Audius Exploiter(Audiusから不正に資金を盗んだ者)」というタグが付けられている。

コインテレグラフによると、AudiusのRoneil Rumburg CEOは、「今回のガバナンス提案は攻撃の入り口として使用されたもので、Audiusコミュニティがこの提案を通したわけではない」ことを確認した。また、ハッキングの根本原因だった点は修正され、再び不正利用されることはないと話している。

Audiusとは

Audiusは、ミュージシャンが作品を収益化することができるプラットフォーム。ガバナンストークン兼ユーティリティトークンとして独自の暗号資産(仮想通貨)AUDIOトークンを発行している。このAUDIOトークンは、イーサリアムとソラナ(SOL)のネットワーク上で使用できるものだ。

ガバナンスとは

DeFi(分散型金融)プロジェクトの多くでは、ガバナンストークンと呼ばれる、あるプロジェクトのガバナンスに参加するための投票権のようなものが存在する。ユーザーは、報酬のガバナンストークンの価値上昇を期待して、流動性を提供する。流動性を提供するユーザーが増えると、プロダクトの有用性が高まり、プロジェクト自体の価値が上昇するといった仕組みだ。

▶️仮想通貨用語集

Audiusは、2018年に設立されており、シリーズAラウンドで550万ドルを資金調達。これまでの音楽配信プラットフォームよりも、アーティストが自分達でコントロールできるような場所を作ることを目指して立ち上げられた。

コンテンツ配信やマネタイズ構造などに関するプラットフォームのガバナンスについても、アーティストが投票権を持つべきとしており、AUDIOトークンによる投票を採用している。

また、従来の配信プラットフォームよりも支払いの点でアーティストに利点がある。ブロックチェーンベースの公開台帳を使用して、ほぼ即座に、完全に透明性のある形で支払いを行うことを可能としているという。

2021年12月には、メタバース「DeFi Land」でFMラジオタワーを建設。ユーザーはDeFi LandでAudiusの音楽を聴きながらイールドファーミングすることができるようになった形だ。

関連ソラナ基盤の音楽配信アプリAudius、メタバースでラジオステーション建設

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/11 火曜日
19:00
メインネット3周年迎えたAptosのCEOが語る次世代ブロックチェーンの未来|独占インタビュー
Aptos Labs創業者Avery Ching氏独占インタビュー。3周年を迎え、世界最速85msのブロックタイムを誇る技術、グローバル・トレーディング・エンジン構想、Jio Platformsとの提携について詳しく聞く。
18:00
スターテイル、スーパーアプリ公開 ソニーBSLのL2「Soneium」対応
Startale GroupがSoneium向けスーパーアプリ「Startale App」を発表。SNSアカウントでログインするだけで、ガス代や秘密鍵管理不要でオンチェーンアプリにアクセス可能に。
18:00
堀田丸正、Bitcoin Japanへ社名変更
堀田丸正はBitcoin Japanへ商号変更。BTCレンディングと1%以上の配当を組み込むビットコイン財務戦略の詳細を発表。Bakkt黒字転換を背景に経営刷新と日本市場戦略が本格始動。
16:49
ファンプラ(FPL)、公募価格下回る展開 コインチェックIEO4例目
コインチェックIEOのファンプラ(FPL)は初回板寄せ1.495円で価格形成後、まもなく公募価格1円を下回って推移。応募倍率9.06倍、過去IEOとの比較、初日価格推移を速報で解説。
15:06
ユニスワップが収益モデルを刷新、プロトコル収益でUNIを焼却へ
分散型取引所 ユニスワップ(Uniswap)は、手数料の一部をプロトコルが徴収し UNI トークンの焼却に充てる「フィースイッチ」機構を導入する「UNIfication提案」を発表。実現への期待から UNI 価格は30%前後急騰した。
14:02
ブロックチェーンゲーム「コインムスメ ドリームレース!」、12月26日にサービス終了
ブロックチェーンゲーム「コインムスメ ドリームレース!」が12月26日にサービス終了。売上によるトークン買い支えモデルの継続が困難になったことや、外部要因への対応コストが影響。約2年半の運営に幕。MSMトークンはDEX上で存続予定。
13:35
英中銀、「システム上重要な」ステーブルコイン規制案で意見募集 保有上限を設定
イングランド銀行は、ポンド建てシステム上重要なステーブルコインの規制案を公表。個人に2万ポンド(約390万円)、企業に1000万ポンド(約19億5000万円)の一時的な保有上限を設定し、銀行預金の急速な流出リスクを管理する。
13:10
今後の仮想通貨市場、レバレッジ崩壊後の回復見込みは?=コインベース分析
コインベースが10月清算イベント後の仮想通貨市場について最新の分析を発表。レバレッジが解消され今後数か月はゆるやかに上昇すると予想している。
11:05
金持ち父さん著者キヨサキ、ビットコイン・金・銀の価格予想を公開 「売らずに買い続ける」
『金持ち父さん貧乏父さん』著者のロバート・キヨサキ氏が2026年のビットコイン価格を25万ドルと予想した。金や銀にも強気の見通しを示し、米国の債務拡大を理由に実物資産への投資を推奨。
10:35
ランブル、テザー支援でノーザンデータ買収へ AI・HPC事業を強化
動画プラットフォームRumbleが、ステーブルコイン大手テザーの支援を受けてAI企業ノーザンデータを買収する。欧州最大級のGPU事業獲得でクラウド事業を強化する。
09:45
仮想通貨取引所ジェミニ、IPO後初の決算発表 予想超える売上増も損失拡大
ウィンクルボス兄弟創業のジェミニが株式上場後初の四半期決算を発表し、1株当たり6.67ドルの損失を計上した。売上高は5,060万ドルで前年比2倍に増加したが、上場関連費用が重荷となった。
09:15
KDDI、Pontaをステーブルコインに替えられるサービス提供へ
KDDIは年内にも、共通ポイントPontaをステーブルコインに替えて決済や送金に利用できるようにすることがわかった。ブロックチェーン上の金融サービスでも活用できるようにする。
08:05
ブロック社のスクエア、400万店舗でビットコイン決済開始
ジャック・ドーシー率いるブロック社が、スクエアで全世界400万店舗のビットコイン決済を可能にした。Square Bitcoinは2027年まで手数料無料で、ライトニングネットワークによる即時決済を提供。
07:40
米上院農業委員会が仮想通貨規制法案の草案公開、CFTCに新たな権限付与へ
米上院農業委員会が仮想通貨規制法案の草案を公開し、CFTCにデジタル・コモディティの規制権限を付与する内容を明らかにした。多くの部分が両党間の交渉中で未解決となっている。
07:02
仮想通貨投資商品、先週は約1800億円の資金が純流出
CoinSharesは、ETFなどの仮想通貨投資商品全体への先週における資金フローは約1,800億円の純流出だったと報告。ビットコインとイーサリアムの商品が流出を主導した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧