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バイナンスラボ、Suiブロックチェーン上の12プロジェクトを支援へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

第5回インキュベーションプログラム

大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスのVC部門「バイナンスラボ」は10日、5回目となるインキュベーションプログラムの対象に、Suiブロックチェーン上のEVMプロジェクト「HANA EVM」を含む12のプロジェクトを選出したと発表した。

同プログラムは「Web3の未来を形作る革新的なブロックチェーンプロジェクト」を支援することを目的としている。年に2回の公募があるが、今回は900を超えるプロジェクトが応募し、最も競争が激しかったという。

2018年に開始されたプログラムでは、Polygon、Perpetual Protocol、Dune Analyticsなど、Web3ネイティブの50以上のプロジェクトの育成支援を行なってきており、有望なスタートアップの登竜門となっている。

今回選出されたプロジェクトは以下の通り。

  • Bracket Labs Group:Web3向けDeFiデリバティブ
  • DappOS:ユーザー向け仮想通貨インフラ管理
  • HANA EVM:*詳細は後述
  • Kryptoskatt:会計、ポートフォリオ管理、税務報告サービス
  • Mind Network:データの相互運用と自動プログラム化
  • Notebook Labs :Web3のためのIDインフラ構築
  • Ontropy :Web2からWeb3へのデータ転送方法を再構築
  • PIP:Web3決済
  • Sandbags Protocol:Web3のセキュリティサービス
  • The Harvest:無料プレイのオンラインバトルゲーム
  • Wallet Guard:Web3セキュリティ教育やツールを提供
  • zkPass:ゼロ知識証明に基づく分散型KYCソリューション

2022年8月時点でバイナンスラボの運用資産(AUM)は約1兆円(75億ドル)、投資の収益性を測る指標である「投下資本倍率(MOIC)」は業界最大規模のベンチャーキャピタルとして知られる。

インキュベーションとは

英語表記は「incubation」。この英単語が「卵が孵化する」という意味であることから、ビジネス業界では「起業や新事業の創出を支援し、その成長を促進させること」を表す。

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HANA EVMの概要

HANA EVMは、Suiブロックチェーン上のイーサリアム仮想マシン(EVM)で、イーサリアムのツールを使ってSui上のスケーリングや流動性アクセスを可能にするクロスチェーンソリューション。

従来のEVMの互換性と異なる点は、ソリューションが同期的な相互運用性を実現したことだという。「コントラクトとしてのEVM」というアーキテクチャとプログラミング言語Moveによるトランザクションのフォーマットにより、EVM互換アプリケーションとSui搭載アプリケーションが、一つのブロックチェーンに共存することで、両方のエコシステムが共依存的に発展することを可能にする。

また、UniSwap、SushiSwap、Aave、Curveなど、イーサリアムのアプリをコードベースの変更なしにSui上で実行することが可能とのことだ。

テクニカルペーパーでは、HANA EVMはレイヤー2やサイドチェーンではないと強調している。Suiレイヤー1の上にネイティブに構築されてているため、本質的にトラストレスなEVM実行環境が実現されるという。

HANA EVMの実行エンジンはMove言語で書かれたインタプリタであり、Suiブロックチェーン上の他のコントラクト同様、スマートコントラクトとして展開される。

HANA EVMのアーキテクチャは、ネイティブチェーンであるSuiのセキュリティを自由に借用できるように構築されている点で、他の相互運用ソリューションとは異なるという。これまで数々のハッキングの被害に悩まされた複雑なブリッジ機能に依存する必要がなくなるため、セキュリティ面で優れていると開発者は主張する。

EVMとは

イーサリアム仮想マシンの略。スマートコントラクトを実行するための「翻訳機」として機能する。

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