仮想通貨オンチェーンデータの分析企業
大手暗号資産(仮想通貨)分析企業Messariは21日、シリーズBラウンドで約50億円(3,500万ドル)を資金調達したことを発表した。
出資は、欧州の著名投資企業Brevan Howard Digitalが主導し、Morgan Creek Digital、Samsung Next、仮想通貨取引所FTXのベンチャーファンドFTX Venturesなどが新たに参加。
既存投資家の、Point72 Ventures、Kraken Ventures、Uncork Capital、Underscore VC、Galaxy、Coinbase Venturesなども支援を継続している。
Messari社は2018年に創業された、仮想通貨のオンチェーンデータの分析や調査に特化したデータサイト。
各銘柄に関するレポートを定期的に公開しており、22年7月にはソラナ(SOL)ブロックチェーンの22年Q2(4月〜6月)報告を公開。資産価値の低下や、ネットワーク障害による利用率の低下の一方、エコシステムは確実に拡大していることを指摘した。
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資金調達の完了について、Messari社のライアン・セルキス最高経営責任者(CEO)兼共同創業者は以下のようにコメントした。
我々は、投資家や仮想通貨企業、トークン・コミュニティが仮想通貨経済に参加するために必要なツールを提供することに注力している。今回の資金調達は、チームの成長や国際的な拡大、そして市場をリードする製品群を完成させるための、新たなデータ提供やツールの開発に繋がるだろう。
資金用途
資金調達完了の報告と合わせて、Messari社は新プロダクト「Protocol Metrics」と「Data Apps」を発表した。
前者は、データを標準化することで、複数のネットワーク上の資産を比較し、プロトコルの健全性、成長、利用状況を分析できるツール。
後者はカスタマイズされたデータセットを検索できる、法人向けのデータアプリマーケットプレイスで、まずはベータ版が一部の法人ユーザーに提供される。将来的にはすべての法人ユーザーに提供範囲が拡大される予定だ。
調達した資金は、これらのプロダクトを含む製品の開発に使用されるとMessari社は説明している。
8月には仮想通貨データ企業を買収
Messari社は現在、企業規模を拡大しており、22年8月にはブロックチェーン系データ企業Dove Metricsを買収。
Dove Metricsは仮想通貨投資企業やDAO(自立型分散組織)、投資ファンドの資金調達やエンジェル投資家のポートフォリオを監視するデータベースを提供し、業界の資金調達状況を把握できるデータを統計している企業だ。
買収後、同社のデータはMessari側のプラットフォームで閲覧可能となった。8月時点では、8,000以上の企業やファンドなどが実施した3,000以上の投資ラウンドに渡るデータを提供していた。