米SEC執行部「仮想通貨について法的措置を取り続ける」

証券法違反の取り締まりを続ける姿勢

米証券取引委員会(SEC)執行部ディレクターのグルビル・グレワル氏は9日、暗号資産(仮想通貨)について法的措置を取り続ける方針を表明した。

ワシントンで開かれたカンファレンスで、グレワル氏は「証券取引法に違反する証拠が得られた場合、どのような技術が使われているかなどに関わらず、私たちは訴訟を起こし続けるつもりだ」と発言した形だ。

その理由として、多くの個人投資家が仮想通貨に引き寄せられているが、何らかの要因で市場が下落した場合などに不釣り合いな負担を負う可能性があると説明。また、仮想通貨市場の問題が、特に非白人や低所得の投資家に与える影響が大きい可能性があるとも報告されていると話した。

また、SECによる執行措置が「イノベーションを阻害する」などの非難もあるものの、投資家と市場の利益のために、法や規則を公平に執行するという職務を放棄するわけにはいかないとの姿勢を示している。

グレワル氏は、ある資産が証券であるか否かについては、依然としてHowey(ハウィー)テストなどが重要かつ正確な手段であると説明した。

ハウィーテストとは

ハウィーテストとは、米国で特定の取引が「投資契約」という証券取引の定義の一つに該当するかどうかを判定するテスト。W. J. Howey社に対する証券取引委員会の訴訟事件に由来する。このテスト自体に法的拘束力はないが、SECはこのテストを根拠に複数のICO(トークン販売)に対して訴訟を起こした経緯がある。

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SEC内部から批判の声も

以前より、SECは何が証券であるか明確なガイドラインを示すことなく、法的措置を起こすことによって取り締まりを行っているとの批判が行われてきた。SEC内部からも、そうした声は上がっている。

グレワル氏と同じカンファレンスに出席したSECのマーク・ウエダ委員も、「法的執行による規制」に批判的な見解を示した。こうした方法の大きな欠点は、市場参加者の意見を考慮するメカニズムを設けられず、近視眼的なアプローチになりかねないことだとしている。

ウエダ氏は、強制措置よりも、ルール作りの過程で民間から市場の慣行や発展に関する見解を広く取り入れることで、より様々な要素を考慮した対応を行うことができると続けた。特に、仮想通貨について次のように言及している。

現在、SECが行う規制の中でも、大きく、難しく、複雑な問題の1つは、仮想通貨と関連サービスをどのように規制するかということだ。

市場参加者は、この分野における規制の指針がないことについて、大きな懸念を表明している。SECの規制が不明確であるために仮想通貨企業の海外流出につながるのではないかという懸念が広がっているところだ。

関連金融庁と経済産業省は企業が自社で発行・保有する仮想通貨に対する課税方法を見直す方針を固めた。有望なスタートアップ企業の海外流出を防ぐことが目的。

ウエダ氏は、特に「ある仮想通貨は証券に該当するのか」、また該当する場合に「市場参加者はどのように連邦証券法とSECの規則を遵守するのか」という2つの点が不透明であると指摘した。

こうした方面でSECは、「法的執行による規制」を行うことが多いと問題視されている。

ビットコインの監督権限

米国では、仮想通貨の規制をめぐり、有価証券とみなされるものについて証券法のもとで規制を行うSECと、商品(コモディティ)を監督する米商品先物取引委員会(CFTC)の間で、監督権限の争いが続いている状況である。

こうした中、SECのゲーリー・ゲンスラー委員長は8日、ビットコインなど証券に分類されない一部の仮想通貨の監督権限をCFTCに与える提案を支持すると述べている。

ゲンスラー氏は、現在仮想通貨市場には「暗号証券トークン」と「暗号非証券トークン」が流通しており、暗号証券トークンはSECが規制を担当し続けるが、CFTCが「暗号非証券トークン」を監督する権限を強化する必要性があるとの姿勢を示した。

その上で「仮想通貨市場のトークンのうち、大半は証券だと考えている」とも強調している。

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