銀行持株会社SoFiのリスクに警戒
米国上院の民主党議員らは21日、米国の金融規制当局と金融サービス企業SoFiそれぞれに宛てて書簡を提出した。SoFiの暗号資産(仮想通貨)取引サービスがもたらすリスクを懸念する内容だ。
SoFiの仮想通貨関連子会社「SoFi Digital Assets」が市場における悪影響の波に巻き込まれた場合、その影響が、SoFi本体や関連する国立銀行にもおよぶことを警戒している。
SoFiは今年初めに銀行持株会社とみなされる認可を受けているため、流動性危機の際には連邦準備制度(FRB)から支援を求めることができるようになった。
このため議員らは、SoFiが運営する仮想通貨事業の危機により、最終的には米国民の税金が費やされるリスクがあると指摘する格好だ。
銀行持株会社とは、銀行を傘下に持ち、金融に関する事業を主とする持株会社のことである。
書簡を提出したのは、上院銀行委員会のシェロッド・ブラウン議員、ジャック・リード議員、ティナ・スミス議員、クリス・ヴァン・ホーレン議員の4人である。FRB、連邦預金保険公社、通貨監督庁(OCC)、およびSoFiのCEOを宛先とした。
背景
SoFiは2020年10月に、米通貨監督庁(OCC)から条件付きの国法銀行(ナショナルバンク)設立の認可を受けている。同社の仮想通貨部門「SoFi Digital Assets」は、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)など仮想通貨の売買サービスを運営しているところだ。
今年2月、SoFiはゴールデン・パシフィック・バンコープとその子会社ゴールデン・パシフィック銀行を買収。FRBから銀行持株会社となることを認可された。
FRBはこの際、SoFiに対して、2年以内に仮想通貨部門「SoFi Digital Assets」を売却するか、仮想通貨サービスについて法律に準拠させることを求めていた。
議員らは、SoFiがこの合意に反する動きを示しているのではないかと主張。次のように指摘した。
ゴールデン・パシフィックを買収した後、SoFi Digital Assetsは仮想通貨の小売り事業を拡大したようだ。
SoFiは、承認を受けた2か月後に、同社の銀行の顧客が、口座預金の一部を仮想通貨に投資できる新サービスを発表した。手数料無料で提供している。
SoFiはこれを「仮想通貨投資を簡単に始められる新サービス」だと公言している。
議員らは、今年起きた仮想通貨セクターの債務不履行連鎖にも言及した。SoFiは銀行部門も抱えているため、もし今後こうした危機に巻き込まれた場合、税金による救済が行われ、納税者の負担になる可能性があると指摘している。
議員らは、SoFiに対して、仮想通貨取り扱い基準や規制遵守についての質問に答えるよう要求した。
SoFiの返答
SoFiは、21日に議員らの書簡に回答。仮想通貨は主要な事業ではないと強調し、破産申請したFTXに直接的なエクスポージャーを持っているわけでもないと付け加えた。
SoFiは、次のように申し立てている。
SoFiは、仮想通貨関連部門を含め、規制や法律の遵守義務を重視している。
当社は、銀行免許関連やその他で適用される法律すべてを完全に遵守してきた。また、連邦政府や州の規制当局とも建設的な対話を続けている。
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