はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

米SEC執行部「仮想通貨について法的措置を取り続ける」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

証券法違反の取り締まりを続ける姿勢

米証券取引委員会(SEC)執行部ディレクターのグルビル・グレワル氏は9日、暗号資産(仮想通貨)について法的措置を取り続ける方針を表明した。

ワシントンで開かれたカンファレンスで、グレワル氏は「証券取引法に違反する証拠が得られた場合、どのような技術が使われているかなどに関わらず、私たちは訴訟を起こし続けるつもりだ」と発言した形だ。

その理由として、多くの個人投資家が仮想通貨に引き寄せられているが、何らかの要因で市場が下落した場合などに不釣り合いな負担を負う可能性があると説明。また、仮想通貨市場の問題が、特に非白人や低所得の投資家に与える影響が大きい可能性があるとも報告されていると話した。

また、SECによる執行措置が「イノベーションを阻害する」などの非難もあるものの、投資家と市場の利益のために、法や規則を公平に執行するという職務を放棄するわけにはいかないとの姿勢を示している。

グレワル氏は、ある資産が証券であるか否かについては、依然としてHowey(ハウィー)テストなどが重要かつ正確な手段であると説明した。

ハウィーテストとは

ハウィーテストとは、米国で特定の取引が「投資契約」という証券取引の定義の一つに該当するかどうかを判定するテスト。W. J. Howey社に対する証券取引委員会の訴訟事件に由来する。このテスト自体に法的拘束力はないが、SECはこのテストを根拠に複数のICO(トークン販売)に対して訴訟を起こした経緯がある。

▶️仮想通貨用語集

SEC内部から批判の声も

以前より、SECは何が証券であるか明確なガイドラインを示すことなく、法的措置を起こすことによって取り締まりを行っているとの批判が行われてきた。SEC内部からも、そうした声は上がっている。

グレワル氏と同じカンファレンスに出席したSECのマーク・ウエダ委員も、「法的執行による規制」に批判的な見解を示した。こうした方法の大きな欠点は、市場参加者の意見を考慮するメカニズムを設けられず、近視眼的なアプローチになりかねないことだとしている。

ウエダ氏は、強制措置よりも、ルール作りの過程で民間から市場の慣行や発展に関する見解を広く取り入れることで、より様々な要素を考慮した対応を行うことができると続けた。特に、仮想通貨について次のように言及している。

現在、SECが行う規制の中でも、大きく、難しく、複雑な問題の1つは、仮想通貨と関連サービスをどのように規制するかということだ。

市場参加者は、この分野における規制の指針がないことについて、大きな懸念を表明している。SECの規制が不明確であるために仮想通貨企業の海外流出につながるのではないかという懸念が広がっているところだ。

関連金融庁と経済産業省は企業が自社で発行・保有する仮想通貨に対する課税方法を見直す方針を固めた。有望なスタートアップ企業の海外流出を防ぐことが目的。

ウエダ氏は、特に「ある仮想通貨は証券に該当するのか」、また該当する場合に「市場参加者はどのように連邦証券法とSECの規則を遵守するのか」という2つの点が不透明であると指摘した。

こうした方面でSECは、「法的執行による規制」を行うことが多いと問題視されている。

ビットコインの監督権限

米国では、仮想通貨の規制をめぐり、有価証券とみなされるものについて証券法のもとで規制を行うSECと、商品(コモディティ)を監督する米商品先物取引委員会(CFTC)の間で、監督権限の争いが続いている状況である。

こうした中、SECのゲーリー・ゲンスラー委員長は8日、ビットコインなど証券に分類されない一部の仮想通貨の監督権限をCFTCに与える提案を支持すると述べている。

ゲンスラー氏は、現在仮想通貨市場には「暗号証券トークン」と「暗号非証券トークン」が流通しており、暗号証券トークンはSECが規制を担当し続けるが、CFTCが「暗号非証券トークン」を監督する権限を強化する必要性があるとの姿勢を示した。

その上で「仮想通貨市場のトークンのうち、大半は証券だと考えている」とも強調している。

関連ゲンスラー米SEC委員長、CFTCによるビットコインの監督権限を支持

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/17 土曜日
14:00
アブダビ政府系ファンド、ビットコインETF買い増しで保有額750億円突破
アブダビのムバダラ・インベストメントが第1四半期にブラックロックのビットコインETFを49万株追加購入。ゴールドマン・サックスは最大保有者として3000万株を保有。
13:05
ビットコインETFフェイクニュース事件、犯人に懲役14か月の判決
米SEC公式Xアカウントを乗っ取り、ビットコインETFについてのフェイクニュースを流した26歳の被告に懲役14か月の判決が下りた。偽情報で仮想通貨市場を混乱させたことが重大視された。
11:00
ビットコイン長期保有数1437万BTCに到達も、利確売り強まる=アナリスト分析
ビットコインの長期保有者が3月から5月にかけて利益確定を加速。支出利益率は71%増加し227%の平均リターンを記録。長期保有量は1437万BTCに達するも、市場サイクルの分配フェーズへの移行を示唆。
10:10
トランプ家のWLFI、民主党議員による調査要請を正式拒否
トランプ一族の金融企業WLFIが上院による調査を拒否した。政治的動機と批判し、同社は説明責任や米ドル優位性を指針としていると主張。倫理規定違反の疑惑なども否定している。
09:02
ETH・BTC比率が5年ぶり急騰、アルトシーズンの到来示唆か
イーサリアム/ビットコイン(ETH・BTC)価格比率が過去5年最低水準から38%急反発。ETFによる買い増し、取引所流入減少などの指標から需要増加・売却圧力低下が鮮明に。「極端な過小評価ゾーン」からの回復が示すアルトコインシーズン到来の可能性を分析。
07:50
ビットコインで利回り獲得、Solvがアバランチ基盤の新トークン発表
仮想通貨ビットコインの保有者にRWAの利回り獲得手段を提供するため、Solv Protocolはアバランチ上にSolvBTC.AVAXをローンチ。ローンチの目的や仕組みを説明した。
07:30
10億ドルのビットコイン投資を検討、米上場のシンガポール医療企業
シンガポールの医療企業バーゼル・メディカル・グループが10億ドル規模のビットコイン投資に関する交渉を開始。ストラテジー社に続く大規模企業BTC投資の新事例として注目される中、「革新的な株式交換契約」を通じてアジア医療企業最強の財務体質構築を目指す。
06:45
米裁判所、SECとリップルの和解案を「手続き上不適切」として却下 再申請へ
米連邦地裁がSECとリップルの和解申請を「手続き上不適切」として却下。民事訴訟規則違反が原因で、両者は適切な手続きでの再申請を迫られる状況に。
06:25
イーロン・マスクの『Kekius Maximus』切り替えでミームコインが2倍以上急騰
イーロン・マスク氏がツイッターのプロフィール画像とユーザー名をミームトークン「Kekius Maximus」に変更し、関連トークンが2倍以上急騰。昨年の900%上昇・急落事例に続くマスク氏のSNS活動による仮想通貨市場への影響力を示す展開に。
06:05
サウジ中央銀行、15億円相当のストラテジー株保有でビットコインに間接投資
サウジ中央銀行がセイラーのストラテジー社の株を25656株取得し仮想通貨ビットコインへの間接投資を開始したことが確認された。
05/16 金曜日
17:00
マスクネットワークとは?仮想通貨MASKの買い方・取引所まで徹底解説
Mask NetworkはSNS×Web3をシームレスに接続するSocial-Fiプラットフォーム。本記事では特徴とMASKトークンの買い方を初心者向けに解説します。
13:50
米ステーブルコイン法案、来週末までの成立視野に 次の「起爆剤」との見解も
米上院のステーブルコイン法案「GENIUS法案」で新たな超党派修正案が決定された。消費者保護や倫理規定が強化され、5月19日に討論終結投票が予定されている。
11:58
ビットコイン高値圏推移もアルトコインは上昇一服
仮想通貨ビットコインは104,100ドルと高値圏で推移、アルト市場ではメイプルストーリー(NXPC)はバイナンス対応で一時高騰したほか、XRPは7,300万ドル相当の大口売りとリップル和解手続き却下で下落した。コインベースはサイバー攻撃で最大4億ドルの損失も被害者への返金を約束した。
11:30
ブラックロックの「BUIDL」、初めてDeFiと接続へ アバランチ利用で
ブラックロックの米国債ファンド「BUIDL」がアバランチ上のプロトコル「Euler」に導入された。セキュリタイズは、機関投資家のDeFi参入を促進する一歩になったとしている。
10:55
加速する企業のビットコイン争奪戦、米上場のDDC社が5000BTC取得計画
香港発DDCエンタープライズが5000ビットコイン取得計画を発表。テザーの4812BTC購入、アデンタックスの8000BTC購入のための交渉、ウクライナの国家準備金構想など、企業・国家レベルでビットコイン争奪戦が激化。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧